人気猫写真家・沖昌之の超かわいい 『必死すぎるネコ』の秘密とは?

写真集『必死すぎるネコ』や近著『明日はきっとうまくいく』で猫の魅力を引き出す沖昌之さん。InstagramやTwitter、ブログ、テレビ「天才!志村どうぶつ園」「おはにゃん」で披露する猫写真が大人気です。その秘密や撮るコツをインタビュー!

猫
「ベシッ!」。しつこく求愛するオス猫(奥)をメス猫(手前)が叩いた瞬間。
「人間の世界でも、あるあるですよね(笑)」(沖さん)
猫
『必死すぎるネコ』の表紙を飾った1枚。
奥に何か気になるものがあるのか、それとも追手から逃れているのか……。
落ちるニャ〜! ……ではなく、実は2m近くの高さの塀に登る瞬間を捉えた 1枚だそう。
落ちるニャ〜! ……ではなく、実は2m近くの高さの塀に登る瞬間を捉えた 1枚だそう。
沖さんの代表カット“ねこザイル”。 <br>
手前の2匹が後ろに何かを伝えようとしている?
沖さんの代表カット“ねこザイル”。
手前の2匹が後ろに何かを伝えようとしている?

モテようと必死! 覗くのに必死! 落ちまいと必死!
普段クールな外猫の、ファニーな瞬間の数々が詰まった写真集『必死すぎるネコ』。どうしてこんな写真が撮れるの⁉ と思わせる強烈さで、書店では売り切れ続出。
著者は、今や国内外での展覧会や、海外の猫撮影ツアーにひっぱりだこの沖昌之さんです。

飼い猫、外猫、インスタ猫をうまく撮る沖さん流のコツは?

猫と沖さん

「撮影! と気張らないようにしています。縄張りに何度も通って、撫でたり見守ったり。猫の日常に溶け込んで初めて、普段見せない表情を見せてくれる気がしています。それでも“必死な”瞬間は滅多に撮れませんが……」 

コツは、自らも猫のようになってみること。地味なようですが、時間と労力、そしてたっぷりの愛情をもって接することが大切なようです。 

海外の猫

2018年の7月に撮影で訪れたトルコでは、人と猫の親密さが印象的だったとか。銀座のようにブティックの並ぶ大通りにも自然に猫がいたり、撮影中、現地の人が猫に遊びのポーズを加えに来たり。“人と猫の密な共生”の写真が多く撮れたといいます。 

華々しく活躍中の沖さんの意外な素顔と、猫との馴れ初めとは……

猫

「ぼくは以前、家で1日寝ていれば幸せな人間でした。猫には、外の世界に出ることの大切さを教わったんです。今も撮影中、集中力が切れたときに限って絶妙なポーズをしてくれたり。人の心を見透かしているんですね。うまく撮れたら、猫様のおかげ。撮れなかったら、悪いのは自分です」 

どこまでも謙虚な沖さん。今後も、被写体は大好きな猫一本に絞り、海外での撮影、そして写真集の出版にもどんどん挑戦したいといいます。かわいいだけでなく、胸にグッとくる猫たちの姿を、SNSやブログでぜひチェックしてみてください。 

Profile
おきまさゆき

1978年生まれ。兵庫県出身。アパレルの撮影カメラマン兼販売員時代の2015年に初恋のねこ「ぶさにゃん先輩。」との出会いを機にフリーに。以降、独自の視点でねこを撮影し発表。著書に『ぶさにゃん』『必死すぎるネコ』『残念すぎるネコ』『俳句ねこ』『ヒミツのヒミツの猫集会』『明日はきっとうまくいく』『沖昌之の写真絵本1 にゃんこ相撲 下町編』など。またアパレルブランドZUCCaとのコラボレーション「#ZUCCATS」を発表。2019年夏に山梨県立博物館で行なわれた「すごすぎる!ねこ展」や、「ねこがかわいいだけ展」に写真提供するなど活躍中。

沖さんの写真をいつもそばに!

『ぶさにゃん』
(新潮社、定価1,200円)
『必死すぎるネコ』
(辰巳出版、定価1,296 円)
『残念すぎるネコ』
(大和書房、定価1,200円)
『俳句ねこ』
(ホーム社、定価1,400円)
『ヒミツのヒミツの猫集会』
(天夢人、定価1,250円)
『明日はきっとうまくいく』
(朝日新聞出版、定価1,300円)
『沖昌之の写真絵本1 にゃんこ相撲 下町編』
(大空出版、定価1,200円)

「猫が撮らせてくれる」。猫に人生を変えられたとまで豪語する沖さんの言葉や撮影スタンスは、とても誠実かつ自然体で、猫撮影の初心者にとっても参考になるものばかりでした。言うは易しで、当然簡単なことではありませんが、猫たちの特別な瞬間をキャッチしたい方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょう。

planmake_tamai

取材・文=玉井雄大
たまいゆうた●月刊『茶の間」編集部員。滋賀県出身。自然や映画、銭湯、禅、詩、酒など“本質を語れるものごと”好き。茶道もその一環ですが、第一子誕生によりお休み中。今は流派にとらわれず、お家でセルフ抹茶を楽しみます。