美髪の極意は、シャンプーとドライヤー方法の見直しにあり!

髪のボリューム、パサつき、ダメージなどの悩み。美しい髪の毛に必要なのは、頭皮のケアが欠かせないことをご存じですか? 日々のシャンプーやドライヤーの方法を見直したり、簡単なヘッドマッサージを取り入れたりするだけで、ヘアケアは簡単にできます。

ヘアケアサムネ

評判の美容師が話す、美髪に地肌づくりが欠かせない理由

評判の美容師

教えてくれた人 美容師 幸 愛ゆき あいさん

美容師歴26年。京都で美容室DIVAを立ち上げて15年となる。一般的なパーマやカラーリングなどの施術に加え、地肌の健康や美肌づくりを重視、オーガニックヘナを用いるなど、からだと環境にやさしい美容を追求する。

「年齢を重ねても元気な髪でありたい」と思う人は多いでしょう。髪を元気に保つコツを、美容師歴26年の幸さんに聞いてみました。
「髪の生える土壌である、地肌を整えてほしいのです。お聞きすると『何もしていない』と答えるシニアのお客様がほとんどなのですが、手間をかけると髪が変わりますよ」
幸さんが勧める、髪の地肌のケアには3つの方法があります。
第一に大切なのが、ヘッドマッサージ。
「シャンプーのとき以外、頭皮を触ったことがないという人もいるのでは? 髪が生える大切な場所なので、ぜひ毎日マッサージしましょう。必ず成果はあります」
ヘッドマッサージにより、頭皮の緊張がとれ、めぐりもよくなり、頭皮全体の状態が改善して、髪の元気回復が期待できます。ブラシなどの道具を使う必要はなく、指のマッサージで充分だそうです。
マッサージは気持ちもリフレッシュできるので、朝晩の好きなタイミングに。「湯船につかっているときは、血行がよく、スチーム効果もあります。マッサージのあとに洗髪すると、汚れも落ちやすくなりますよ」と幸さん。

切り抜き人物

第二に、幸さんが重視するのがシャンプーの使い方です。
「シャンプー液が残っていると、地肌のトラブルの原因になるので、完璧に洗い流してください。シャンプー剤の使い過ぎもいけません」
広告で見かける、ぶくぶくに泡立てた状態はシャンプー液の使い過ぎ。また、お湯だけで洗髪する「湯シャン」は皮脂分泌量の多い人には向きません。「体質や頭髪の汚れに応じて使い分けるとよいですよ」。
地肌のケア、第三のポイントはドライヤーの使い方です。髪が傷むからとドライヤーを避ける人もいますが「適切に使えば、むしろ髪の健康によいですよ」と幸さん。濡れたまま放置すると頭皮が冷え、雑菌が繁殖して臭いの原因にもなるからです。

地肌ケア1
ヘッドマッサージは 4つの音で覚える
ヘッドマッサージは
マッサージには、好きなヘアケア用品を選んで、楽しい時間にしましょう。育毛効果があるものなら期待ができます。

地肌ケアの基本が、ヘッドマッサージです。髪の毛の土壌である頭皮は、手で触って刺激を与えないと、なかなか血のめぐりをよくする機会がありません。さらに目を酷使する細かい仕事やパソコン作業をしていたり、髪を一つに結んでいたりすると、頭皮も緊張して、長時間血流が悪い状態になりがちです。
下の4つのケアを上から順に行なうことで、頭皮の緊張状態はほぐせます。どのケアも各1~3分程度。時間がないときは3つ目まででも構いません。4つ目のケアは、頭皮の固い人はなかなか動きにくいかもしれませんが、繰り返すうちに、頭皮がやわらかくなる感覚と、動かすコツもわかってきます。
実際にやってみると、頭皮の血行がよくなるとともに、目の疲れもとれ、頭がスッキリしてリフレッシュするのがわかるでしょう。時間を問わず、生活に取り入れやすいタイミングで続けてみましょう。

指を地肌に当てて摩擦し、抜け毛や汚れを落とす
指を地肌に当てて摩擦し、抜け毛や汚れを落とす

◎ 指を地肌に当てて摩擦し、抜け毛や汚れを落とす

指を地肌に入れ、洗髪と同じ動きでシャカシャカと地肌を摩擦し、ほこり汚れや抜け毛などを落とす。

トントン
指の腹で地肌をリズミカルに叩く

◎ 指の腹で地肌をリズミカルに叩く

両手を広げ、頭の10cmくらい上から、指の腹で、地肌をトントンと、軽くリズミカルに叩く。

シャッシャッ
髪をつまんで上に持ち上げることを繰り返す

◎ 髪をつまんで上に持ち上げることを繰り返す

指先を頭に当てて髪の毛ごとつまんで、シャっと上に持ち上げ(指をすぼめ)、髪を放す(指を広げる)。

モミモミ
モミモミ

◎ 指の腹を使い、頭皮を動かす

指を広げて頭皮に当て、指の腹で頭皮を頭蓋骨からずらすように、モミモミと動かす。頭全体に行なう。

地肌ケア2
シャンプー液は 完全に洗い流す
シャンプー液は
シャンプー後は、地肌から毛先まで、ていねいに洗い流します。すすいだ水にぬめりがないか、確認してください。

地肌ケアで知っておきたいのは、シャンプーの適切な使い方です。
「シャンプーの使い過ぎで地肌に炎症が起こり、薄毛の原因になる方もいます。必ず手にとってお湯で薄めて使ってください。また、シャンプー剤の成分が残っていると、肌のトラブルになることもあるので、完璧に洗い流してくださいね」と、幸さんは話します。
一方、簡単だからと湯だけで洗う人や、界面活性剤の入っているシャンプーを使いたがらないナチュラル派の人もいます。しかし、頭皮の皮脂汚れが取りきれていないと、毛根が詰まって新陳代謝も悪くなり、頭髪にも影響が出ます。
「シャンプーは必ずしも毎日する必要はありませんが、皮脂汚れを取り除くためには必要です」
自分の髪や地肌の状態に応じて、シャンプーを使う日と、お湯で流すだけの日など、組合せるのがよいそうです。
また、シャンプーのあとのトリートメントも、同様に、しっかりと洗い流すのも大切です。 シャンプーの目的は地肌ケアと捉え、自分の頭皮と髪をいたわるつもりで上手に使っていきましょう。

基本の量はこのくらい
基本の量

◎ お湯で薄め、髪全体につける

シャンプー剤はボトルのワンプッシュが基本量。ロングヘアの人はその倍。お湯で薄めて、手のひら全体に広げたあと、髪全体にまんべんなく薄くつけていく。地肌は指の腹でやさしくこすり、毛先は軽くもむ程度にする。

泡立てすぎは禁物!
泡立てすぎは禁物!

◎ 泡立ちはこのくらいで大丈夫!

泡立ちが悪いからと、シャンプー液を追加して泡立てていく人もいるが、必要な泡立ちはこの程度で十分。シャンプー剤を使い過ぎると、洗い流す時間もお湯も余分にかかるので、最初から適切な量を使いたい。

地肌ケア3
ドライヤーは 地肌にかける
ドライヤーは
ドライヤーはまず地肌から。全体が少し湿っている程度でやめて、あとは自然乾燥。

地肌ケア、第三のポイントは、ドライヤーの上手な使い方。頭皮と髪の負担にならないように使います。
まずは、髪の拭き方です。洗髪直後は髪の毛のキューティクルが開いていて、タオルで強くこすると髪の毛を傷めるので、髪の根元はしっかり拭きますが、毛先はタオルでポンポンとはさむ程度にします。
ドライヤーではまず、地肌を乾かします。手で髪の毛をかき分け、ドライヤーを地肌に直角に向けて熱風を当てます。最も乾きにくい「盆の窪(ぼんのくぼ)」からスタートし、頭全体へ。
地肌にまんべんなくドライヤーをあてたら、今度は、毛先に向かって手ぐしでとかすように乾かします。指が熱くなったら、髪の毛にも熱すぎるサイン。熱風の当てすぎにならないように注意します。
そして、髪の毛全体が少し湿っている程度でドライヤーはおしまい。あとは一時間程度、自然乾燥させます。寝る1時間前にドライヤーを終わらせるようにするのが理想です。
以上、3つの地肌ケアをご紹介しましたが、自宅で簡単にできることばかりです。髪の毛の元気を保つために、地肌のケアを毎日の暮らしに取り入れてみませんか。

ここが盆の窪
ここが盆の窪

◎ 盆の窪から「スタート」

ドライヤーは、最も乾きにくい「盆の窪」の部分から始める。まず髪の毛をかき分けて地肌を露出させ、地肌から乾かしていく。ドライヤーは15~20cmほど離れた場所から頭皮に直角にあてる。

指が熱くなる前にストップ

◎ 指が熱くなる前に「ストップ」

地肌が乾いたら、手ぐしで毛先を乾かす。ドライヤーの熱で指が熱く感じたら、それは髪にとっても熱すぎ。毛先がしっとりしているくらいで、ドライヤーはやめる。

おわりに

毎日のシャンプーやドライヤーで少し気をつけるだけで、ケアにつながるなんて驚きですね! 私も毎日実践してみようと思います。

(文/中岡ひろみ 写真/杉本幸輔)

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企画・構成=楠石千晶
くすいしちあき●月刊『茶の間』編集部員。梅干しとみかんがおいしい和歌山県出身。幼少期から梅干茶漬けをこよなく愛す。そのおともにはアイドルと深海魚があれば
言うことなし。