カフェインが苦手な人へ。ほうじ茶は美容によくリラックス効果抜群!

昔から日常のお茶として親しまれてきた「ほうじ茶」。芳ばしい香りと飴色が特徴のほうじ茶が実はすごく優秀なお茶だと知っていましたか? カフェインが少なく、からだと心にも効果抜群の身近なお茶の知られざるおいしい秘密を、その優れた成分、なかなか見ることのできない製造工程とともにご紹介します。

カフェインレスとは、限りなくカフェインの少ない飲み物のことをいいます。ほうじ茶は、カフェインレス。ノンカフェインはカフェインがまったくない飲み物のことをいいます。カフェインゼロということも。

ほうじ茶と急須の写真

ほっこり香るほうじ茶の
すごいパワー、知っていますか?

ほうじ茶と湯のみの写真

立ち上る湯気の豊かな香りと、鮮やかな飴色が特徴の「ほうじ茶」。昔から日常的に飲まれることが多く、身近なお茶として親しまれています。そんなほうじ茶は、その名の通り、お茶の葉を褐色になるまで焙じてつくられています。その歴史は古く、1920年の京都ではすでに現在の製法が確立されていたとか。地域によって異なりますが、二番茶、三番茶などの煎茶や茎茶、番茶を原料として製造されるのが一般的。そのため、低価格で求めることができ、家計にもやさしいお茶です。

ほうじ茶が入った湯のみ持ってる人の写真

ほうじ茶が他の日本茶と違う大きな点は3つ。

1.褐色の大きな茶葉=こんがりとした大きな褐色の茶葉は、焙じて製造されています。
2.熱湯ですぐ淹れられる=約90~100度と、湯冷し不要の熱いお湯で淹れられるのもうれしいところ。
3.透明感のある飴色=他の日本茶と違い明るい飴色をしています。

その中でも特筆すべきはなんといっても、ほうじ茶の豊かな香り。ふんわりとした芳ばしさに、ホッと息をついたことがある人は多いでしょう。クセの少ない味わいで老若男女から人気のお茶の、まだまだ知られざる魅力をご紹介します。

実は優秀! ほうじ茶がからだと心にいい4つの理由

❶ カフェインが少ないから老若男女楽しめる
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ほうじ茶は高温で炒って作っているので、興奮作用の強い「カフェイン」や、苦み成分の「タンニン」が飛びやすくなっています。そのため、煎茶などに比べ刺激の少ないお茶に。なので大人から子ども、胃腸の弱い人も楽しめます。また、就寝前のリラックスタイムにもおすすめです。

❷ 特徴的な香りでリラックスに最適
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元々、日本茶の茶葉には多くの香り成分が含まれています。そのなかでもほうじ茶の特徴的な香りには、焙煎の過程で生まれる「ピラジン」という成分が含まれています。また、リラックス効果のある「テアニン」も多く含まれており、疲れたときやイライラしたときなどに安らぎを与えてくれます。

❸ 食事のお茶におすすめ
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あまり意識することは少ないかもしれませんが、外食先で食後の締めのお茶として出されることも多いほうじ茶。その訳は、さっぱりとした味わいにあります。脂っこい食事を摂取したあとに、口の中にしつこく残りがちな油分をほうじ茶が洗い流してくれる作用があるのです。

❹ ビタミンCが豊富で美容にも効果的
美容イラストの画像

ほうじ茶には「ビタミンC」がレモン約5個分も多く含まれていると言われています。また、日本茶に含まれる「カテキン」には脂肪を蓄積させない働きがあり、「ピラジン」には代謝を促す成分が豊富とされています。やさしい口当たりでたくさん飲めるので、水分補給にも最適。そのため、デトックスにも役立ちます。

癒し効果抜群 もっとおいしく香り高く淹れる方法

ほうじ茶の魅力である芳ばしい香り。そんなどこか懐かしく、リラックス効果抜群の香りを最大限に引き出すおいしい淹れ方をご紹介します。

急須と湯のみの写真

その1.
まず、お茶は淹れるのに欠かせない茶器ですが、たっぷり楽しむために大きめの土瓶がおすすめです。茶葉が大きいので小さな急須では目詰まりを起こすことも。土瓶をあらかじめ熱しておくとなお、おいしく淹れられます。

ほうじ茶の茶葉の写真

その2.
一度に使う茶葉の目安は6~8g。ですが、他の日本茶よりも茶葉が軽くて大きいので、煎茶の時の見た目よりも多すぎるかな? と思うくらいたっぷり入れましょう。ローストされた茶葉からすでに豊かな香りが漂っています。

急須をお湯で温める写真

その3.
次に、約90~100度の熱々のお湯を200~300ccほど注ぎ、フタをして約30秒蒸らします。あまり長い時間蒸すと渋みがでてしまうのでご注意を。

ほうじ茶を淹れる写真

その4.
あらかじめ温めておいた湯呑に、注ぎましょう。その瞬間、豊かな香りがふわりと広がります。最後の一滴まで美しいお茶の色が香りとともに目にもやすらぎをあたえてくれます。暑い日には氷を浮かべて冷やして冷茶として楽しむのもおすすめです。

意外と知らない? ほうじ茶ができるまで

茶葉の火入れ画像
加工前の茶葉の写真
加工後の茶葉の写真
スマホ用の焙煎画像

ほうじ茶がどうやって作られているかを知るために、訪れたのはほうじ茶専門の焙煎工場。その工場の敷地に足を踏み入れた瞬間から、すでに辺りには芳ばしいほうじ茶の香りが満ちていました。おいしい香りに迎えられ、工場の中に歩みを進めると、そこはまさしく蒸し風呂…! 大きな焙煎機がもうもうと熱気を発しています。職人が焙煎機に材料となる緑色の茶葉を投入していくと、ベルトコンベアでゆっくりと茶葉が流れてきました。焙煎機の中を覗き込むと、コンベアの上側から遠赤外線が赤々と茶葉を照らしています。季節や気候、素材によって温度は異なりますが、まず約180度で焙じます。焙煎機の中を1周して完成!と思いきや、またも投入口へ。温度を調整して2回、3回と焙煎を繰り返すのだとか。一気に火入れをしてしまうと、茶葉に焼きムラが出てしまうため、数回に分けて焙じているのです。この徹底した火入れが芳ばしいほうじ茶の香りを生むのです。

まとめ

日常的に飲まれることが多く、古くから馴染み深いほうじ茶は、実はおいしいことづくめな優秀なお茶なのです。

ほうじ茶と他の日本茶と違う大きな点は3つ
1.褐色の大きな茶葉
2.熱湯ですぐ淹れられる
3.透明感のある飴色

ほうじ茶がからだと心によい点は4つ
1.カフェインが少ないので老若男女楽しめる
2.特徴的な香りでリラックスに最適
3.食事のお茶におすすめ
4.ビタミンCが豊富で美容にも効果的

・おいしく香り高く淹れるポイントは、たっぷりの茶葉で熱々のお湯を注いで短い時間で抽出させましょう。

その製造工程は実はとても繊細。繰り返す火入れでじっくりと焙じることによって芳ばしい香りが生まれます。
身近なお茶・ほうじ茶は実はとっても優秀。芳ばしい香りでゆっくりリラックスしてみてください。

その製造工程は実はとても繊細。繰り返す火入れでじっくりと焙じることによって芳ばしい香りが生まれます。身近なお茶・ほうじ茶は実はとっても優秀。芳ばしい香りでゆっくりリラックスしてみてください。
次は、そんなほうじ茶を使ったレシピを紹介します。ラテやプリン、スコーンなど、簡単なのにおいしい絶品スイーツのレシピは後編に続きます。

planmake_niimi

取材・文=新見麻由子
にいみまゆこ●月刊『茶の間』編集部員。徳島県出身、歴史や文化、レトロなものに憧れて京都へ。休みの日は、散歩や自宅でお茶を片手に本を読みながらまったり過ごし中。和菓子やお花など、季節を感じられることに興味あり。