夏こそ熱いお茶!器好き必見の涼やかな 湯呑と急須でおもてなし

猛暑が続きますが、クーラーなどで「夏冷え」にはご注意を。健康のために、夏こそ「熱い茶」がおすすめです。お茶好きのふくいひろこさんに、夏でもあたたかいお茶を楽しむための湯呑や急須の選び方を教えてもらいました。夏の来客時のおもてなしの参考にも!

つゆ芝模様の湯呑と南蛮の平形急須

器一つでお茶のおいしさが変わる?

「おいしいお茶をいただくには、素敵な茶器を選ぶのがコツ。茶器ひとつで、お茶の香りやおいしさが変わってくるんです」と話すふくいひろこさん。

若い頃から裏千家茶道を学び、日々、抹茶をはじめ、煎茶やハーブティーなど、さまざまなお茶を気軽に楽しんでいます。夏でも内臓を冷やさないように、常温もしくは熱いお茶を飲むことが多いそうです。

そんなふくいさんが惚れ込んだのは、京都・茶わん坂に店を構える東哉(とうさい)のうつわです。今回、暑い夏に熱いお茶を楽しむための茶器を探しに、ふくいさんと一緒に東哉を訪れました。

小津安二郎が愛した京焼の老舗へ・・・

東哉

大正8年(1919)に創窯した東哉。

素敵な佇まいの店内には、伝統的な京焼と東京の粋を取り合わせたモダンな意匠の和食器が揃います。

その美意識は、名匠・小津安二郎にも愛され、小津映画のお茶の間のシーンでは、東哉の茶器が度々登場。

映画で使われた湯呑は現在でも販売され、映画ファンも多く訪れます。

梅花藻
店先の池には梅花藻(ばいかも)が美しく咲き、涼を誘います。 
うつわ

「つくりがしっかりとしていて、伝統的な美しさを兼ね備えた日常のうつわは、なかなかお気に入りに出合えないので貴重です」

ふくいさんがそう話すように、東哉には、来客用の汲出(くみだし)、普段使いの湯呑、使い勝手のよい急須など、昔ながらのお茶のある暮らしに欠かせない茶器が揃っています。

ふくいひろこさんと東哉店主の山田東哉さん

「うつわは、繊細な日本の季節感を楽しむものです。うだるような暑さや湿気を少しでも忘れられるように、夏のうつわには流水や波紋があしらわれ、心地よい涼感を与えてくれます」と話すのは、東哉店主の山田東哉さん。

ふくいさんと山田さんは、焼き物の歴史や職人の苦労など、うつわ談義に花を咲かせながら、熱いお茶を涼やかに演出する、夏の茶器セットを選んでくれました。

目に心地よい涼感を与える伝統文様を選ぼう

つゆ芝模様の湯呑と南蛮の平形急須

芝草に露のたまった様子を表した夏の定番「つゆ芝」模様の湯呑は、大小一組で9,720円。

さまざま湯呑と相性のよい南蛮の平形急須7,560円と合せて、夏のお茶時間を楽しんでみてはいかがでしょう。

さわやかな棒縞

来客の茶は、台所で淹れてから客間へ持ち出すのが基本です。

その際「一碗目は汲出にお煎茶、二碗目は小湯呑にほうじ茶とお茶もうつわも変えるのが京都人の粋」と山田さんは教えてくれました。

小湯呑には、さわやかな棒縞をセレクト。1客3,240円。

南蛮宝瓶

背が低く、口が広い汲出は、お茶の香りがよく立ちます。

織部釉で水玉にも似た涼しげな花橘文様の汲出1客2,808円。

1〜2人分にぴったりな小ぶりの南蛮宝瓶6,264円。

東哉の外観

東哉京都清水売舗
【住所】京都市東山区五条橋東6-539-26
【電話】075-561-4120
【営業時間】10:00~17:00
【定休日】水曜
http://www.to-sai.com

※茶器のお問合せは直接同店へ 

ふくいひろこ●京都市生まれ。編集者。茶道美術出版・淡交社にて月刊誌の編集長などを務めたのち独立。茶箱コレクターとして「茶箱あそび」を実践。また「水円舎」の屋号で茶箱道具のプロデュースを行なう。

ふくいひろこ

おわりに・・・

この季節、涼しい室内であたたかいお茶を飲むと、

じんわりと胃があたたまり、からだが冷えていることに気付かされます。

夏にあたたかいお茶を飲む際は、涼やかな湯呑や急須を選んで、

爽やかにお茶時間を楽しんでみてくださいね。

(写真 福尾行洋、平谷舞)

取材・文=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。学生時代は剣道に打ち込み、京都に住み始めてから茶道と着付けを習い始める。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。