抹茶大好き女子4人がイチオシ!  本当においしい抹茶の簡単アレンジ

世界中でブームの日本茶の中でも、おいしさや健康面で人気の抹茶。InstagramやTwitterなどで有名な抹茶が大好きな女子4人に、抹茶スイーツや抹茶ドリンクをはじめ、抹茶を使った簡単アレンジレシピを教えてもらいました。抹茶が家で余った人や抹茶好きは必読です!

ほろ苦さと豊かなお茶の香りが魅力の抹茶。味わいや色彩のとりこになり、飲み物に抹茶を、料理に抹茶ソースをと日々楽しみ方を追求する抹茶女子たちが偏愛する、口福のイチオシアレンジの作り方をご紹介します!

抹茶デザート
抹茶をガムシロップに混ぜた抹茶ソース♡ パンナコッタが抹茶味に変身!

01.お抹茶バター

バターの塩気が抹茶の旨みを倍増。ワンランク上の抹茶入バター!

抹茶バター

【作り方】
ラップに常温でやわらかくした加塩バター100gをのせて抹茶4gをかけ、ラップの上から練り込んで、冷蔵庫で冷やします。なじみやすいように、抹茶は茶こしでふるっておくのがポイント。パンケーキやオムレツなど、バターに合う料理ならなんでも合います!

●教えてくれた人
京都のお抹茶研究女子
抹茶きな子さん

抹茶きな子さん

福岡県出身。抹茶との出合いは子どもの頃、祖母が点ててくれたお抹茶。大学時代には「抹茶の家」ミニチュアを制作(写真上)。現在、好きが高じてお茶の本場・宇治に移住。抹茶研究の活動の様子はインスタグラムにて。

●Instagram(@matchakinako

京都を拠点に、自宅やお店で抹茶の飲み比べ、食べ比べを続け、気に入った抹茶スイーツなどの写真を「抹茶きな子」の名前でインスタグラムにアップ。テレビに取り上げられたこともあるほどに壮観な、抹茶一色の写真が並ぶ投稿は、抹茶好きの間では有名です。  

「世間には万人受けする『抹茶味』のものが多いですが、私は本物のお抹茶の苦みと甘み、香り、鮮やかな色をこよなく愛しています。お点前は抜きで一刻も早くお抹茶を楽しみたい! ので、茶道には向いていないのが残念です……」 

抹茶きな子さんがたどり着いたイチオシアレンジが「お抹茶バター」。つくり置きができて、いつでも好きなときに、お好みの料理やスイーツに。口に入れた瞬間、抹茶がふわっと鼻に抜け、あとからバターの香りと旨みが追いかけてきます。バターの塩気で抹茶の旨みも倍増。抹茶を乳製品が引き立ててくれる、普通のバターよりも爽やかなバターです。

◉こちらもおすすめ!

お抹茶クリームチーズラテ

抹茶クリームチーズラテ

【作り方】
レンジで温めておいたクリームチーズ20gに砂糖小さじ2を混ぜたら、さらに生クリーム80㎖を加えて六分立てまで混ぜ、塩を少々加え、抹茶と牛乳を混ぜた抹茶ラテの上に注ぎます。甘さ控えめで、濃厚な抹茶の風味が際立ちます。

02.お抹茶ミントケーキ

濃厚な抹茶と淡いミント香が引き立たせ合う、新抹茶体験!

抹茶ミントケーキ

【材料(パウンド型〈18×8×6cm〉1台分)】
薄力粉…85g
ベーキングパウダー…1g
抹茶(お薄用)…15g
無塩バター…100g
砂糖…50g 卵(M寸)…2個
ホワイトチョコレート(細かく刻む)…20g
ミント(乾燥したものを、できればミキサーなどで細かくする)…大さじ1
けしの実…大さじ1

【下準備】 
●薄力粉、ベーキングパウダーは合せてふるっておきます。抹茶は茶こしなど でふるっておきます。 

●オーブンシートを敷いたパウンド型を用意しておきます。 

●オーブンは150℃に予熱しておきます。 

【作り方】
1.無塩バターはハンドミキサー(無い場合は泡だて器)で軽くほぐしてから砂糖を加え、
全体的にふんわりとホイップ状になるまで泡立てます。
2.解きほぐした卵を3分の1ずつ加え、そのつどハンドミキサーでよく混ぜます。
3.抹茶と薄力粉、ベーキングパウダーを一度に加え、ゴムベラに持ち替えて切るように混
ぜます。
4.3分の2ほど混ざったところで、ホワイトチョコレートとミントパウダーを加えてつや
が出るまで切るように混ぜます。
5.型に移し、表面につぶつぶな食感のけしの実をまぶして、150℃のオー ブンで約45分焼
きます。けしの実は焼きあがった後でまぶしてもOK。
6.粗熱がとれてから、または冷やしてから切るときれいにカットできます。

「えんがわ喫茶」さん

●教えてくれた人
移動式喫茶店
「えんがわ喫茶」さん

兵庫県神戸市出身。移動式喫茶店「えんがわ喫茶」としてお茶をふるまい、対話しながら客ごとの好みを探すなど、お茶の世界への道先案内人を目指している。活動の様子はインスタグラムにて。

関西のイベントなどを中心に、お茶を囲む「えんがわ」のような空間を提供する活動を続けている「えんがわ喫茶」さん。抹茶への惚れ込み具合は、定期的に通う茶道のお稽古で2杯、さらに週末に自宅で3杯は飲むほどだといいます。

「あるご縁のお茶席で、初めて本当のお抹茶の味に出合ったとき、突然新しい世界への扉が開けたような衝撃を受けました。その素晴らしさをお客様にも体感してほしくて、えんがわ喫茶でもお薄をお出ししています。そして、ぜひイチオシしたいアレンジが、お薄に添えて出している“大人のお抹茶菓子”です」

えんがわ喫茶さんの一番のお気に入りは「お抹茶ミントケーキ」。ハーブ料理に詳しい「レピス」の料理人でもある友人にアレンジしてもらい生まれたといいます。満足感のある抹茶の味わいに、ふわっと漂うミントの爽やかな後味。そこへ温かいお薄をすすると、ミントの香りがさらに開いて、もうたまりません。

03.お抹茶甘酒

米麹でできた甘酒の素朴な甘みに、抹茶がふわっと際立つ!

抹茶甘酒

【作り方】
茶こしでふるった抹茶1gを、さらにお湯10㎖で溶かし、温めたノンアルコールの米麹甘酒100㎖と混ぜます。酒粕入の甘酒だと複雑すぎる味になるため、米麹の方がおすすめです!

久保田夏美さん

●教えてくれた人
お抹茶の魅力を伝える起業家
久保田夏美さん

東京都出身。ストリートマーケット(写真)にて抹茶商品の販売を行なう。抹茶専門事業会社の代表取締役(【HP】https://thankyou-cha.com)。抹茶ブロガーとしての活動は、現在はツイッターにて。

中学生の頃に抹茶の虜となり、今では抹茶スイーツを求め京都へも出向くという久保田夏美さんは、抹茶好きの間で知られる「抹茶ブランドプロデューサー」。今年の春、誰もが親しめる抹茶の商品開発やイベント企画、魅力発信を行なう会社を立ち上げたほどの抹茶好きです。 

「お抹茶が好きになれるかどうかは『出合い』が大切です。苦みや甘み、とろみも感じる豊かな味わいは、本物のお抹茶特有のもの。それをいかに味わいやすい形で人々へお届けできるか、日々追求してきた私がイチオシしたいのは、米麹の甘酒を使った『お抹茶甘酒』です。お抹茶の苦みと香りが活きて、味覚と嗅覚がほどよく刺激されて、心地いいんです」 

抹茶の風味によって甘酒特有のクセが抑えられ、甘酒が苦手な人にもおすすめ。米麹甘酒は甘みがシンプルなぶん、抹茶の存在感が際立ちます。抹茶を飲むときの心落ち着くような感覚も相まって、からだの底から、じんわりと温まります。

◉こちらもおすすめ!

お抹茶プリン

抹茶プリン

【作り方】
沸騰寸前まで温めたミルク150㎖に抹茶2g、砂糖8g、お湯に溶かしたゼラチン5gを加え、冷蔵庫で2時間冷やします。甘さ控えめ、抹茶そのものを楽しむ大人のプリン。シロップなどで甘みを、ゼラチンでやわらかさを、お好みで調節してみてください。

04.お抹茶ミルクリゾット

「抹茶の旨み」をとことん満喫してみたい方に!

抹茶ミルクリゾット

【作り方】
フライパンにバターを溶かし、米を炒めたら、コンソメスープを加えて時々混ぜながら弱火で10〜15分程度煮ます。牛乳を少しずつ加えてさらに10分ほど煮ます。塩で味を調えたら、抹茶をふりかけます。混ぜながら食べるのがおすすめです。

河瀬璃菜さん

●教えてくれた人
お抹茶を愛する料理研究家
河瀬璃菜さん

福岡県出身、東京都在住。レシピや商品開発、食の企画やコンサル、レシピ動画制作、イベントメディア出演、料理教室など食にまつわるさまざまな活動をしている。ツイッターでも簡単レシピを更新中。

マネしやすくておいしい簡単レシピ提案で、テレビやラジオで活躍中の人気料理研究家・河瀬璃菜さん。抹茶にハマったきっかけは、小学生の頃の茶道体験授業だとか。今では、食後に豆乳抹茶ラテを楽しんだり、ホームパーティの際、食べる抹茶の楽しみ方を広く提案したりしています。料理研究家からみて、料理の素材としての抹茶の魅力とは? 

「お抹茶を少し足すだけで、お料理にとって大切な『風味』『香り』が加わるのはもちろん、特に『旨み』をプラスできるところが魅力ですね。これはテアニンという、旨み成分に似た成分がお抹茶には含まれているからなんです」 

抹茶の力をよく理解している料理研究家だからこそ、イチオシアレンジはとてもシンプル。牛乳のコクを効かせた熱々のミルクリゾットに、抹茶の粉をふりかけるだけの「お抹茶ミルクリゾット」は絶品! 抹茶の旨みを最大限に楽しめて、リゾット自体の旨みも倍増。お抹茶好きにはたまらない一品です。

◉こちらもおすすめ!

お抹茶ビール

抹茶ビール

【作り方】
お薄を点てて缶ビールを注ぐだけ。より冷たい状態で楽しみたい方は、冷抹茶に注ぐのがおすすめです。ふんわりと抹茶の香りがして絶品。抹茶が多いほど風味が立つので、お好みで抹茶の量を調節してみてください。

実は美容にもいい、抹茶の話。

抹茶

「抹茶といえば、宇治」と言われるほど、京都・宇治が生産地としてあまりにも有名な抹茶。最近では世界からも注目を集めています。抹茶は「碾茶(てんちゃ)」と呼ばれる茶葉からつくられます。碾茶は直鎖日光を避け、旨みを凝縮させるために茶葉に覆いをかける「覆下(おおいした)栽培」で育てられ、茶葉を蒸したあとは揉まずに乾燥させます。この乾燥させてできた碾茶を石臼でじっくり細かくひいて粉末状に仕上げたものが抹茶となるのです。

急須で入れて飲む緑茶とは異なり、抹茶は粉末状の茶葉に直接お湯を入れて茶筅で点ててます。この時、お湯が冷めやすいので素早く混ぜることが大切です。若葉のような新鮮な香りと渋みの中に、上品な甘みと旨みが口いっぱいに広がります。

丁寧に育てられた茶葉を丸ごと体に取り入れることができる抹茶は、おいしいだけでなく、茶葉の栄養たっぷり摂ることができるのも魅力。美肌づくりに欠かせないビタミンA・C・Eをはじめ、お茶の「旨み」の素となるアミノ酸の一種「テアニン」には、気分をリラックスさせてくれる働きがあるとも言われています。

おわりに…

抹茶を愛し、知り尽くした女子たちイチオシのアレンジはいかがでしたか。もちろん、そのまま抹茶を楽しんでもいいですし、お菓子だけでなく調味料として使うなど、この記事を参考にして、ぜひ自分なりの楽しみ方を見つけてみてください♪

 

planmake_tamai

取材・文=玉井雄大
たまいゆうた●月刊『茶の間」編集部員。滋賀県出身。自然や映画、銭湯、禅、詩、酒など“本質を語れるものごと”好き。茶道もその一環ですが、第一子誕生によりお休み中。今は流派にとらわれず、お家でセルフ抹茶を楽しみます。