実は京都が発祥の玄米茶。カフェイン少なめで、今もなお進化しています!

炒った玄米を茶葉に加えた玄米茶。京都発祥のお茶であり、玄米が配合されることでカフェインも少なく、芳しい香りとサッパリとした味わいで、多くの方に人気です。そんな玄米茶ですが、現在、どんどんおいしく、種類も豊富になっています! その最新事情から製造まで、おいしさの秘密を徹底追求!

玄米茶の写真

ひとことで言い表せない玄米茶の魅力! 「玄米茶」にも、さまざまな種類があることをご存じですか?

昭和のはじめ頃、京都の茶商が正月のかがみ餅を細かく砕き、炒ったものをお茶に入れたことから始まったといわれている玄米茶。「香ばしい!」と評判になり、今ではすっかり定番に。玄米をプラスする分、カフェインが少なめになると注目され、また、生姜を入れて飲むとさらに健康によいという話もあり、可能性が広がっています。

お茶屋でも、炒った玄米と煎茶をブレンドしたスタンダードな玄米茶だけでなく、茎茶や深蒸し茶など、さまざまな茶葉を使ってみたり、玄米の炒り方を工夫したり、別の素材をブレンドしてみたりと、さまざまな種類が。一口に玄米茶といっても、そのおいしさはどんどん進化しているのです。

ブレンドする素材によって、大きく異なる味わいや香り。いろいろな玄米茶を飲み比べてみると、お茶の世界がグッと広がります。

見た目だけでもこんなに違う! 玄米茶のバリエーション

玄米茶
玄米茶
玄米茶
玄米茶
玄米茶
玄米茶

「玄米茶」の味の決め手とは? 王道から変わり種まで、すべてに共通するおいしさの要!

玄米の焙煎
玄米の焙煎の様子。

「玄米」茶というからには、炒り玄米はおいしさの要。お米の豊かな香ばしさと旨みは、玄米茶の大切な特長です。

おいしい玄米茶をつくるため、玄米にはこだわりが溢れています。

素材に使う原料は、ただよいお米を使えばよいというわけではありません。よいお米は旨み成分豊富で、香りも深く、味も濃厚です。しかし、玄米茶として茶葉との組合せを考えると、主張しすぎてお茶本来の香りを損ねてしまう恐れもあります。大切なのは、ブレンドするお茶との相性を考えてお米の原料を選ぶことです。そして、素材の特長を引き出すための焙煎技術が重要です。

焙煎には、実に三段階もの手間をかけたものもあります。

一度に高温で火入れをしてしまうと表面だけ焦げてしまい、芯まで火が通りません。お米の旨みが閉じ込められたままになってしまうのです。

そのため、焦がさずにいくつもの段階を経て、じっくりと焙煎する必要があります。その日の気温や湿度を見極めながら、微妙に温度や時間を調整しつつ、お米から香りと旨みを引き出します。

玄米茶焙煎

こうして焙煎された炒り玄米を素材に、茶師がお茶とのブレンドを考えます。

香ばしい炒り玄米と煎茶のさわやかな味わいを楽しめる王道の「玄米茶」。小さいお子様にも楽しめるようほうじ茶に炒り玄米だけでなく、やさしい豆の風味を加えた「豆入ほうじ玄米茶」。豊富な健康成分で注目を集める黒豆をブレンドした「黒豆抹茶入玄米茶」。特に、近年ブームとなっている抹茶をブレンドした「抹茶入玄米茶」。美しい緑色とまろやかな味わいが特長で人気がありますが、抹茶は玄米の香りを包み込む性質があり、繊細で扱いが難しい素材。配合には注意が必要です。

さまざまな素材を見極めることで、玄米茶の可能性は広がり続けています。いろいろな玄米茶の中から、好みに合った味わいを探してお楽しみください。

玄米茶なんてどれも同じと思っていたら、
焙煎技術の進化、そしてプロのブレンド技術で多彩なバリエーションが生まれていた玄米茶。
その種類の豊富さにびっくりです。いろいろと飲み比べをしてみたくなりますね!

planmake_hagiri

取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。