美肌やリラックス効果も!スーパーフード「抹茶」の魅力を徹底解剖!

日本で古くから親しまれてきた「抹茶」。最近では、美容や健康によい食材としても注目されています。リラックスによいテアニンやビタミン、食物繊維など、栄養素がたっぷり。そんな抹茶の歴史や点て方をご紹介。工場見学も!世界を魅了する抹茶を再発見です。

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日本から世界へ!いつの時代も注目の抹茶てどんなお茶?

抹茶てどんなお茶?

日本古来の伝統色に「抹茶色」という色があるほど、古くから日本人に親しまれてきた「抹茶」。お茶の栄養がまるごと摂れる健康食材として、欧米諸国でもセレブを中心に注目が高まっています。

その起源は日本のお茶の歴史とともにあります。鎌倉時代、禅僧の(えいさい)が、現在の中国である(そう)からお茶の種と栽培方法とともに抹茶の作法を持ち帰ったのがはじまりと伝わっています。

他の日本茶との大きな違いはその飲み方にあります。茶葉にお湯を注いで浸出させて飲む煎茶などに対して、抹茶は茶葉をまるごと挽(ひ)いて粉状にし、泡立てて飲むという独特の方法でいただきます。こうすることでお茶の苦みや渋みを和らげ、甘みを際立てられるのです。クリーミーな泡には上品な旨みが感じられます。最近はお菓子にも用いられ、より親しみやすくなったお茶なのです。

美容に健康に!スーパーフード抹茶の6つの魅力

食物繊維がたっぷり
実はビタミンがとても豊富
あと味サッパリでお口もスッキリ
豊かな香りでリラックス
テアニンで癒される!
お茶の栄養がまるごと摂れる!

茶葉をまるごと挽く? 製茶工場に潜入、抹茶ができるまで

抹茶ができるまでの流れ
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茶葉から粉末の抹茶に 昔ながらの伝統の挽き技

茶葉から粉末の抹茶に 昔ながらの伝統の挽き技

抹茶がどうやってつくられているのかを知るために、抹茶の製造工場にお邪魔しました。室内に入ると、あたり一面、壁や床も淡い緑の抹茶色に染まっているのです。抹茶の粒があまりにも細かいために、室内中に広がってしまうのだそうです。

工場内には約80台もの石臼が並んでいます。抹茶を粉末にするには石臼挽きと粉砕機を使った2つの方法がありますが、ここでは伝統の石臼挽きです。

原料となる茶葉の「碾茶(てんちゃ)」は、玉露と同じく茶園に覆いをかける被覆栽培で育てますが、摘んだ生葉は、蒸した後、揉まずに乾燥させて、葉脈を取り除きます。

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次に碾茶を挽き上げる・石臼です。御影石が2つに分かれており、上の臼だけが動く仕組みです。臼の真ん中には穴があり、そこに碾茶を入れてから、臼を回転させます。そうして石臼の隙間からすり潰して出てくる粉末こそが、抹茶なのです。昔は手作業だった臼の回転は、現在はモーターによるものとなっています。回転の摩擦熱によって臼は約50〜60度まで上がるため、空挽きして抹茶が焦げないよう、職人が定期的に碾茶の補充に目を光らせています。

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石臼の回転は、1分間に約50回転、1時間ですれる抹茶はわずか30〜40グラムほどです。回転を早くすれば量は増えますが、その分、高温になって風味が落ちたり粉が荒くなり舌触りに影響したりします。

こうして粉末状になった粉を下の箱に集め、篩(ふるい)にかけて茶葉などが混ざっていないかを厳しくチェックして、抹茶ができあがります。

やってみよう! 簡単な抹茶の基本的な点て方

それでは実際に抹茶を点ててみましょう。抹茶の楽しみ方は二通りあります。ひとつは一般的に抹茶と聞いて想像する、泡がしっかりとある「薄茶」です。

それに対してもうひとつは「濃茶(こいちゃ)」と呼ばれるものです。抹茶の分量がお湯に対して多く、泡立てるのではなく「練る」方法でいただきます。とろっとしてより濃厚な旨みを味わうことができます。濃茶と薄茶では使用する抹茶や器も異なります。今回は家庭でも気軽に楽しむことができる薄茶の点て方をご紹介します。

また、茶筌がなくてもシェーカーで振ってみたり、氷を浮かべて冷抹茶やミルクで甘くアレンジしたりと、その楽しみ方は自由自在。道具や作法ももちろん大切ですが、まずは実践あるのみ。いいこと尽くしのおいしい抹茶を楽しんでみてください。

準備するもの
少しの手間でより楽しく、一層おいしい抹茶が点てられます。
下準備
少しの手間でより楽しく、一層おいしい抹茶が点てられます。
注ぐ
点てる
仕上げる
冷抹茶
抹茶ラテの作り方

最近では、日本のみならず世界中から注目を集める抹茶。日本の伝統的な飲み物は、食物繊維やビタミンが豊富で、美容や健康によいスーパーフードなのです。その理由は、茶葉をまるごと挽いているからです。伝統の石臼製法でつくられるきめ細やかな粉の抹茶をぜひ、おうちで気軽にお楽しみください。

(文 新見麻由子/写真 平谷舞、杉本幸輔洋)

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取材・文=新見麻由子
にいみまゆこ●月刊『茶の間」編集部員。徳島県出身、歴史や文化、レトロなものに憧れて京都へ。休みの日は、散歩や自宅でお茶を片手に本を読みながらまったり過ごしたい。季節を感じる和菓子やお花に興味がでてきた今日この頃。