【日本茶好き必見】抹茶にナッツ?お茶菓子の最高の組み合わせ16選

「お茶が入りましたよ」そんな声に誘われる、午後3時のブレイクタイムや小腹が空いた夜食時。おいしいお茶には、やっぱりおいしいお菓子が欲しくなるものです。
ですが、「日本茶には和菓子」、「洋菓子には紅茶やコーヒーじゃないと」なんて固定概念に縛られて、楽しいお茶時間がなんだかマンネリになっていませんか?
ほうじ茶とおかきのほっこりコンビから、抹茶とナッツなどの意外なセットまで、お茶とお菓子の組合せは自由自在。5つの茶種と11種類のお菓子による、最高においしいマリアージュをご紹介します。

 
多彩なお茶を揃えています。

chagashi_01

【煎茶】日本茶代表!爽やかな煎茶の香りを引き立てるのは…?

お茶とお菓子のマリアージュで最初に紹介したいお茶は「煎茶」。「日本茶」と聞いてはじめに思いつく人も多いほど煎茶は、苦みや渋み、甘み、旨み成分のバランスがとれたお茶です。70〜80度ほどに湯冷まししたお湯でじっくりゆっくり抽出するのがポイントです。そんな煎茶の最大の特徴は、その爽やかな香り。初夏の日差しを浴びた茶畑を思わせます。そのため、お菓子も煎茶の香りを消さないものを選びました。

chagashi_02

01.【干菓子】
ほどける口溶けが上品な干菓子は、和三盆糖を型に入れて打ち出した伝統的な和菓子です。口の中ですっと溶け、広がる豊かな甘みに煎茶の爽やかな香りがより感じられます。

chagashi_03

02.【ようかん】
こしあんと寒天を混ぜ合せ、冷やし固めたようかんは、さまざまな席で見かける万人受けするお菓子。決してくどくないほどよいあんこの甘さが煎茶の清涼感とマッチします。

chagashi_04

03.【カステラ】
どこか懐かしさを感じさせるカステラのふんわりと軽い食感と、煎茶の爽やかな香りがよく合います。素朴さと軽やかなイメージの近いもの同士、相性がよいよう。

【玉露】生菓子との文化的な組合せ!だけじゃない玉露の包容力とは?

日本茶のなかでも最高級ランクの玉露。京都・宇治を中心に生産されています。出汁(だし)にも似た独特の甘みは、収穫の20日前頃からよしずなどで茶園を覆い、直射日光を遮る特殊な栽培方法によって生まれます。人肌程度の湯温で時間をかけてゆっくり抽出するその一滴一滴が至極の味わい。とろりとした口当たりのよさで、意外なお菓子さえもやさしく受け止めてくれます。

chagashi_05

04.【生菓子】
あんこの上品さはもちろん、その芸術的な美しさからも和菓子を代表する生菓子。高級な玉露と合わせれば、まさに日本文化を感じる味わいに! 絶対に失敗しない組合せです。

chagashi_06

05〜07.【茶だんご】【チョコレート】【ビスケット】
生菓子との組合せは最高においしい関係ですが、それだけじゃないのが玉露のすごいところ。上質なお茶ですが、意外なものとも実は合うのです。素朴な味わいの【ビスケット】や【チョコレート】のカカオの香りを受け止めてくれます。同郷・宇治生まれの【茶だんご】とも相性◎(グッド)。

【玄米茶】意外と繊細!素朴なお茶かと思いきや…?

元祖・和風フレーバーティーともいえる玄米茶は、茶葉と炒った玄米を合せたお茶で、香ばしさが最大の魅力。熱湯で淹れることができ、カフェインが少ないので、日常茶として好まれます。ホッとする香ばしい香りですが意外と繊細、相方選びには苦戦しました。甘みの主張が強いお菓子ではお茶の旨みが少々感じにくくなるようで、ほっこりとやさしい味や似た香ばしさのお菓子をご用意しました。

chagashi_07

08.【豆大福】
両手でかぶりつきたくなる豆大福。絶妙な塩加減の赤えんどう豆とこしあんの甘さを玄米茶の香りが引き立てます。

chagashi_09

09.【生八ツ橋】
甘みの強いお菓子が苦手な玄米茶ですが、京都を代表するお土産菓子・生八ツ橋のほのかに香るニッキと玄米茶の香りのトーンが似ていて意外に合うのです。

chagashi_08

10.【ドライフルーツ&ナッツ】
酸味のあるドライフルーツとナッツの素朴さが相性最適! ナッツの香ばしさと玄米茶の香りが似ているのかも。

【抹茶】順応性が高くて万能!身近なあのお菓子とも合う

日本文化の代表のひとつともいえる抹茶。栽培方法は玉露とほぼ同じですが、他の日本茶と違い、収穫した茶葉を揉まずに石臼で碾(ひ)いて粉末状にします。また、茶筌で泡立てるのも独特です。茶葉を丸ごと使用するので、旨み成分が凝縮され、苦みとともにまろやかな甘みが感じられます。敷居の高いイメージですが、意外と身近なお菓子との相性もよいので、手軽に取り入れてみても。毎日のお茶時間がおしゃれになります。

chagashi_10

11.【生菓子】
「やっぱり!」と思えるほど最高の組合せ。あんこの甘さと抹茶の苦みが上品に合わさります。茶の湯の長い歴史と文化の真髄ともいえる素晴らしいマリアージュです。

chagashi_11

12.【ドライフルーツ&ナッツ】
ベリーの酸味と香ばしいナッツが抹茶の苦みを和らげてくれるので、よりまろやかな旨みが引き立ちます。抹茶とともに栄養たっぷりのヘルシーなおやつに。

chagashi_12

13.【チョコレート】
まろやかな抹茶の旨みがチョコレートの濃厚な甘みをやさしく包みます。まさに「抹茶のためのスイーツ」! 抹茶がとても身近に思える組合せです。

【ほうじ茶】ついつい手が伸びてしまう、魅惑の組合せとは?

最後は、ほうじ茶です。褐色の茶葉から抽出された琥珀色をしたお茶の色と、立ち上る香ばしい香りが特徴でもあり、魅力でもあります。その名の通り、茶葉を焙じてつくるほうじ茶は、低刺激でさっぱりとしたあと口。カフェインが少ないので、幅広い世代に人気です。そんな焙煎の豊かな香りについ「ただいま」と言いたくなる、安心感のあるお茶には、ほっこりするお菓子がベストです。

chagashi_13

14.【ようかん】
ようかんのこっくりとした甘さを、ほうじ茶がすーっときれいに引き延ばしてくれます。さっぱりとしたあと口で心地よく感じられます。

chagashi_14

15.【干菓子】
口の中を満たしてくれる干菓子の濃厚な甘みに、独特の焙煎の苦みが互いを引き立てます。意外かもしれませんが、驚くほど癖になる組合せなのです。

chagashi_15

16.【おかき】
ほっこりさせてくれるほうじ茶と親しみ深いおかきとの相性は抜群。手をつけると最後、ついつい食べ過ぎてしまう魅惑のセットです。

chagashi_16

お茶といっても、煎茶やほうじ茶、抹茶など、その味わいは様々です。お茶の特徴を活かしたお菓子で互いの良さを高め合うマリアージュを楽しみましょう。

【新茶】爽やかな香りを損なわない「干菓子」「ようかん」「カステラ」がベスト。

【玉露】高級茶には上品な「生菓子」だけじゃない、「ビスケット」「チョコレート」「茶だんご」も相性良し

【玄米茶】香りが繊細なので甘みの強いお菓子はNG 「豆大福」「生八ツ橋」「ドライフルーツ&ナッツ」で素朴に。

【抹茶】順応性が高い抹茶は「生菓子」はもちろん「ドライフルーツ&ナッツ」「チョコレート」などの身近なお菓子もおしゃれに演出。

【ほうじ茶】安心感のあるお茶には「ようかん」「干菓子」「おかき」のほっこりする組合せが最適。

納得の組合せから意外なものまで、お茶とお菓子の密な関係をご紹介しましたが、ほんの一部にすぎません。まだまだ最高の組合せがたくさん。おいしいマリアージュを探してみてください。

planmake_niimi

取材・文=新見麻由子
にいみまゆこ●月刊『茶の間」編集部員。徳島県出身、歴史や文化、レトロなものに憧れて京都へ。休みの日は、散歩や自宅でお茶を片手に本を読みながらまったり過ごしたい。季節を感じる和菓子やお花に興味がでてきた今日この頃。