うつわに咲く桜で春のお茶時間を楽しもう! おうち花見のススメ

春といえば桜。桜といえばお花見ですね。これまでは仲間と集まって木の下で楽しむのが醍醐味でしたが、新しい生活になった今、おうちで楽しむ「おうち花見」をしましょう! 急須や湯呑に描かれた桜を眺めていると華やかな気分に。お茶やお菓子とともにうつわの桜を愛でる、新しいお花見をご提案します。

おうち花見の主役! 桜柄の急須はこちらから

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新しい生活の中で桜をまとった茶器でおうち開催!

長い冬が終わり、ようやく春がやってきました。どんな時代になっても、自然は変わらず四季は移ろい、私たちを癒してくれます。新しい季節を知らせるようにあちこちから聞こえてくる開花宣言に、気分も明るくなります。満開の桜の木の下で過ごすお花見ももちろん素敵ですが、ご自宅でうつわの「手の中に咲く桜」をじっくり楽しむ「おうち花見」をしましょう。

可憐な薄紅色の急須にふわりと咲く白の桜に思わず笑みが溢れます。店頭に並ぶのを心待ちにした桜餅と、ゆっくり人肌に冷ました煎茶を淹れれば、お花見の始まりです。芽吹き出した若葉を思う煎茶の香りも、季節の風情をあしらった茶器で注げば、そのおいしさも格別です。そんなおうち花見を楽しむコツをご紹介します。

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【コツ1】桜入りのお茶を桜柄の急須で味わう

桜入りのお茶と桜柄の急須

上品な黒地の急須に描かれた桜、水面にたゆたう桜柄の湯呑、茶葉の映える花びら型の小皿……、並ぶうつわに桜が咲き競えば、お茶そのものにも桜を、と欲張りたくなるもの。

深い緑の茶葉の中にパッと美しいピンクの花びら。蜜漬けにした本物の桜葉が入った「桜葉緑茶」にお湯を注ぐと、爽やかなお茶の香りとともに、芳醇な桜の香りがふわりと漂います。口の中に広がるのは、まろやかなお茶の旨みと、まるで桜餅のような味わいです。目で見て、舌で味わって、春のお茶時間を堪能しましょう。

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【コツ2】花びらの小皿と桜モチーフの和菓子のコラボ

花びらの小皿と桜モチーフの和菓子
和菓子協力:塩芳軒

ふわふわと風に舞う花びらをかたどった朱塗りの小皿には、桜をモチーフにした和菓子をのせましょう。春風からのお届けもののようです。やわらかな羽二重餅で白餡を包んだ生菓子と、色づく春山のようなきんとん。口に広がる上品な甘さは、お茶にもお抹茶にも相性抜群です。うつわとお菓子で桜の季節を味わいましょう。

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【コツ3】桜柄の湯呑を食卓に取り入れる

桜柄の湯呑

「お茶が入りましたよ」。そんなやさしい日常の会話に寄り添う茶器といえば、湯呑です。毎日の食事やひと休みのとき、おいしいお茶をたっぷり注いだ湯呑。日常使いの茶器にも、季節の風情を取り入れれば、毎日が華やかになります。「ピンクは私、緑色のはあなた」、そんな楽しい家族の声が聞こえてきそうです。

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【コツ4】抹茶の緑と桜のピンクでおもてなしを

抹茶の緑と桜のピンク

(うら)らかな春の日差しを連れて、気の置けない友人が訪ねてきました。そんなときは、お抹茶でおもてなしを。

里山にひっそりと咲くような可憐な桜が描かれた、土のぬくもりを感じる美濃焼の碗と、まるで夜桜をあしらったようなシックな黒色の碗。さぁ、お友だちはどちらの桜がお好みでしょうか。どちらも抹茶の深い緑色が映えていて、桜の薄紅色とあいまって目にも鮮やかです。桜をかたどった、ほろりと(ほど)けるような甘さの和三盆糖をおともにすれば、おしゃべりにも花が咲くことでしょう。

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【コツ5】お花見ごはんを桜型でより華やかに楽しむ

お花見ごはんを桜型

お花見の醍醐味といえば、特別なごはんも外せません。ハレの日に食べたいお赤飯や見た目にも春を感じるちらし寿司。おうちで楽しむなら、もうひと手間かけて、桜型のお重に詰めたり花びら型にかたどってみたり。おいしいごはんがより楽しみになります。重厚感のある桜模様が美しい、南部鉄器の急須で淹れたお茶と一緒におうちでお花見気分が味わえます。

今年は外出先での「花より団子」ではなく、桜柄のかわいいうつわで、お茶やお菓子をご自宅で満喫しましょう。

春の風物詩といえば桜。誰もが待ちわびた桜の開花ですが、天候や気候によって思い通りにはいかないものです。ですが、うつわに咲く桜ならいつでも満開。急須や湯呑などうつわに描かれた桜と、花びらが入ったお茶やモチーフのお菓子を揃えれば、おうち時間を季節感たっぷりに楽しませてくれます。新しい生活には「おうち花見」でお茶にしましょう。

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取材・文=新見麻由子
にいみまゆこ●月刊『茶の間」編集部員。徳島県出身、歴史や文化、レトロなものに憧れて京都へ。休みの日は、散歩や自宅でお茶を片手に本を読みながらまったり過ごしたい。季節を感じる和菓子やお花に興味がでてきた今日この頃。