季節の変わり目不調に!今すぐできる、めぐりをよくするセルフケア

季節の変わり目はなんだかからだがだるくてしんどい、肩が凝る、偏頭痛に悩まされる、憂鬱……という人も多いのでは。この時期の不快さを乗り越えるキーワードが“めぐり”です。自分で簡単にできるケアについて、看護師にアドバイスをいただきました。

あたたかいお茶を飲んで、からだをあたためよう!

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◆ 教えてくれる人 ◆
船越 かおりさん

1972年生まれ。10年以上のキャリアを持つ現役看護師。
約4年前、京都市左京区に女性専用・完全予約制のリンパマッサージサロン「kaOn(カオン)」をオープン。
https://kaon.themedia.jp

特に更年期は自律神経の乱れに敏感。気象の影響を受けやすくなります

季節の変わり目はどことなくだるく、やる気が出ないなど、不調に悩まされていませんか。

「雨の日は気圧の関係で誰しも自律神経の乱れがあるのですが、とくに更年期の女性や、その後の年齢を重ねた世代は、この乱れにひときわ敏感になりがちなんです」と、船越かおりさん。この困った状況を改善するポイントとなるのが、リンパのめぐりだと話します。

「私たちのからだの細胞の隅々まで酸素や栄養素を届けているのがリンパです。リンパがきちんと流れていると、自律神経が整い、ラクになります」

リンパとは、おおまかにいうと、血管に沿って全身をめぐる「リンパ管」、その中を流れる「リンパ液」、管のところどころにある「リンパ節」で成り立っています。

酸素や栄養素を体中に運ぶのは血液ですが、それは血管の中まで。一つひとつの細胞には、動脈の毛細血管からしみ出した血液成分の一部(主に血しょう)が組織液となって酸素や栄養素を届けるのです。

届け終えた組織液は、二酸化炭素とともに静脈の毛細血管から再び吸収され、血液として心臓に戻ります。このとき一部がリンパ管に入り、リンパ液となります。そして、リンパ節では細胞が放出した老廃物をろ過するほか、体外から侵入したウイルスをやっつける役割も果たします(図参照)。

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このように重要な働きを持つリンパですが、血液のように心臓のポンプ機能がないため、流れが遅く滞りやすい特徴もあります。

「リンパは呼吸、筋肉の動き、隣接している血管の拍動につられて流れます。滞らせないためにご自身でできることはたくさんあります。からだが整えば、気持ちも軽やかになりますよ」

リンパの流れをよくするセルフケア、お教えします!

【その1:冷たい飲み物は控えて、温かい飲み物を選ぼう

これからビールやジュース、アイスクリームなどがおいしく感じられるシーズンですが、冷えはリンパの流れの大敵です。血行が悪くなると、代謝も落ちてしまいます。冷たい飲み物、食べ物は極力控え、お茶などの飲み物はなるべく温かいもの、常温のものをいただきましょう。からだを温めるショウガ、シナモン、アズキといった食材を、積極的に取り入れるのもよいですね。また、アルコールやコーヒーを大量に摂ると、脱水の原因になるので、気をつけて。

食生活では、炭水化物、脂質、タンパク質の三大栄養素とビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることが大切です。基本的なことですが、偏っていては、細胞にしっかりと栄養素が届かず、リンパの滞りの原因にもなります。

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【その2:お風呂はぬるめのお湯にゆっくり浸かって】

入浴は、40〜41度ぐらいのぬるめのお湯で10分ほど、ゆったりと。血流がよくなることで、リンパのめぐりを整えます。一度にあまり長く浸かると、からだに負担がかかってストレスとなり、逆効果の可能性も。時間をかけて浸かりたい場合は、半身浴や足湯にしましょう。

「ちなみにお風呂上がりにバスタオルでからだを拭くときにも、手の先やつま先など末梢からからだの中心に向かって、軽くなでるように拭くといいですよ。リンパの流れを意識してみてくださいね」(船越さん)

また、服装でもからだを冷やさないのが肝心だとか。素足を避けて靴下を履くなど心がけ、首回りや手首、足首は特に気をつけて。腹巻きもおすすめです。

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【その3:スキマ時間に簡単耳マッサージ!】

季節の変わり目の不調に大きく関係しているのが内耳。「耳マッサージ」で内耳の血流がよくなると自律神経が整うので、不調の改善・予防が期待できます。さらに耳の下にはリンパ節があり、マッサージが一通り終わったときに、耳から鎖骨にかけてやさしく首をなで下ろすと顔のむくみ解消にもつながります。一日に3セットを行ないましょう。

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【その4:肩をほぐして、深呼吸を!】

「肩ほぐし深呼吸」のストレッチ体操では、脇のリンパをしっかりと刺激。肩甲骨がしっかりと動くので、呼吸が深くできるようになり、めぐりの促進に効果があります。両ひじがくっつかなくても、できるところまででOK。一日に3セットを行ないましょう。いずれも無理は禁物。「イタ気持ちいい」くらいの強さで。

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看護師・船越かおりさんのお話、いかがだったでしょうか。ご自分の体調不良の原因など、心あたりはありましたか。今回の記事を参考に、簡単セルフケアを試してみて、健やかな毎日をお過ごしくださいね。

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(文・市野亜由美 / 写真・武甕育子/イラスト・ 田中美鶴)

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企画・構成=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。