呼び名から迫るお茶の世界史。 「チャ」と「ティー」の違いとは?

世界中の人々に親しまれているお茶。日本では「チャ」と呼びますが、イギリスでは「ティー」、インドでは「チャイ」など、さまざまな呼び名があります。大きく分けると「チャ」系統と「ティー」系統の2種類がありますが、どちらも語源は中国にありました。今回は、お茶の呼び方の歴史を解説します。

イメージお茶

海を越えると「ティー」になり、大陸を渡ると「チャ」になる!

そもそも、お茶が最初に発見されたのは、紀元前2700年頃、中国雲南(うんなん)省の山岳部だと推定されています。時代とともに世界中に広がっていく過程で、どのようなルートを辿って伝わったかにより、呼ばれ方に違いが生まれました。

広東(かんとん)省周辺から、陸路を通じて伝わっていったお茶は、「チャイ」や「チャ」などに。一方、中国の福建(ふっけん)省周辺から海路を通じて伝わっていったお茶は、イギリスや北欧で「テ」、「ティー」として定着したといわれています。

日本にお茶が伝わったのは、平安時代初期です。遣唐使の僧・永忠(えいちゅう)が、嵯峨天皇にお茶を献上した話が『日本後紀』に残っています。

呼ばれ方をひもとくことで、お茶と人類の歴史の切っても切り離せない関係が見えてきます。

世界のお茶の発音

ティー代表の紅茶とチャ代表の日本茶の違いってなに?

お茶っ葉

日本茶も紅茶も、実は、「カメリア・シネンシス」という同じ植物の葉を加工することによってできています。では、なぜ水色(すいしょく)や風味に大きな違いがあるのでしょうか?

その理由は、生葉の酸化の度合いの違いです。日本茶は、生葉を加工する際に蒸すことで酸化しようとする働きを止めたものであるのに対し、紅茶は完全に酸化をさせたものです。そして、日本茶と紅茶の中間に位置するのが烏龍茶で、ある程度酸化させることでつくられます。そのほかにも、カビや乳酸菌などの微生物を働かせてつくるお茶もあります。

\ お茶の驚き情報その1/
中国には20メートルにも及ぶお茶の木が存在するんです! 
※イラストはイメージです。

中国には20メートルにも及ぶお茶の木が存在するんです!

日本の茶の木といえば低木が主流ですが、チャの原産地と推定されている中国雲南省では、高さ10メートルから20メートルに及ぶお茶の巨木が発見されています。

\ お茶の驚き情報その1/
中国には20メートルにも及ぶお茶の木が存在するんです!

かつてお茶は、餅に似た形で楽しまれていたんです!

中国に伝わる世界最古のお茶に関する書物『茶経』によると、唐の時代では、「餅茶(へいちゃ)」と呼ばれる、文字通り餅の形をした固形茶を人々が楽しんでいたという記述があります。
飲むときは餅状の茶を削って粉砕し、塩を入れた湯に加えて飲んでいたそうです。

協力:NPO法人日本茶インストラクター協会

日本茶の普及や歴史を継承するために設立された特定非営利法人(NPO)。日本茶インストラクター・アドバイザーの試験実施と認定、日本茶に関する通信教育の実施や日本茶文化啓蒙のためのセミナーやイベントの開催など、幅広く日本茶の普及にかかわる。

【住所】東京都港区東新橋2-8-5
【電話】03-3431-6637
【HP】https://www.nihoncha-inst.com/

おわりに

普段飲んでいるお茶の歴史をひもとくと、さらに深い世界が広がっています。

知ればいつものお茶の味が変わってくるかもしれません。

チャとティーの違いに思いを馳せながら、お茶のひとときを楽しんでみてくださいね。

(文・楠石千晶、イラスト・中村滋)

企画・構成=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。休日は、茶道や着付けのお稽古、キャンプや登山に明け暮れる。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。