京都府和束町は、緑豊かな山腹に茶畑が広がる宇治茶の主産地です。“茶源郷”とも呼ばれ、日本の原風景が残る美しい景色に多くの人が魅了されます。そんな和束町に通い、茶畑の風景を撮り続けているアマチュア写真家が捉えた、ふだんは見られない茶畑のとっておきの美しい姿をご紹介します。
アマチュア写真家
「へたっぴ写真家」 さん
現在40代。30代でデジタル一眼レフカメラが趣味となる。主に週末に奈良、大阪、京都南部の風景を撮影している。
撮影の記録は、Twitter「へたっぴ写真家」@v0_0v______mkで発信。

人と自然が生み出す、美しい情景に魅せられて
大阪府に住む「へたっぴ写真家」さんは、名前とは裏腹に実力派のアマチュア写真家です。SNSの投稿や、写真コンテストへの応募などを中心に活動されています。
お子様が生まれたのをきっかけに写真を始め、徐々に趣味としてのめり込んでいったそうです。その「へたっぴ写真家」さんが、茶畑の魅力に取り憑かれたのが、2011年。奈良県山添村で初めて茶畑を撮影したときだといいます。
「ゆるやかな山並みに美しく整えられた畝。茶畑のそんな造形美に惹かれました。おいしいお茶をつくるために、日々手入れをされている茶農家さんの営みが自然と一体になり、素晴らしい景観となっていることに、感動しました」



晴れの日も雪の日も、通い続けて撮った数々の絶景
「へたっぴ写真家」さんは、2016年に和束町の茶畑に出合いました。撮影スポットとして有名な和束町の観光地を訪れていましたが、その場所以外にも町に広がる茶畑の美しさに魅了されたのをきっかけに、足繁く通うようになったそうです。12月〜5月を中心に、夜明け前から早朝に和束町へと足を運び、さまざまな茶畑の表情を切り取ってきました。
「茶畑には季節や時間帯、見る角度によっても違う美しさがあります。冬の霜が降りた様子や、春の新芽の芽吹く時期、夜の星空とともに……、いろいろな表情を見せてくれます」



懐かしさを感じさせる茶畑の景色。しかし、朝日や雪の日では、表情を変え、普段は見ることがない情景が広がっています。さまざまな茶畑の表情に、改めて日本の原風景の美しさを実感します。
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取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。