【永久保存版】京都で初詣に行こう! 生れ年の十二支で巡る神社仏閣

京都には動物にまつわる神社仏閣が多く、毎年干支にちなんだ寺社が大人気!

十二支すべてが揃う京都だからこそ、初詣は「干支詣」がおすすめです。

今年の干支や自身の生まれ年の干支の守護を授かるべく、干支をめぐる京都ならではの初詣をご案内します!

干支詣とは、干支にまつわる初詣のこと。一年のはじめに、十二支にゆかりのある神社・お寺に詣でると幸運が掴めるといわれています。

以下、亥・子・丑・卯・辰・未・申・戌・午・酉・寅・巳の順にご紹介します。

また、友人や家族など、干支の違う人と一緒でも巡れるとっておきの秘技もございます。

いざ、京都の干支詣へ!

イノシシ放射画像

【亥】2019年の干支は亥! 猪を祀るお寺で、清々しい一年のスタートを!

禅居庵の外観写真
禅居庵の亥像

2019 年の干支としてまず押さえておきたいのが、亥年にまつわる寺社です。

鎌倉時代に開かれた、建仁寺派の塔頭寺院「禅居庵(ぜんきょあん)」では、境内で猪像が迎えてくれます。

祀られている神様は「摩利支天(まりしてん)」。
3つの顔に6つの腕=「三面六臂(さんめんろっぴ)」と伝えられるこの天部の仏様は、陽炎(かげろう)を神格化した守護尊で、猪に乗っているとされるものが多く、そこから猪がその使いといわれるようになりました。

摩利支天は、進路の障害になるものを除いてご利益を施してくれるとされ、亥年のスタートにふさわしい神様です。

禅居庵の摩利支天は、「日本三大摩利支天」の一つとして数えられ、境内には猪モチーフのものがたくさん あります。
特にお堂の周りを回りながら願をかけると、必ず叶うとか。

亥年である2019 年は、秘仏として祀られている摩利支天が、元日から1 月31 日まで開帳されるので、必見です!

禅居庵

【 住所 】京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町146
【 電話 】075-561-5556
【 拝観時間 】9:00~ 17:00
【 拝観料 】境内無料
【 HP】 http://zenkyoan.jp

禅居庵の門構え画像

【子】狛犬ならぬ狛ねずみ! 「玉」と「巻物」、求めるご利益はどっち?

大豊神社のネズミ像

鹿ケ谷・南禅寺一帯の氏神として信仰を集め「ねずみの社(やしろ)」として親しまれる大豊(おおとよ)神社。

全国の神社の中でも、狛犬ならぬ狛ねずみがある数少ない神社です。一方が豊穣を表す「水玉」を、もう一方が学問を象徴する「巻物」を抱えています。

一般に、寺社の像は気軽に触ってはいけないものといわれていますが、中には、触ることでご利益がいただけるものも。

玉と巻物に触ることで、それぞれ健康長寿・無病息災、学業成就のご利益があるとされています。

大豊神社

【住所】京都市左京区鹿ケ谷宮ノ前町1
【電話】075-771-1351
【拝観時間】自由
【拝観料】】境内無料

大豊神社の外観

【丑】悠然と横たわる牛の像を撫でまわすと、病気が治って、頭がよくなる!?

北野天満宮の牛像画像

牛もまた、「天神様」のお使いとして、撫でることで病気が治るご利益があります。

京都で天神様といえば、その発祥である北野天満宮。菅原道真公を御祭神として祀る、全国の天満宮・天神社の総本社です。「学問の神」・「芸能の神」として知られ、親しみをこめて「北野の天神さん」と呼ばれています。

境内には、十数体もの大小さまざまな牛の像が奉納されています。これらは「撫で牛」と呼ばれ、特に頭を撫でると頭がよくなるといわれています。

北野天満宮

【住所】京都市上京区馬喰町
【電話】075-461-0005
【楼門開閉時間】5:30 ~17:30
【授与所受付時間】9:00 ~ 17:00
【拝観料】境内無料
【HP】http://www.kitanotenmangu.or.jp

北野天満宮の門

【卯】つぶらな赤い瞳と愛嬌のある表情にキュン♡

うさぎ写真

都の東に鎮座することから、東天王と称される「岡崎神社」。祭神の二柱が子宝に恵まれたことに由来して、特に子授け・安産の神として信仰を集めています。

かつては、地域一帯が野兎の生息地だったことから、兎が神の使いとされています。

境内では、本殿前の「狛兎」から、提灯や襖に紋様として入ったものまで、さまざまな形で愛らしい兎に出合えるまさに兎天国!!手水舎にある兎像に水を掛けてお腹をさすると、ご祭神のご利益で安産になるとされています。

うさぎ写真

東天王 岡崎神社

【住所】京都市左京区岡崎東天王町51
【電話】075-771-1963
【拝観時間】9:00〜17:00
【拝観料】境内無料
【HP】https://okazakijinja.jp

手洗のうさぎ

【辰】天井に体をうねらせて潜む全長8メートルの龍に驚愕!

木彫りの龍

干支の姿は石像だけではありません。

瀧尾(たきお)神社にいる木彫りの龍は、なんと全長8メートル! 今にも動き出しそうな躍動感のある姿は、「夜な夜な神社を抜け出し、川まで水を飲みに行く」という噂が立ったと伝えられるほど。この龍の彫物は、江戸時代の彫刻家・九山新太郎が手掛けたとされます。

本殿は貴船神社から移築されたもので、降雨や止雨など水を司る龍神が祀られています。

リアルな干支に出合える神社仏閣はまさに干支詣にぴったりです!

瀧尾神社

【住所】京都市東山区本町11丁目718
【電話】080-5637-8188
【拝観時間】自由
【拝観料】境内無料

瀧尾神社の画像

【未】思慮深い表情にうっとり……。菩薩の化身から智恵を授かる

法輪寺の羊像

空海の弟子・道昌が虚空蔵菩薩像を安置した際、「法輪寺」と称したお寺。数え年13歳の子どもの祝いごとである「十三まいり」の寺として知られています。

法輪寺の羊像は、なんとご本尊そのもの。「嵯峨の虚空蔵(こくうぞう)さん」の愛称で親しまれる虚空蔵菩薩が、この羊像に姿を変えたとされています。参拝者はその姿に触れることで、智恵を授かれるといわれています。

法輪寺

【住所】京都市西京区嵐山虚空蔵山町
【電話】075-862-0013
【拝観時間】9:00〜17:00
【拝観料】境内無料
【HP】https://www.kokuzohourinji.com

【申】「猿丸さん」が病気のもとになるこぶを取り「去る」?

猿丸神社の画像

申年の方は、その名の通り、猿の字が含まれる猿丸神社にお参りしては?

三十六歌仙の一人・猿丸太夫を歌道の神として祀る神社です。近世以後、腫物の病気を霊験があるとして、「こぶ取りの神」として信仰されるようになりました。

参拝者から「猿丸さん」として親しまれている祭神は、病気平癒に霊験があります。本殿前の烏帽子をかぶった猿の像を触り、自分のからだの悪い部分を撫でるとよくなると伝えられています。

猿丸神社の猿地蔵

猿丸神社

【住所】京都府綴喜郡宇治田原町禅定寺粽谷44
【電話】0774-88-3782
【拝観時間】6:30〜16:30
【拝観料】境内無料
【HP】http://www.sarumarujinja.jp

【戌】犬の姿をリアルに捉えたポーズが、犬好きにはたまらない!

犬の像

戌年生まれにふさわしい「狛犬」がいるのが、泉涌寺の塔頭のひとつ・即成院(そくじょういん)です。

本尊である阿弥陀如来を筆頭に、周囲に配された25もの菩薩像と合せて重要文化財に指定されています。

獅子の姿をしていることの多い「狛犬」ですが、即成院の「狛犬」のモチーフはまさに犬そのもの。立ち姿も本物そっくりで、阿吽の表情をしています。弘法大師を高野山へ導いた「黒いぬ」と「白いぬ」が由来で、奥の弘法大師像を守るように据えられています。

即成院

【住所】京都市東山区泉涌寺山内町28
【電話】075-561-3443
【拝観時間】〈12〜2月〉9:00〜16:30(16:00 最終受付)、〈3〜11月〉9:00〜17:00(16:30 最終受付)
【拝観料】境内無料
【HP】http://www.negaigamatoe.com

即成院の画像

【午・酉】キュートなおみくじで、干支のご利益を授かろう!

干支人形・牛と鳥

初詣といえば、おみくじが欠かせません。

干支にまつわる寺社だからこそ手に入る、干支の動物たちがかわいくデフォルメされたおみくじを見ていきましょう。

馬の神として信仰される藤森(ふじのもり)神社では、白馬のおみくじを授かれます。藤森祭の「駈馬(かけうま)神事」で実際に馬を見ることができますが、三が日にも厩舎が設けられ、神馬が登場します。

酉年といえば鶏(にわとり)を指しますが、鶏に深く縁のある寺社が京都に見られないのが、干支詣の悩みどころ。

そこで、同じ鳥として「鳩」にゆかりのある三宅八幡宮をご紹介します。授与される「鳩みくじ」は、伝説の白鳩。かつてが八幡神をこの地に呼んだ際に案内をした白鳩にちなんでいます。
また、色鮮やかなつがいの「神鳩」には、子どもの守り神としてのご利益があります。

藤森神社

菖蒲の節句発祥の神社といわれ、武者人形には藤森の神が宿るとされている。勝運と馬の神として信仰を集め、参拝に訪れる競馬の馬主や騎手も多い。

【住所】京都市伏見区深草鳥居崎町609
【電話】075-641-1045
【拝観時間】9:00〜17:00
【拝観料】境内自由
【HP】http://www.fujinomorijinjya.or.jp

藤森神社

三宅八幡宮

子どもの守り神として、「子どもの病気平癒」や「学業成就」のご利益で知られる。本殿には子どもの健康を願う「よだれかけ」が奉納されている。

【住所】京都市左京区上高野三宅町22
【電話】075-781-5003
【拝観時間】9:00〜16:00
【拝観料】境内自由
【HP】http://www.miyake-hachiman.com

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【寅・巳】丸いフォルムの可愛い干支に、守られて

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寅年なら、虎の像が佇む両足院(りょうそくいん)へ。

虎は毘沙門天の使いとされ、お堂を守る姿は恐ろしくも見えますが、おみくじの寅は実にキュート。そばに置いておきたくなるかわいさです。

リアルな姿は好まれないことも多いへびですが、巳年にまつわる日體寺(にったいじ)には、親しみのある表情をしたへびおみくじが2種類もあります。

日體寺は御所から見て巳の方角に位置し、巳の北辰妙見大菩薩(ほくしんみょうけんだいぼさつ)が祀られることで、巳年の守護神としての信仰を集めています。

干支のご利益を持ち帰れるのが干支のおみくじのよいところ。
生まれ年の干支だけでなく、十二支すべてのおみくじを集めたくなります。

両足院

臨済宗建仁寺派の塔頭のひとつ。毘沙門天堂に祀られているのは「鞍馬の胎内仏」で、長い年月を経て両足院へ辿り着いたといわれている。

【住所】京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町591
【電話】075-561-3216
【拝観時間】10:00〜16:00
【拝観料】境内無料
【HP】https://ryosokuin.com

両足院

日體寺

京都十二支の妙見さんとして親しまれる、巳の北辰妙見大菩薩が祀られている。水火の災いを除いて家を修める「清水の鎮宅妙見」として信仰を集めている。

【住所】京都市東山区清水四丁目151
【電話】075-561-1248
【拝観時間】8:30〜17:30
【拝観料】境内無料
【HP】http://www.nittaiji.com

日體寺

【十二支】一度で干支詣が完了! すべての守り神がいる7つの社へ

下鴨神社

家族や友人同士で干支が異なり、一度にお参りをするのは大変という方にうってつけなのが、下鴨神社です。

ここでは、干支詣がなんと一箇所ですべて叶います。

干支の守護神となるのが、摂社である「言社(ことしゃ)」に祀られる大国主命(おおくにぬしのみこと)。
その働きごとに異なる7つの名前を持つ神様です。
名前ごとに分かれた7つの社が中門と本殿のあいだの広場に集まって鎮座していて、社にはそれぞれの十二支を表す文字が。

自分の生まれ年に当てはまる社に参拝することで、干支詣ができるという場所なのです。

毎月「えと参りの日」があり、特に一月は「初えと祭」として、三が日よりも賑わいを見せることも。初えと祭りでだけ授与される「えとみくじ」も人気です。

下鴨神社の干支人形
下鴨神社の干支人形

下鴨神社
〈2019年 初えと祭〉 1月14日 10:00〜

【住所】京都市左京区下鴨泉川町59
【電話】075-781-0010
【拝観時間】6:30〜17:00
【拝観料】境内無料
【HP】https://www.shimogamo-jinja.or.jp

下鴨神社の干支社の図
亥の社の画像
亥の社の画像

京都の干支詣、いかがでしたか?
現地へ足を運び、実際に触れられるからこそ、ご利益も確かなものに感じられます。
今年は、京都だからこそできる干支詣にぜひ挑戦してみてください!

(写真 杉本幸輔・吉村晋弥・入交佐妃)

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企画・構成=中塚涼
なかつかりょう●月刊『茶の間』編集部員。京都生まれの京都育ちが京都の情報を発信することに。さまざまなうつわと急須を巡る連載を経て、作家もので揃えた茶器でお茶の時間を過ごす構想を練っています。