予算3,000円、鴨川納涼床を満喫できる裏技「ランチ」厳選3軒

5月から始まる京都の夏の風物詩・鴨川納涼床(のうりょうゆか)。高い夕食のイメージの「床」ですが、実は真夏を避けた5・9月のランチだけ、本格料理を安く堪能できるというお得な裏技があります!予約必須の湯豆腐やイタリアン、タイ料理のお店をご紹介!

「納涼床」と「川床」の違いは?これさえおさえておけば京都ツウ!

京都の川辺にせり出す席で、涼しげに会席料理などを楽しむ座敷全般を指して、「川床(かわどこ)」と呼ぶイメージが強いかもしれません。でも実は、正式には、川面に手が届くほどのところに席が設けられる貴船や高雄エリアの座敷が「川床」と呼ばれており、高床に席が設けられる鴨川エリアの座敷のことは「納涼床」と呼ばれます。ちなみに、ランチは「昼床(ひるゆか)」とも。理由は諸説ありますが、京都では場所によって呼び方が変わるので、頭の片隅に置いておいてくださいね。

1. 豆屋源蔵 〜木屋町二条〜

1. 豆屋源蔵 〜木屋町二条〜

湯葉に湯豆腐……。はんなり、京都らしさを求める方はこちらへ

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豆屋源蔵の川床

木屋町通から細い路地を抜けて、風情ある玄関からさらに奥へ。長い長い廊下を抜けた先に鴨川の美しい景色が待っています。こちらは和食・豆腐料理を提供する豆屋源蔵。 

「もともとここは『近江初(おうみはつ)』という旅館で、作家の井上靖さんや日本研究家のドナルド・キーンさんなどが定宿として愛用していたそうです。柱や梁、建具などはできる限り大切に活かしています」と主人の榎本亨(えのもととおる)さん。 

和の風情に満ちた空間を楽しみつつ、開放的な納涼床席へ。眼前には鴨川の澄んだ流れ、遠くには比叡の山並みと大文字山が見え、目に染みるような初夏の青空がどこまでも広がっています。 

豆屋源蔵のとうふ御膳

こちらのご自慢は、店内で丁寧につくった自家製の湯葉、豆腐、味噌といった日本の伝統食をベースにしたお料理。昼床のおすすめ、「とうふ御膳」(引き上げ湯葉をたっぷり添えた湯豆腐、二段重箱、ご飯、水菓子が付いて3,670円(税込、別途お席代500円))でもつくりたての豆腐や湯葉などがたっぷりと味わえます。 

まずは湯豆腐鍋から。つくりたての自家製豆腐は、しっかりとした食感でありながら驚くほどのなめらかさ。湯葉も大豆の濃い甘みが舌に広がって、たとえようのないおいしさです。 

豆屋源蔵の二段重
豆腐とヨーグルトのムース

季節の旬味(しゅんみ)をぎっしり詰め込んだ2段のお重の中には、抹茶豆腐、豆腐と野菜のゼリー寄せ、鶏の味噌松風、西京焼、湯葉揚げなど、これもまたご自慢の食材が散りばめられて、豊かな滋味をしみじみと堪能できます。そして、最後に供される豆腐とヨーグルトのムースが、すっきりと爽やかな甘みでコースを締めくくってくれます。

日本人の食の根幹(こんかん)をなす豆腐や味噌など、食べ慣れたはずの伝統食を、あらためておいしいと感じられる幸せ。初夏の風の中で、一品ごとに愛おしみながらいただく食のひとときを満喫してみてはいかがでしょう。

information

豆屋源蔵の外観

[要予約]
【住所】京都市中京区木屋町通二条下ル上樵木町490
【電話】075-253-1155
【営業】11:30〜14:30(L.O.13:30)、17:00〜23:00(L.O.20:30)
【休み】なし
アクセス】京都市営地下鉄東西線 「京都市役所前駅」より徒歩約2分

2. スコルピオーネ吉右 〜木屋町四条〜

2. スコルピオーネ吉右 〜木屋町四条〜

デザートが付いてたったの〇〇〇〇円! ワインも気兼ねなく楽しめます

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ワインも気兼ねなく楽しめます

スコルピオーネ吉右
ワインはイタリアをはじめ、ヨーロッパやニューワールドのものが揃う。写真右は2階テーブル席。

すぐ近くに団栗橋(どんぐりばし)を望む一軒家のレストラン、スコルピオーネ吉右(きちう)。広々としたオープンキッチンでは、ライブ感あふれる調理風景が展開し、おいしそうな匂いが鼻腔(びくう)をくすぐります。納涼床のすぐ目の前を鴨川が流れて、明るい陽光の中でイタリアンを楽しめます。  

「和の割烹と同じように、京の四季折々の恵みをふんだんに取り入れて、イタリアの伝統的な調理法で仕上げ、一皿ひと皿に旬を盛り込んだ美しい料理に仕立てています」と店長の大須賀猛(おおすがたけし)さん。 

スコルピオーネ吉右のランチコース

昼床のおすすめは、前菜、パスタ、メイン、ドルチェからなるランチコース。パスタとメインは3、4種類からお好みをチョイスして。たとえば取材時の前菜の一つは、ホワイトアスパラと生ハムのシーザードレッシング添え。黒いプレートに真っ白なアスパラがくっきりと映えます。

スコルピオーネ吉右のランチコース

パスタは平細麺のバベッティーニを用いていて、蛤とカラスミの旨みにベストマッチ。メインの鰆(さわら)のフリットは、薄衣でサクッと揚げ、黒オリーブのタップナードソースを合せて。赤、白、黒、グリーンの色彩が真っ白な器に美しい調和をみせ、まるで京料理を愛でるような心持ちになります。写真のコースはなんと2,500円(税別)。料理は取材時のもので、内容は季節ごとに変わるそうです。どれもワインにぴったりの仕立て。グラスワインとともにぜひ楽しんでください。

 

ピエモンテやシチリアで修業した、生田目和明(なまためかずあき)シェフが京の旬味とイタリアンをフューチャーした料理の数々は、ワインにもぴったり。赤白3種類ずつ揃うグラスワインから、お好みのものを選んでみては。乾杯から始まる納涼床ランチは、まさに大人だけの愉しみといえるでしょう。

information

スコルピオーネ吉右外観

[予約がベター]
【住所】京都市下京区西石垣通四条下ル斉藤町133-140-18
【電話】075-354-9517
【営業】11:30〜15:00(L.O.14:30)、月〜土17:30〜22:00(L.O.21:30)、日祝17:30〜21:30(L.O.21:00)
【休み】なし
【アクセス】阪急京都線「河原町駅」・京阪本線「祇園四条駅」より徒歩約3分

3. 佛沙羅館 〜木屋町高辻〜

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これからは、旨辛い「エスニック納涼床」が新しい!

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佛沙羅館
コース内でチョイスできるグリーンカレー。鶏肉とたっぷりの野菜が入ってヘルシーな人気の一品。
写真右は広々とした1階の大テーブル席。

木屋町通から細い路地を奥へ、異国情緒に満ちた佛沙羅館(ぶっさらかん)。30年前に開店した、京都でも老舗的存在のタイ料理レストランです。代々、タイからシェフを招き、現在もタイ人の料理長がタイ直送の調味料やスパイスを駆使し、京都の旬の食材と組み合せて、伝統的なタイの調理法でさまざまな料理を提供しています。

月コース

昼床おすすめの「月コース」は、 はんなり箪笥(たんす)と呼ぶ漆(うるし)の下げ重にたっぷりと料理を詰め、トムヤムクンのほか、グリーンカレーやタイ風焼きそばなどをチョイスできる料理を組み合せた充実の内容。

ご自慢のトムヤムクンはコブミカンの葉やタイ生姜、レモングラスなど現地調達のスパイスをたっぷり使用。香り高く、まろやかな中に爽やかなピリ辛を感じる、飽きのこない味わいです。前菜、サラダ2種、料理3種、トムヤムクン、グリーンカレー、タイ風焼きそば、タイ風焼き飯からチョイスする料理の組み合せに、デザートまで付いて2,800円(納涼床席料540円、ともに税込)は、かなりのお値打ちです。

佛沙羅館の店内

落ち着いた雰囲気のカウンター席。フルーティーなタイ風カクテルなども揃います。また京豆腐を使ったガパオ豆腐など、オリジナルの味も定評があります。異国の情趣あふれる納涼床で、遠いアジアの国の料理に舌鼓を打ちつつ、京の夏の始まりを感じてみてください。今までになかった、新しい京都に出合えるはずです!

information

佛沙羅館

[予約がベター]
【住所】京都市下京区木屋町通
松原上ル美濃屋町173-1
【電話】075-361-4535
【営業】11:30〜15:00(L.O.14:30)、 17:00〜22:00L.O.
【休み】水曜
【アクセス】阪急京都線「河原町駅」より徒歩約6分・京阪本線「祇園四条 駅」より徒歩約7分

今回ご紹介した3軒の平均ランチ予算額は、なんと2,990円。夏の京都の風を感じつつ、美しい鴨川沿いを眺めながら納涼床を堪能できて、さらにお酒を楽しむ余裕も持てるなんて、なんだかとても得した気分になれますね。女子旅や家族旅行、友人のおもてなしはもちろん、おひとりさまでもやさしく受け入れてくれるお店ばかりです。ちなみに、もちろん、納涼床ディナーも営業中。5月の鴨川グルメは、この3軒で決まりです!

※記事は2019年3月時点の情報です。

 

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(取材・文 郡麻江/写真 福森クニヒロ 竹中稔彦)

planmake_tamai

企画・構成=玉井雄大
たまいゆうた●月刊『茶の間」編集部員。滋賀県出身。自然や映画、銭湯、禅、詩、酒など“本質を語れるものごと”好き。茶道もその一環ですが、第一子誕生によりお休み中。今は流派にとらわれず、お家でセルフ抹茶を楽しみます。