京都旅行は「食」が楽しくなるカウンター席がおすすめ!地元編集部厳選4店。

「京都のどこで何を食べようか」と迷ったとき、カウンター席のあるお店はいかがでしょうか。割烹、肉料理、イタリアン、和食に日本酒……。店主とのおしゃべり、目の前で料理ができあがるライブ感、一期一会の出会いなど、居酒屋とはまた違った楽しみがあるのがカウンター。お店に行くときには予約は必須です。

カウンター

01 祇をん かじ正

祇園の割烹料理を楽しい会話とともに

かじ正のだし巻き卵
自慢のだし巻きには卵を4個も使う1,500円。だしがじんわりとにじみ出てきてたまらないおいしさ。

祇園のお茶屋をはじめ、仕出しを専門とする老舗「(ひしいわ)」で長年修業を積んだ主人の梶原孝徳(かじわらたかのり)さんが独立したのは2011年のこと。2年前の2017年に現在の場所に移転したこちらのお店は、京の花街の店らしく、はんなりとした佇まいの中で食事を楽しめます。

天然木のカウンター席は8席。ゆったり座って、梶原さんが鮮やかな手つきで料理をするさまを、手に取るように楽しむことができます。

梶原孝徳さん

品書きは割烹らしく一品料理が中心。長崎県出身の梶原さんは、長崎産の旬の魚介を巧みに取り入れつつ、前菜、造り、焼き物、揚げ物、締めの料理までさまざまな味わいを提供しています。

「伝統的な京の味を大切に、奇をてらうことなく、自分らしさをプラスしていきたいと思っています」

ぜひとも味わいたのが、黄色が目にも鮮やかなだし巻きです。「菱岩」の名物料理の一つですが、梶原さんは新潟の平飼い卵をたっぷりと使い、だしを多めに加えて、ふわりとやわらかな、それでいて濃厚なおいしさがぎゅっと詰まっただし巻きに仕上げています。

祇をん かじ正
見事な焼き上がりの長崎産ぐじの塩焼きは写真の大きさで2,500円(価格は時価)。

長崎産のぐじは、鱗ごとパリッと焼き上げて、身はホクホクの食感に。魚本来の旨みが見事に活かされています。

冷やし五島うどん
麺が延びにくい五島うどんは、つるんと喉ごしがよい1,000円。たっぷりのミョウガとともに。

常連さんに人気なのが、冷やし五島うどん。つるんと冷たいうどんは、涼風を口中に運んでくれるよう……。

初めての来店なら、お値打ちのまかせコースもおすすめ。カウンター越しの会話も楽しく、ご主人の人柄と相まって、敷居が高過ぎず、祇園の割烹料理をくつろいで楽しめる一軒です。

祇をん かじ正

祇をん かじ正
【住所】京都市東山区祇園町南側570-127
【電話】075-525-8211
【営業時間】11:30〜13:00、17:30〜22:00(L.O.)
【定休日】水曜 ※要予約
※おまかせコースは昼4,000円・6,000円(それぞれ税込)、夜8,000円〜(税別)。

02 祇園新橋 川勝

バーのような空間で、店主厳選の肉をあじわう!

左/肉店などで修業を積んで自分の店を1年前にオープンさせた川勝さん。「自分が選んだ肉を、一番おいしい食べ方でご提供したいです」右/今回選んだランプ肉の揚げ焼きステーキ2,600円。ロゼ色が美しい。シンプルに肉の旨みを味わう一品。
左/肉店などで修業を積んで自分の店を1年前にオープンさせた川勝さん。「自分が選んだ肉を、一番おいしい食べ方でご提供したいです」右/今回選んだランプ肉の揚げ焼きステーキ2,600円。ロゼ色が美しい。シンプルに肉の旨みを味わう一品。

祇園北側のビルの奥にある大人が集うバー? と思わせるシックな空間。カウンターの向こうでは店主の川勝政孝さんがにこやかに出迎えてくれます。後ろの黒板には肉料理がずらり。

「うちはフリースタイルの肉料理の店です(笑)。おいしい牛肉を、ステーキやビフカツやタタキなどいろいろな味わいで楽しんでいただけます」

メインは何といっても、揚げ焼きステーキ。赤身が大好きという川勝さんが厳選した黒毛和牛のイチボやランプなど好みの部位を選んでオーダーします。深鍋にたっぷり注いだサラダオイルに、注文したランプ肉を浸すように入れるとジュジューッと耳に心地よい音が……! 厚みのある肉に熱々のオイルを何度も回しがけし、最後はホイルで包み余熱でじっくりと熱を含ませて、外側はカリッ、内側はしっとりとジューシーに仕上げるのが川勝のスタイル。焼きあがった肉をカットすると、鮮やかなロゼ色の断面が現れて、ぐっと食欲がそそられます。一連のライブ感に満ちた動作を目の前で見ることができるのは、やはりカウンターならではの楽しみ。

祇園新橋 川勝
特選ランプ肉、希少なイチボ肉など目利きが選んだ肉。

「山わさびや醤油ベースの自家製タレ、岩塩もありますが、まずは何もつけずにどうぞ」の言葉に、そのままパクリ。カリッ、サクッとした外側の香ばしさのあとに、肉汁がジュワッ。肉の適度な弾力と濃厚な旨みがしっかりと感じられます。

タマゴサンド
卵の黄色が華やかな濃厚卵の厚焼きタマゴサンド1,000円は食べ応え十分。価格はすべて税別で、サービス料なし。

お土産や帰りの新幹線用におすすめなのがサンドイッチ。バターを効かせたふわふわの卵焼きを挟んだ、濃厚卵の厚焼きタマゴサンドは特に女性に人気だそう。こちらもぜひ。

祇園新橋 川勝

祇園新橋 川勝
【住所】京都市東山区橋本町410-7 日宝アミ祇園102
【電話】075-541-1122
【営業時間】18:00~25:00(L.O.24:00)
【定休日】日曜

03 Obase

町家づくりを生かした店内で旬の野菜をたっぷりと堪能

Obaseの料理
やわらかな赤身で旨みがとても濃厚なヒウチ肉のロースト。旬の新玉ねぎをたっぷりと添えて。料理は夜のコース11,000円から抜粋。価格はすべて税・サ別。

細長い町家の造りを生かした空間に、温かみのある木のカウンターが奥まで延びて、椅子がたった8席、ゆったりと配置されています。

Obaseの店内

「ぼくの目がちょうど行き届く席数なんです」とほほえむオーナーシェフの(おばせ)英之さんは、京イタリアンの名店「イル・ギオットーネ」の出身。小長谷さんの料理の原点は、ローカルな食材を使って調理するイタリアの郷土料理にあります。とくに野菜は最も郷土の味を表現しやすい素材と考え、イタリアンと和食を融和させ、おいしくて楽しくて、旬の野菜をたっぷりと楽しめるコースに仕立てています。

Obase

「京都や滋賀の農家さんを巡り、手元に集まる野菜の命を大切に使い切ること。根っこも葉っぱも活かして、それを他の食材とどう組み合せて調理するかを考えるのは本当に楽しいです」

Obaseの料理
涼しげなガラスの器に盛られたカツオの炭火たたきとつるもずく。夜のコースには前菜が3品付く。

たとえば前菜の一品にも、シェフの喜びがそのまま表現されているかのよう。新鮮なカツオの炭火たたきには、太くて味わいの濃い、旬のつるもずく、それにミョウガやオクラ、大葉などがたっぷりと添えられ、野菜の風味をダイレクトに感じることができます。

メインのヒウチ肉のローストには、旬の新玉ねぎがフレッシュな生、カリカリのチップ、ソテーと、多彩な調理法で登場。野菜の魅力を、メインの肉に負けないぐらい、余すところなく引き出した力強い一皿に仕上げています。

カウンターとキッチンを往復しつつ、お客さんとの会話を大切にしたいというシェフ。野菜への熱い思いともてなしの心に包まれて、忘れがたい食のひとときを過ごしてみては?

Obaseの外観

Obase
【住所】京都市中京区河原町三条上ル恵比須町534-39
【電話】075-211-6918
【営業時間】1ランチ12:00~13:30(L.O.)4,800円~/ディナー18:00~21:30(L.O.)9,000円~(全て税・サ別)
【定休日】水曜
【HP】http://obasse.com ※要予約 

04 吉田 さかみち

銀閣寺付近の隠れスポットで好みに合う日本酒を

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京都屈指の観光名所・銀閣寺に至る坂の途中にある日本酒バー「吉田さかみち」。ここでは、長野、秋田、島根、滋賀など、京都に限らず全国から、店主の神山友彰(こうやまともあき)さんが厳選した日本酒が常時50種類揃い、旬の魚や野菜とともに楽しむことができます。

吉田さかみち

店内は、広々としたカウンター10席のみ。ゆったりとして心落ち着く空間です。頭上のダウンライトが、お酒や料理をさらにおいしそうに照らします。

「開店してから、さらに日本酒の奥深さに魅せられました。今では、できるだけ酒蔵に出向いて、つくり手と話し、そこで見たものや聞いたことを、お客さんにお伝えしています」と神山さん。

日本酒は、飲みやすい初心者向けからマニアックなものまで幅広く揃います。「爽やかな感じ」や「辛いのが好き」など、好みの雰囲気を伝えると、神山さんが冷蔵庫から3種類の日本酒を取り出し、それぞれ丁寧に説明してくれるので、初めての人でも安心です。

左/名物の牛すじ500円。フルーティな日本酒と相性抜群。右/刺身盛り合せ2人前3,000円。濃厚なマグロの中落ちはドライな日本酒とぜひ。価格はすべて税込。
左/名物の牛すじ500円。フルーティな日本酒と相性抜群。右/刺身盛り合せ2人前3,000円。濃厚なマグロの中落ちはドライな日本酒とぜひ。価格はすべて税込。
牛すじ
名物の牛すじ500円。フルーティな日本酒と相性抜群。
刺身盛り合せ
刺身盛り合せ2人前3,000円。濃厚なマグロの中落ちはドライな日本酒とぜひ。価格はすべて税込。

料理は日替わりで、旬の魚と野菜がメイン。刺身盛り合せや名物の牛すじ、自家製の燻製など、どれも日本酒と相性のよいものばかり。

お酒の説明をしたり、料理をつくったり、カウンターの内側で機敏に動く神山さんの姿は、清々しささえ感じられます。忙しくて手が回らないときは、すかさず常連さんが手助けをするそう。日本酒とおいしいアテでほろ酔い気分になったら、隣の人との会話が自然にはずみます。これは、カウンターだからこその特権かもしれません。

 

初めてでも、友人の家に訪れたかのような気分になれる、隠れ家的日本酒バーへ訪れてみてはいかがでしょう。

吉田 さかみち

吉田 さかみち
【住所】京都市左京区浄土寺西田町118
【電話】075-771-0099
【営業時間】18:00~24:00
【定休日】火曜
【HP】https://www.facebook.com/sakamichi.yosida/

おわりに…

カウンター席から見る京都、いかがでしたか。

京都にはたくさんの料理店がありますが、これを機会に「カウンター」を基軸にお店選びをしてみてはどうでしょうか。今までとは違った京都が発見できるかもしれません。

 

(写真/岡森大輔・津久井珠美・福尾行洋 ライター/郡 麻江・大村沙耶)

企画・構成=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。学生時代は剣道に打ち込み、京都に住み始めてから茶道と着付けを習い始める。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。