ポチ袋の出番が多い年末年始。お年玉やお心付けはもちろん、借りたお金を返したり忘年会や新年会の会費を入れて手渡すときなど、さまざまな場面で重宝します。京都には多くのポチ袋が売られていますが、今回はまるで小さな絵画のように美しいポチ袋をご紹介!
地元編集部が愛して止まない、5店のポチ袋を厳選しました。日本美術の粋を伝える芸艸堂、木版の手摺りが味わい深い竹笹堂、羽織裏の柄を施した京友禅の老舗・岡重のポチ袋など……。自分用に集めて楽しむもよし、京都旅のちょっとしたお土産にお友達にプレゼントするもよし。相手への思いを込めて、こだわりのポチ袋を手渡せば、相手に喜ばれるだけでなく、センスのいい人と一目おかれちゃうかも!? ぜひともお気に入りの一枚を見つけてくださいね。
01. 芸艸堂 〜寺町二条〜
01. 芸艸堂 〜寺町二条〜
古い図案集から復刻した絵柄を使用! 美術好きにはたまらない逸品!
明治24(1891)年創業の芸艸堂は、日本で唯一の木版本を刊行する老舗出版社。古美術の店舗が多いことでも有名な寺町通りにある店舗には、華やかな日本美術が凝縮された柔らかな和紙の手触りが特徴の木版商品や文具が所狭しと並びます。そんな芸艸堂で見つけたのが、ほっこりと落ち着いた色使いに心なごむポチ袋。おめでたい松竹梅をモチーフにした絵柄は、明治から昭和にかけて活躍したデザイナーの多色摺木版図案集から復刻しています。豊富なデザインと手頃な価格が魅力です。美術好きな方へのちょっとしたプレゼントにもいかがでしょう。
INFO
【住所】京都市中京区寺町通二条南入妙満寺前町459
【電話】075-231-3613
【営業時間】9:00~17:30
【定休日】土日祝
【HP】https://www.hanga.co.jp
02.竹笹堂 〜新釜座町〜
02.竹笹堂 〜新釜座町〜
木版で一つひとつ手摺り! とにかくかわいくて胸キュン!
手摺り木版画による印刷・デザインを手がける竹笹堂。石畳に京町家と情緒あふれる風景に佇む店舗には、「木版画」の暖簾がなびきます。店内には、木版のデザインをいかした文具やインテリアなど幅広い商品がずらりと並び、思わずかわいい〜♡と声が漏れてしまうほど。色鮮やかで人気の木版印刷ポチ袋に、多色摺りが新登場! 郷土玩具やショートケーキ、檸檬、菱餅など、身近なモチーフに乙女心がくすぐられます。二つ折りのお札やメッセージカードが入る正方形は、あらゆる場面で重宝します。
INFO
【住所】京都市下京区綾小路通
西洞院東入ル新釜座町737
【電話】075-353-8585
【営業時間】11:00~18:00
【定休日】水曜
【HP】https://www.takezasado.com
03. かみ添 〜藤森町〜
03. かみ添 〜藤森町〜
白い和紙にキラキラときらめく胡粉文様がなんとも美しい!
職人の街・西陣に工房兼ショップを構える「かみ添」。唐紙に使われる「型押し」という古典技術で一つひとつ紙製品を丁寧につくっています。光の角度で表情を変える清らかなアイテムが揃いますが、店主いわく、いちばんの人気はポチ袋とのこと。シンプルで上品な佇まいのポチ袋は、眺めているだけでうっとり。白い胡粉(ごふん)で刷られたマットな文様ときらきらした和紙の風合いが織りなす風景は、まさに「白の世界」。大切な方への心添えにぴったりです。
INFO
【住所】京都市北区紫野東藤ノ森町11-1
【電話】075-432-8555
【営業時間】12:00~18:00
【定休日】月曜・不定休有
【HP】http://kamisoe.com
04. 裏具 〜宮川町〜
04. 裏具 〜宮川町〜
遊び心のある形とデザインにドキッ!
「嬉(うら)ぐ」という古語から名づけられた裏具の本業はグラフィックデザイン。商品には嬉しい気持ちを大切な人に伝えるため、ユニークな工夫が施されています。店舗には花街・宮川町の艶やかな雰囲気が漂います。そんな中でふと目を奪われたのが、ほかではあまり見たことのない、パキっと鮮やかな色使いとスリムな形が目をひく「まめぽち袋」。大は四つ折りのお札が、小は500円玉がちょうど入ります。小粋で洒落たデザインは遊び心満点。気のおけない方へのお礼に活躍しそうです。
INFO
【住所】京都市東山区宮川筋4丁目297
【電話】075-551-1357
【営業時間】12:00~18:00
【定休日】月曜(祝日の場合は翌日)
【HP】http://www.uragu.com
05. 岡重 〜四条烏丸〜
05. 岡重 〜四条烏丸〜
おめでたさ全開! 京友禅の老舗が手がける変わりポチ袋。
京友禅の老舗、岡重のショールームは、アクセス良好な四条烏丸にあります。店内を彩る京友禅の技術を駆使した一点ものの和装小物はため息が出るほどの美しさですが、きものを着ない人にも楽しめるポチ袋や羽裏文様をアレンジした風呂敷なども揃っています。今回は、6種の個性的な絵柄が光るポチ袋をご紹介! 慶事にふさわしい縁起柄は、明治・大正時代に岡重専属の絵描きが描いた羽織裏の染め見本帳からセレクトしたもの。袋の裏にまで柄が施された豪華仕様です。和の情緒をまとった大胆な構図は海外の方にも大人気! 特別なひとときに華を添える逸品です。
INFO
【住所】京都市中京区烏丸通蛸薬師下ル手洗水町647トキワビル3-C
【電話】075-221-3502
【営業時間】9:00~17:30
【定休日】土日祝
【HP】http://www.okaju.com
おわりに…
それぞれのお店の個性が光る、大人にこそ使ってほしいポチ袋たち、いかがだったでしょうか。お気に入りは見つかりましたか? お年玉だけじゃなくいろいろな用途に使えるので、京都を訪れた際にはぜひお店に立ち寄って、実際に手にとってみてください。
◎合せて読みたい→ じつは京都は天井画がすごい! 平岡八幡宮、妙心寺で楽しむアート
※記事は2019年12月時点の情報です。掲載の商品はすべて税込価格です。
(文 黒岩美和/ポチ袋写真 平谷舞)
企画・構成=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。