【保存版】京都のお正月。 地元編集部オススメの8つの楽しみ方

「♫もう〜いくつ寝るとお正月」。今度のお正月は、いつもとは違った楽しみ方をしてみませんか?蹴鞠(けまり)やゑびす祭の熱狂に身を置いてみたり、心静かにお粥をいただいたり。神社だけじゃない!お正月の京都でしか満喫できない魅力的な8つの行事をご紹介します!

01.京都タワー元旦初のぼり 1月1日6:30〜8:00

01.京都タワー元旦初のぼり 1月1日6:30〜8:00

令和初の日の出は地上100メートルから

京都タワー元旦初のぼり

京都で初日の出を見るにはどこがよいでしょうか? 京都の元旦の初日の出は7時5分頃。きりっと冴えわたる嵐山渡月橋からの初日の出も神々しいですが、ちょっと寒いという方には、暖かな室内で初日の出を拝める場所があります。

それは京都タワー展望室。普段は朝9時からの開場ですが、1月1日は「元旦初のぼり」として6時30分からオープン。まだ暗い東山の際から朝日が輝き始め、徐々に昇り、京都市街を壮大に、あかね色に染めていく感動のひとときを地上100メートルの展望室から味わうことができます。

初日の出のあとは、展望室内にある「たわわちゃん神社」で初詣をしましょう。京都タワーのマスコットキャラクター「たわわちゃん」の金色の像を祀る京都市街で一番高いところにある神社です。ちなみに京都タワービル地下3階には大浴場があり、朝一番の初風呂につかることもできます。

INFO
京都タワー元旦初のぼり
1月1日 6:30〜8:00

※入場に時間がかかる場合があり
【住所】京都市下京区烏丸通七条下る東塩小路町721-1
【電話】075-361-3215(受付9:00〜20:00)
【料金】大人(中学生以上)1,000円、
小学生600円、幼児(3歳以上)150円
【HP】https://www.keihanhotels-resorts.co.jp/kyoto-tower/

02.皇服茶授与 六波羅蜜寺 1月1日〜3日

02.皇服茶授与 六波羅蜜寺 1月1日〜3日

新年に悪病退散を願い飲みたい一杯!

皇服茶授与 六波羅蜜寺

京都では、新年を祝って元旦に「大福茶(おおぶくちゃ)」を飲む習慣があります。これは梅干しと結び昆布入りのお茶で、邪気払いと無病息災の願いを込めていただきます。

この大福茶の起源が六波羅蜜寺にあります。天暦5年(951)、開祖の空也上人(くうやしょうにん)が、当時流行した疫病退散のため十一面観音を造立し、梅干しを入れて仏前に献じたお茶をまず天皇に、そして病者に授けて念仏を唱えたところ、たちまち病魔が鎮まったという話が伝わっています。天皇に献じたということで、六波羅蜜寺では「皇服茶」と書き、正月三が日に授与しています。

三が日の六波羅蜜寺にお参りすると、この元祖・皇服茶(有料)をいただけます。熱い煎茶に入った梅干しの酸味と昆布の旨みが、パワフルに身体に染みわたります。この梅干しの種を一年間大事にお守りにする人もいるとか。何事をするにも健康が第一。「悪病退散」を願うなら、年の初めはまず「皇服茶」から始めましょう!

INFO
六波羅蜜寺皇服茶授与
1月1日〜3日

【住所】京都市東山区五条通大和大路上ル東
【電話】 075-561-6980
【料金】300円
【HP】http://rokuhara.or.jp

03.蹴鞠はじめ 下鴨神社 1月4日13:30〜

03.蹴鞠はじめ 下鴨神社 1月4日13:30〜

平安時代のサッカー!?観戦

蹴鞠はじめ

水干(すいかん)、袴(はかま)、烏帽子(えぼし)の平安装束の鞠人(まりびと)が輪になって、「あり」「やあ」「おう」の掛け声とともに、巧みな足さばきで鞠を蹴り上げる蹴鞠。新年初の奉納行事はいかにも雅で、平安時代にタイムトリップしたような不思議な気分にもなれます。

蹴鞠が中国から日本にやってきたのは1400年前。平安時代の貴族の間で流行し、日本で独自の発展を遂げたスポーツです。平安貴族の血気さかんな若者たちは、蹴鞠の練習に明け暮れたといいます。

『枕草子』には「蹴鞠は上品ではないが面白い」とコメントされ、蹴鞠をしながら清水の舞台の欄干の上を往復したとの伝説まである藤原成通(ふじわらのなりみち)のようなスターも誕生しました。

蹴鞠はその後、武家、一般大衆にまで広がり、老若男女に親しまれる国民的スポーツになりました。明治維新で衰退しましたが、今は蹴鞠保存会の人たちによって継承されています。新年初の生のスポーツ観戦、下鴨神社でいかがでしょうか。

INFO
下鴨神社蹴鞠はじめ
1月4日 13:30〜

【住所】京都市左京区下鴨泉川町59
【電話】075-781-0010
【料金】無料 特別拝観席は2,000円
【HP】https://www.shimogamo-jinja.or.jp

04.七種神事 御香宮神社 1月7日

04.七種神事 御香宮神社 1月7日

ご馳走で疲れた胃腸をやさしく癒す

七種神事 御香宮神社

正月7日の七草粥。この日は五節句のうちの「人日(じんじつ)の節句」で、無病息災を願ってこれをいただくのは全国的な習慣です。起源は平安時代とされ、江戸時代になって庶民の間で一般化してきたといいます。

この七草粥を正月7日の日に振舞う神社のひとつが、伏見にある御香宮神社。伏見といえば名水の出る酒どころですが、御香宮の境内には名水「御香水」が湧き、七草粥もこの御香水で炊かれた、ここでしかいただけない特別な七草粥です。氏子の方から提供のあったお米で炊き、七草も氏子の方が栽培されているものとか。白いお粥に刻んだ七草がのったシンプルなお粥を、塩昆布を添えていただくことができます。

七草とは、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロで、このうちスズナは蕪、スズシロは大根のことです。春一番に出たパワーある新芽の生命力にあやかれるとともに、お正月の御馳走で疲れた胃腸をやさしく癒してくれること、間違いありません。

七草

INFO
御香宮神社七種神事
1月7日
七種神事 6:00頃〜、
七草粥接待 9:00〜

【住所】京都市伏見区御香宮門前町174
【電話】075-611-0559
【料金】七草粥300円(なくなり次第終了)
【HP】https://gokounomiya.kyoto.jp

05.十日ゑびす大祭 京都ゑびす神社 1月8日〜12日

05.十日ゑびす大祭 京都ゑびす神社 1月8日〜12日

福笹に福俵や福鯛、宝船など縁起物を全部のせ!

十日ゑびす大祭

えびす様は商売繁盛の神として全国で信仰されていますが、そのお祭として京都では、京都ゑびす神社の「十日えびす大祭」と八坂神社境内にある蛭子(えびす)社の「祇園のえべっさん」が知られています。どちらも、前年11月(旧暦10月)に海から帰ってきていたえびす様が海に出るとされる1月10日前後に行なわれます。

この福笹、飲食店にもよく飾られていますが、もともとは京都ゑびす神社が独自に考案した「お札」の形態が全国に広まったものだとか。「節目正しく真直に伸び」「弾力があり折れない」「葉が落ちず常に青々と繁る」から家運隆昌、商売繁盛の象徴になったそうです。京都ゑびす神社では5日間にわたって吉兆笹の授与があり、11日には舞妓さんによる授与も。この福笹に、福俵、福箕、福熊手、福鯛、宝船などの縁起物を追加するのも楽しみの一つです。

一方、スペクタクルとして見逃せないのが「祇園のえべっさん」のえびす船巡行。9日15時から、七福神を乗せたえびす船が、四条通を往復し、福娘たちが福笹を商店へ配り歩きます。八坂神社蛭子社の起源は平安時代。大阪の今宮戎神社のえべっさんも、もとはここからお祀りされたものだとか。

どちらも由緒ある京都のえびす様。新年にお参りをして、福笹を家に飾り、運気向上を願ってみませんか。

十日ゑびす大祭

INFO
京都ゑびす神社十日ゑびす大祭
1月8日〜12日

【住所】京都市東山区大和大路通四条下ル小松町125
【電話】075-525-0005
【料金】吉兆笹 3,000円
【HP】http://www.kyoto-ebisu.jp

INFO
八坂神社祇園のえべっさん
1月9日~10日

※えびす船巡行は9日15:00~
【住所】京都市東山区祇園町北側625
【電話】075-561-6155
【HP】http://www.yasaka-jinja.or.jp

06.小豆粥で初春を祝う会 東林院 1月15日〜1月31日

06.小豆粥で初春を祝う会 東林院 1月15日〜1月31日

邪気払いと無病息災を願って小豆粥をいただく

小豆粥で初春を祝う会

京都では正月7日の七草粥のあと、小正月の15日に邪気払いと無病息災を願って小豆粥をいただく習慣があります。

この小豆粥を精進料理とともにいただけるのが、通常は非公開の妙心寺の塔頭(たっちゅう)東林院。東林院はご住職が料理教室をされていることでも知られていますが、この会では、妙心寺ご用達の精進料理の店、しかもミシュラン一つ星を獲得したこともある「阿じろ」の料理が提供されます。

ほんのり小豆色に染まったお粥とともに、黒豆、大根と油揚げの煮物、昆布を蛇腹に切って揚げた蛇腹昆布、青菜、お漬物などがお膳にのります。食事前に「食事五観文」を読むのは禅寺ならではの心引き締まる体験。また庭の小鳥などに施すための「さば(生食)」を、係の人が「さば器」に集めに来ますが、生きとし生けるものが食料を分かち合う教えにはっとする瞬間です。

料理はどれも優しいお味。一流の料理を禅寺の作法とともに味わう、またとない体験をしてみませんか。

INFO
東林院小豆粥で初春を祝う会
1月15日~1月31日
11:00~15:00(予約不要)

【住所】京都市右京区花園妙心寺町59
【電話】075-463-1334
【料金】3,800円
(梅湯茶礼、小豆粥の精進料理ほか)

07.初不動 狸谷山不動院 1月28日9:00〜16:00

07.初不動 狸谷山不動院 1月28日9:00〜16:00

青竹の器でいただくお酒にはがん封じのご利益が!

狸谷山不動院

お不動様の縁日は毎月28日。その一年の始めの「初不動」が盛大に行なわれるのが、京都・一乗寺にある狸谷山不動院です。

宮本武蔵の決闘で有名な一乗寺下がり松から上り坂を約10分、さらに白龍弁財天の鳥居から階段を上った上に本堂を構える狸谷山不動院は、人里からわずかに離れただけなのに山中の霊気ただようパワースポット。

初不動の日は一切の悪魔・災いを祓う力を持つとされる不動明王のご利益を求めて、多くの人で賑わい、がん封じのご利益があるという笹酒が接待されます。この笹酒は、狸谷山不動院の開基・木食(もくじき)上人が修行中の滝の水を青竹の筒に入れて病人に飲ませたところ、ただちに治ったという故事にちなんだものです。

護摩の火で温めた青竹の筒から注がれ、青竹の器でいただく温かいお酒は、竹の香りも爽やかで、寒い坂道を登ってきた身をじんわりと温めてくれます。1月も終盤の縁日、今年こそは無病息災をと願う方は、いざ狸谷山不動院へ!

狸谷山不動院
この日は11時からお護摩を焚き、参加者全員でお経を唱える。

INFO
狸谷山不動院初不動
1月28日 9:00~16:00

【住所】京都市左京区一乗寺松原町6
【電話】075-722-0025
【HP】http://www.tanukidani.com

08.花びら餅 俵屋吉富

08.花びら餅 俵屋吉富

優美なしつらえはお正月の京都ならでは

花びら餅 俵屋吉富
花びら餅の販売は、12月29日から1月5日の期間限定。詳細は俵屋吉富ホームページで確認を。一部店舗で購入可能の他、京都髙島屋6階御茶席、茶ろんたわらやで提供される。1個432円(税込)。地方発送不可。

京都ならではのお正月菓子といえば「花びら餅」。薄い求肥(ぎゅうひ)生地に白味噌餡と牛蒡をはさんだ優美なしつらえで、新年の初釜のお茶席で主菓子として用いられる由緒あるお菓子でもあります。

この花びら餅は、明治時代に裏千家第11代家元の玄々斎(げんげんさい)宗匠が、初釜に用いてから広まりました。その起源は平安時代、宮中で正月に長寿を願って行なわれた「歯固め」の儀式の餅が簡略化された宮中雑煮にあるといい、そこで使われた鮎が牛蒡に、雑煮が餅と味噌餡になったともいわれています。

花びら餅が他の和菓子と最も違うところは、やはり野菜の牛蒡が入っているところ。ほんのり甘いなかにも、牛蒡の歯ざわりと白味噌の塩味があいまって、品格ある独特なおいしさがあります。京都でも手に入るのは年末年始のみ。新年の宮中儀式に思いを馳せ、お正月の京都ならではの和菓子をいただいてみませんか。

k_2019-12-23 18.24.57

INFO
俵屋吉富花びら餅

【住所】京都市上京区室町通上立売上ル
【電話】075-432-2211【定休日】日曜
【HP】https://www.kyogashi.co.jp

おわりに…

編集部がオススメするお正月の祭事をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

蹴鞠を観戦したり、高所から初日の出を眺めたり、七草粥を食したりと、実際にその場で体験できる行事ばかり。今度のお正月は、京都で忘れられない体験を満喫してくださいね。

(文・中岡ひろみ/写真・中田昭)

planmake_maeda

企画・構成=前田尚規
まえだなおき●月刊『茶の間」編集部員。3児の父。編集部内でのお茶博士(決して日本茶インストラクターではない)。その薄い知識をひけらかし、ブイブイ言わしているとかいないとか。休日に子どもたちと戯れるのが唯一の楽しみ。