夜行バスで京都へ着いたらここへ! 早朝から楽しむ穴場スポット6選

夜行バスで、京都へ到着! チェックインには早すぎるし、お店も開いてない…。そんなあなたに朗報です!
「早起きは三文の得」という言葉があるように、少しだけ早く起きて、京都の街を歩けば、豊かな自然と和の建築が織りなす、京都本来の美しい景色を堪能できます。
例えば、京都屈指の観光地・二年坂や嵐山の竹林の道などは、早朝は人が少なく散歩の穴場スポット。
さらに、朝ならではの食や体験スポットも充実しているんです。
「京都の朝」を巡るのにおすすめな、7つの穴場スポットをご紹介します!

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01.なんともフォトジェニックな朝ごはんを手がけるのは…

老舗料亭が手がけた新スタイルのお店「丹(たん)」。店名には、丹という文字が持つ「小さな真心」という意味と、京丹後地域の食材を紹介したいという思いが込められています。

こちらでいただけるのは、京丹後地域の契約農場から直送される有機野菜や自家製納豆など5〜6種のおかずと、土鍋でつやつやに炊かれたご飯、具沢山の汁物。どれも奇をてらわず、素材そのものの味を存分に堪能できる調理が施されています。目が覚めきらない朝のからだにやさしい滋味がじんわりと染み渡ります。

お店の中央に設えられた一枚板の大きなダイニングテーブルを、その日集まった人々で囲み、大皿料理を取り回すのも魅力です。親しい友人の家に遊びに行くような、家族が久しぶりに集まるような…。そんな温かな雰囲気も、早起きして丹を訪れたくなる理由です。

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朝の献立は2,500円(税抜)の「ご飯」のみ。一品目の温かいだしと梅干で胃を目覚めさせ、その後、大皿料理とご飯、汁物などが供されます。
ご飯はおかわり自由で、毎朝、だしをひいてつくる汁物には季節の野菜がゴロゴロと入っています。

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食後には、白川のせせらぎ、揺らめく柳を望む2階サロンにて、コーヒーやオレンジジュース、お茶などセルフドリンクを楽しむことができます。

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【住所】京都市東山区五軒町106-13(三条通白川橋下ル東側)
【電話】075-533-7744
【営業時間】朝食8:00〜と9:00〜の2部制
昼食正午〜14:30(L.O.14:00)※夜は貸し切りのみ
【定休日】月曜(祝日の場合は翌火曜休)
【HP】http://tan.kyoto.jp

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02.話題の朝食専門店で、お米がご飯に変わる瞬間に出合おう

2017年の春、京都祇園にオープンした朝食専門店「朝食喜心 kyoto(ちょうしょくきしん キョウト)」。朝7時半から、1時間半ごとの五枠制。和モダンのお店で、向付(むこうづけ)や一飯一汁をいただくという、贅沢な朝ごはんを体験できます。

向付の汲み上げ湯葉にはじまり、土鍋で炊いた白ご飯、うるめいわしの丸干、お漬物、汁物という、こだわり抜いたシンプルなメニュー。汁物は、京白味噌の豚汁や季節野菜の汁物など、3種の中から選べます。
滋賀県の一志郎窯でつくられた土鍋でふっくらと炊いた白ご飯。まずは、お米がご飯に変わった瞬間の「煮えばな」をいただきます。ほんのりと芯が残って、滋味豊かな味わいです。運がよければ、締めにおこげをいただけることも。

寝覚めのからだにやさしく寄り添う喜心の朝ごはん。素敵な一日のはじまりにふさわしい、食の体験に感激!

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とろとろの汲み上げ湯葉はオリーブオイルと岩塩のやさしい味付け。

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京白味噌の豚汁には、丁寧に昆布だしで炊いた季節の野菜が入っていて、食べ応え満点。朝食2,500円(税抜)。

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【住所】京都市東山区小松町555
【電話】075-525-8500
【営業時間】7:30〜8:50/9:00〜10:20/
10:30〜11:50/12:00〜13:20/13:30〜14:50
※要予約
【定休日】木曜(ただしイベント開催日を除く)
【HP】https://www.kishin.world

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03.京都人ご用達の喫茶店で、名物おばあちゃんに会える!

二条城近くに店を構える「喫茶チロル」は、昭和44年から愛され続ける老舗の喫茶店です。山小屋をイメージした店内に一歩足を踏み入れると、昭和にタイムスリップしたかのような、レトロな空間が広がります。

朝は六時半から営業。トーストやゆでたまご、コーヒーはもちろん、カレーやスパゲティなどの通常メニューも提供しています。単品で注文できるので、自分好みのモーニングセットを選ぶ楽しみもあります。

創業以来、店に立ち続ける名物おばちゃんの登茂(とも)さんとの会話も楽しみの一つ。御年82歳(取材時)になる登茂さんは、常連客や旅行者、分け隔てなく積極的に話しかけてくれます。

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創業以来ずっと現役のテーブルと椅子に腰掛けて、コーヒーを飲みながら外の通りを眺め、ゆったりと時を過ごす。
バタージャムトースト100円。ゆでたまご50円。ブレンドコーヒー320円(すべて税込)。

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チロルの名物おばちゃん。元気の秘訣は「毎日明るく楽しく過ごすこと」。

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【住所】京都市中京区門前町539-3
【電話】075-821-3031
【営業時間】6:30〜17:00(モーニングL.O.11:00)
【定休日】日曜・祝日
【HP】http://tyrol.favy.jp

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04.有名料亭の料理人がこぞって訪れるマル秘スポット

毎週日曜の朝8時、のどかな田園風景が広がる静原の地で開かれる「静原里の市」。

地元でとれた新鮮な野菜を求めて、一般のお客さんだけでなく、京の有名料亭の料理人も訪れます。
生産者に直接おいしい食べ方を聞けるのも、朝市ならではの楽しみ。
朝の静原の澄んだ空気に、思わず深呼吸をしたくなります。

ビニールハウスの囲いの中で行なわれる朝市では、新鮮な季節の野菜や地元でとれた卵などがずらりと並びます。
ご近所で人気の 「CAFE MILLET(ミレット)」の石窯で焼いた天然酵母パン600円〜。
季節の彩り野菜は、100円〜とお買い得です。

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【住所】京都市左京区静市静原町1547
【営業時間】8:00〜14:00(毎週日曜開催)

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05.オープンは朝4時。飲み会を締めるか、一日の始まりか。あなたはどっち派?

「できてすぐのうどんを食べて欲しい」。そんな想いを込めて、大正12年創業の谷口製麺所の主人・谷口さんが始めた朝うどん。

麺にもだしにも、聖護院に湧く清らかな地下水を使っています。つるんとやわらかな麺に、鰹と昆布が香る京風の熱々のだしが見事に絡んで…。冷え込む朝にぴったりの心温まる味わいです。

右は、ふわふわ卵が魅力の「おかあちゃんのうどん」400円(税込)。左は、だしが自慢のカレーうどんはご飯付で600円(税込)。

飲み会終わりの締めのうどんとしても、朝ご飯としても、おすすめです!

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【住所】京都市左京区聖護院蓮華蔵町9 谷口製麺所内
【電話】075-771-4485
【営業時間】4:00〜13:00
【定休日】金曜

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06.「そうだ、銭湯行こう」と思ったら、迷わずここへ。

京都の五条界隈を賑わせている注目の銭湯が「サウナの梅湯」です。

明治時代に創業した老舗の銭湯を、若き店主・湊(みなと)さんが脱サラして引き継ぎました。湊さんは、京都府内の銭湯は完全制覇しているという、若き銭湯活動家でもあり、梅湯を理想の銭湯にリニューアル。番台をなくしてフロント型にしたり、浴室内にメイク落としやシャンプー、ボディソープを常設したり、タオル一つで気軽に楽しめます。

そんな梅湯が取り組む土日限定の「朝風呂」。薪で沸かしたやわらかなお風呂に、朝6時から入ることができます。さらに、朝風呂限定で、タオル、歯ブラシ、カミソリが無料! 梅湯でさっぱりとからだを調えて、京都観光へ出かけてみませんか。

金曜の夜、フロントに届く大原の野菜や果物たち。土日の朝は狙いめです。レトロ可愛い梅湯オリジナルタオル430円(税込)など、梅湯オリジナルグッズも充実。

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広々とした浴室には、最新の電気風呂に、薬風呂、水風呂、ジェット風呂、サウナまで充実。

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下駄箱のイラストや噴水に乙女心がくすぐられます。

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【住所】京都市下京区木屋町通上ノ口上ル岩滝町175
【電話】080-2523-0626
【営業時間】14:00〜翌2:00/
朝風呂(土日のみ)6:00〜12:00
【定休日】木曜

「朝の京都」を巡る穴場スポット、いかがでしたか?
朝ごはんに朝市、朝風呂など、普段の京都人の暮らしを垣間見ることができるのも魅力の一つですよね。
人が少ない時間帯だからこそ楽しめる京都は、まだまだいっぱいあるはず。
これからも開拓していきたいと思います。

(写真 石川奈都子・福尾行洋・杉本幸輔)

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取材・文=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。学生時代は剣道に打ち込み、京都に住み始めてから茶道と着付けを習い始める。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。