【保存版】京都を30年歩き続けた編集部厳選、超穴場の紅葉7選!

紅葉名所の多い京都。連休中の見頃は?混雑しない穴場は?写真映えする絶景は?一人旅や家族旅行、デートにおすすめは? ———“黄金の絨毯”に“額縁絵画”、“ハート窓”!?地元で30 年以上続く京都ツウの編集部が、レアな紅葉スポットをお届けします。

写真は、京都を代表する写真家、水野克比古・秀比古さん親子の貴重&美麗なカットです!

01.2018 年のJR 東海「そうだ京都、行こう。」にも抜擢!新定番・一休寺とは?

水野秀比古撮影・酬恩庵一休寺
本堂の門から、写真手前に向かってのびているのが石畳の参道。苔の緑と散り落ちた紅葉のコントラストがきれい。
(写真/水野秀比古)

“参道の紅葉美”なら、ここが編集部一番人気! 京田辺市という、京都府南部にあるお茶処(どころ)にひっそりと佇む酬恩庵(しゅうおんあん)一休寺は、あの「一休さん」で有名な一休禅師(ぜんじ)が晩年を過ごした地として知られる禅寺です。

入り口の総門をくぐった先に長く続く、石畳の参道。両脇には立派な楓(かえで)が連なって植えられており、秋に赤や黄に色づく並木は圧巻の美しさです。足もとに敷き詰められた瑞々(みずみず)しい苔と、頭上から降りそそぐ楓に包まれながらの紅葉散歩は、格別な体験になることでしょう。

参道を進んだ先にある広大な境内の、本堂や開山堂(かいさんどう)に寄り添う紅葉も、風情たっぷり。鳥のさえずりや、風のざわめき。自然の音だけが響き渡る、郊外ならではの静けさも魅力です。小径(こみち)の紅葉美を愛(め)でに、ぜひ訪れてみてください。

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Informationの画像

【住所】京都府京田辺市薪里ノ内102
【電話】
0774-62-0193
【拝観時間】9:00 ~17:00
(宝物殿は9:30 ~16:30)
【拝観料】
大人500円、小学生以下250円 
【HP】http://www.ikkyuji.org

▶ Access
近鉄京都線「新田辺駅」から歩いて約25分。または新田辺駅から京阪バスで約10分「一休寺」下車
▶お手洗い 境内にあり
▶紅葉の見頃 11月中旬

02. 赤もいいけど、黄色もね。超絶インスタ映えの穴場ならココ!

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水野秀比古撮影・三栖神社
奥に見えるのが、祭神に天武天皇を祀る本殿。色づいた銀杏の木は、不思議なパワーがもらえそうなほど神々しい。
(写真/水野秀比古)

京都の酒処・伏見の閑静な住宅地の一角にあるお杜(やしろ)・三栖神社 。毎年10月に地元を盛り上げている「炬火祭(たいまつまつり)」が催される神社として知られています。

秋冬の狭間(はざま)の時季になると、境内には大銀杏(おおいちょう)がたっぷりと落葉(らくよう)し、圧巻の“散り黄葉(もみじ)・敷き黄葉”を目の当たりにすることができます。辺り一面、きらきらと眩(まばゆ)いばかりの光景は、現実とは信じられないほどの美しさ。

2年前、某有名テレビ番組で “穴場の紅葉スポット1 位”として紹介され有名になりましたが、まだまだ地元住民の憩いの場としての役割も色濃い、知る人ぞ知るスポットです。“散り、敷き”こそ、黄葉の最も美しい姿。黄金色の絨毯(じゅうたん)を、心ゆくままに、堪能してみませんか。

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【住所】京都市伏見区横大路下三栖城ノ前町83
【電話】075-603-0085
【拝観時間】境内自由
【拝観料】無料
【HP】http://misu.future-support.net

▶ Access 京阪本線「中書島駅」から歩いて約15分
▶お手洗い なし
▶紅葉の見頃 12/10前後

03. 見つけられたらラッキー!地図にも載っていない、ここだけの紅葉。

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水野克比古撮影・嵐山
近くには世界遺産・天龍寺など多くの名所が。観光ついでに、ぜひ立ち寄ってみて。
(写真/水野克比古)

京都を代表する観光地・嵐山。その中でも、渡月橋の北側に広がるエリアは嵯峨野と呼ばれ、かつて平安貴族の別荘地でもあった名残りから、今も趣きのある竹林が点在しています。

この地の秋ならではの風景が、そんな竹の緑と紅葉の鮮やかな共演。人気のスポット「竹林の小径(こみち)」をはじめ、常寂光寺(じょうじゃっこうじ)や野宮神社(ののみやじんじゃ)でも竹と紅葉は見られますが、何気ない路地の一角で、青竹と紅葉のコラボを見つけられたときは、喜びもひとしおです。おすすめは、嵯峨嵐山駅からほど近い路地。小道の脇に竹林が並び、そこに紅葉が寄り添っています。とっておきのポイントですので、ここだけの秘密にしてくださいね。

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【写真の場所】丸太町通の西端にある交差点から、さらに少し西にのびている小道

▶ Access
JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」から歩いて約12分
▶お手洗い なし(嵯峨嵐山駅にあり)
▶紅葉の見頃 11月中旬~下旬

04. 昼と夜で表情を変えるお寺と、紅葉。その秘密は…。

池泉回遊式庭園の紅葉。天授庵がJR 東海の「そうだ京都、行こう。」のCM で脚光を浴びた2013 年も、少し前の話。<br>
近くの南禅寺や永観堂といった定番紅葉スポットに隠れて、穴場の絶景スポットとなっている。<br>(写真/水野秀比古)
池泉回遊式庭園の紅葉。天授庵がJR 東海の「そうだ京都、行こう。」のCM で脚光を浴びた2013 年も、少し前の話。
近くの南禅寺や永観堂といった定番紅葉スポットに隠れて、穴場の絶景スポットとなっている。
(写真/水野秀比古)

南禅寺塔頭(たっちゅう)・天授庵(てんじゅあん)こそ、京都に数あるライトアップの中でも、絵画のような美しさNo.1 ! 期間限定で幽玄(ゆうげん)なライトアップが見られるのが、1339 年(暦応(りゃくおう)2)、 博学で名高かった僧・虎関師錬(こかんしれん)が建立(こんりゅう)した、こちらの天授庵です。幻想的に照らし出されるのは、池の周りを紅葉が彩る池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)庭園。書院(しょいん)から鑑賞できる、赤や黄、木々の緑など、色とりどりの色彩は、まるで芸術。しばし時間を忘れ眺めてしまいます。

境内にあるもう一つの庭であり、本堂から眺められる、白砂と苔が美しい枯山水(かれさんすい)庭園の紅葉のライトアップも必見。ちなみに、昼間と夜間で見学ルートが異なるのも天授庵ならでは(昼は建物内に入れず、おもに庭園散策のみで、夜は庭園には出られず、 おもに建物内からの紅葉鑑賞のみ)。訪れる時間によって、見られる風景が変わります。例年、京都でも見頃を迎えるのが早めという天授庵。見逃してしまわないよう、事前の確認がおすすめです。

編集部編集部のコメント
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【住所】京都市左京区南禅寺福地町86-8
【電話】075-771-0744
【拝観時間】9:00 ~ 16:30
(11/1からの冬季期間中)
※ 11/11午後から12午前中は行事のため拝観休止
【拝観料】大人500円 高校生400円 小中学生300円
【ライトアップ(11/15 ~30)】17:30 ~ 20:45
大人600円 高校生500円 小中学生400円

▶ Access 地下鉄東西線「蹴上駅」から歩いて約7分
▶お手洗い なし(近くに公衆トイレあり)
▶紅葉の見頃 11/10前後~

05. ドライブデートなら、インスタで話題の「〇〇〇窓」があるお寺へ!

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正寿院・ハート窓の写真
話題の“ハート窓”が赤く燃え上がるのは、今だけ!
(写真提供/正寿院)

日本緑茶発祥の地として知られている、京都・宇治田原町。その地で、今、“ハート型”の窓「猪目(いのめ)窓」を目当てにした観光客で賑わっているのが正寿院です。こちらでは“窓越しの紅葉”が最も美しくおすすめ。真っ赤に燃える恋心のような表情をみせる窓を、ぜひ写真に、目に焼きつけに訪れてみては。

ちなみに猪目とは、災いを除き福を招く願いが込められた伝統文様のこと。写真映えするかわいい形はもちろん、縁結びなどのご利益も、人気の理由です。畳にゆったりと座り、旅の疲れを癒せるのもうれしいところ。 天井にある、プロの日本画家たちによる160枚もの絵画がはめ込まれた天井画も、見逃さないようにしてください。

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【住所】京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
【電話】0774-88-3601
【拝観時間】9:00 ~16:00(11月~3月)、9:00 ~ 16:30(4月~ 10月)
【拝観料】500円(お茶、お菓子付)
【HP】http://shoujuin.boo.jp

▶ Access
JR 奈良線「宇治駅」下車→京阪宇治バス「維中前」バス停乗換
→コミュニティバス「奥山田」バス停から歩いて約15分
▶お手洗い 境内にあり
▶紅葉の見頃 11月中旬

06. 九州人ご注目!あの“企て”に使われた場所の紅葉が絶景‼︎

水野秀比古撮影・即宗院
大河ドラマでも見られない。実際に足を運んでほしい、幕末ゆかりの“ツウ紅葉”!
(写真/水野秀比古)

NHK大河ドラマで話題の西郷隆盛ゆかりのお寺、東福寺塔頭・即宗院(そくしゅういん)。薩摩藩島津家の菩提寺(ぼだいじ)で、西郷たちが倒幕計画を練った地とされ、鳥羽伏見の戦いでは、薩摩軍が寺の裏山の頂(いただき)から幕府軍に砲撃したとも伝わり、「東征戦亡之碑(とうせいせんぼうのひ)」が建っています。紅葉や千両(せんりょう)の赤や黄のコントラストが美しい、名勝指定庭園の「月輪殿(つきのわどの)跡」が、秋の期間だけ特別に公開されます。

編集部コメント
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【住所】京都市東山区本町15 丁目813
【電話】075-561-9200
【拝観時間】9:00 ~16:00 特別拝観期間中(11/2~ 12/3 不定休=要問合せ)のみ拝観可能。
【拝観料】200円
【HP】https://jumokusou.jp/sokushuuin

▶ Access
JR 奈良線「東福寺駅」から歩いて約10分
▶お手洗い 本山境内にあり
▶紅葉の見頃 11/17~28頃

07. 幕末ファンに!“志士たちに寄り添う紅葉”、ご存知ですか?

水野克比古撮影・紅葉の金戒光明寺
紅葉が散る静かな境内で、激動の時代に思いを馳せてみては。
(写真/水野克比古)

金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)塔頭・西雲院(さいうんいん)。鳥羽伏見の戦いで、西郷ら新政府軍に対し、旧幕府軍として戦死した会津藩士の眠るお墓がある寺院です。境内には、真っ赤な紅葉と銀杏の黄葉が、戦没者にそっと寄り添うように佇んでいます。歴史に興味のある方は、“幕末”に注目がより集まっている今年こそ、 志士たちの足跡をたどりながら、 紅葉めぐりをしてみませんか。

編集のコメント
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【住所】京都市左京区黒谷町121
【電話】075-771-3175
【拝観時間】9:00 ~16:00
【拝観料】 無料  ※本堂内部、庫裡は非公開。

▶ Access
市バス「岡崎神社前」から歩いて約15分
▶お手洗い 境内にあり
▶紅葉の見頃 11/15~20頃

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見上げるだけではなく、足元も美しい。
そう実感できるのが、紅葉さんぽの醍醐味!

京都の紅葉を巡る特集、いかがでしたか。新たな定番や、これって現実の景色⁉︎ と驚くことまちがいなしの穴場スポットなどなど。自分だけのお気に入り紅葉を見つけるのも、紅葉名所の多い京都ならではの楽しみです。今年の秋は、WEB 版月刊『茶の間』を表示させたスマホを片手に、京都へ出かけてみてはいかがでしょう?

※紹介する全てのスポットの「紅葉の見頃」や色づき具合は、気候条件・災害等の影響により変動します。
※掲載しているものは全て2018年10月時点の情報です。

(イラスト 里井夏野)

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取材・文=玉井雄大
たまいゆうた●月刊『茶の間」編集部員。滋賀県出身。自然や映画、銭湯、禅、詩、酒など“本質を語れるものごと”好き。茶道もその一環ですが、第一子誕生によりお休み中。今は流派にとらわれず、お家でセルフ抹茶を楽しみます。