おうち時間を豊かに。お茶から広がる華麗なフラワーアレンジの世界

日々の暮らしを豊かにしてくれる、お茶とお花。私たちのつかれた心にそっと寄り添い、癒しを与えてくれます。今回は、5種の日本茶からイメージしたフラワーアレンジをご紹介。フラワーデザイナー・津田直子さんのイメージが広がる世界をご覧ください。

お茶と花

フラワーデザイナー・津田直子さんがお茶のイメージを フラワーアレンジで表現!

フラワーデザイナー・津田直子

京都で出張フラワーアレンジ教室を主宰する津田直子さん。

「日本のお店や家が花や植物で溢れること」を目指して、飲食店やイベント、ブライダルなどの装花の制作・販売など、花に関するあらゆる活動を行なっています。

「花を好きな気持ち」を大切に、フラワーアレンジの楽しさを伝える津田さんに、今回、深蒸し茶、若蒸し茶、玉露、玄米茶、ほうじ茶をテーマにフラワーアレンジをしていただきました。

昼下がりに、庭から摘んできたお花を束ねて… 若蒸し茶を「ナチュラルステムブーケ」に

ナチュラルステムブーケ
・ユウギリソウ ・ミニバラ ・マトリカリア(白・黄)  ・レースフラワー ・アルストロメリア・ヒペリカム  ・宿根スイートピー ・エリンジウム ・テンモンソウ
・ユウギリソウ ・ミニバラ ・マトリカリア(白・黄) ・レースフラワー ・アルストロメリア・ヒペリカム ・宿根スイートピー ・エリンジウム ・テンモンソウ

爽やかな香りを楽しめる若蒸し茶からイメージしたのは、摘みたての花束。うららかな昼下がりに、お庭から草花をさっと摘んできて、そのまま活けたようなアレンジをしました。

ナチュラルステムブーケとは、自然の茎をらせん状に束ねたブーケのこと。花器がなくても自立することが特長です。緑・白・黄を基調としたカラーは、ナチュラル感たっぷり。ひょっこり飛び出た宿根(しゅっこん)スイートピーもご愛嬌。自然の造形を愛でながら、さっぱりとした若蒸し茶で、昼下がりのティータイムを楽しんでみてはいかがでしょう。

輝くフラワーアートを添えて、お客様をおもてなし。 深蒸し茶を「フリーセント」に

フリーセント
・ピンポンマム ・ミニコチョウラン ・シンピジウム・アジサイ ・トルコキキョウ ・ユウギリソウ・トサミズキ ・クリスタルアートリウム
・ピンポンマム ・ミニコチョウラン ・シンピジウム・アジサイ ・トルコキキョウ ・ユウギリソウ・トサミズキ ・クリスタルアートリウム

健康成分たっぷりで旨みの濃い深蒸し茶は客人をもてなす際に重宝します。イメージしたのは、コチョウラン。おもてなしにふさわしい花を、フリーセントスタイルで活けました。

フリーセントとは、「流れる」という意味。水の流れのように繊細な花々が涼を感じさせます。手前に置いてあるのは、キラキラと輝く「クリスタルアートリウム」。最新のフラワーアートを添えれば客人との会話も弾むはず。きらびやかなフラワーアレンジとふくよかな深蒸し茶で、最高のおもてなし空間を演出しましょう。

お祝いのブーケを、ハレの日のお茶時間に。 玉露を「ボールブーケ」に

ボールブーケ
・スプレーマム ・テンモンソウ ・マトリカリア ・キウイの蔦
・スプレーマム ・テンモンソウ ・マトリカリア ・キウイの蔦

高級な玉露は、特別な日に飲みたいお茶。玉のような露には、力強い甘みがぎゅっと凝縮されています。そんな玉露をイメージして、三種のスプレーマムでボールブーケに仕立てました。

くす玉などを始め、球はお祝い事に使われる形。ボールブーケの「形」とキウイの蔦(つた)の「線」で「フォーマルリニアール」というデザインにしました。対照的なラインで花の形と線を互いに強調しています。また、生きた花と枯れた蔦など、対照的な素材を合せることで、非日常感がさらに高まります。とろりとした玉露とハレの日のフラワーアレンジで、人生の節目の日をお迎えください。

夏に元気をもたらすビタミンカラー。 玄米茶を「サマーリース」に

サマーリース
・ヒマワリ ・ミニバラ ・ベニバナ ・スプレーマム・ヒペリカム ・タニワタリ ・マトリカリア
・ヒマワリ ・ミニバラ ・ベニバナ ・スプレーマム・ヒペリカム ・タニワタリ ・マトリカリア

炒り玄米やもち米がブレンドされた玄米茶は、子どもからお年寄りまで飲みやすい日常のお茶です。夏休みにお子さんと遊ぶ合間にも、がぶがぶ飲めるイメージがあります。

そんな夏の日常を、ビタミンカラーのサマーリースで表現しました。リース状のオアシスに、ヒマワリやスプレーマム、ベニバナなど、黄色やオレンジ色の花を選んで、彩りよくアレンジ。周りにはタニワタリをあしらいました。見ているだけで元気になれそうなサマーリースと香ばしい玄米茶があれば、お子さんの夏のひとときが、さらに楽しくなりそうです。

おやすみ前のリラックスタイムに、さらなる癒しを。 ほうじ茶を「クレッセント」に

クレッセント
・バラ ・カラー ・トルコギキョウ ・ヒペリカム ・アジサイ ・エリンジウム ・ダスティーミラー ・ラン
・バラ ・カラー ・トルコギキョウ ・ヒペリカム ・アジサイ ・エリンジウム ・ダスティーミラー ・ラン

茶葉に熱を加えた、カフェインなどの成分が少なめのほうじ茶。香ばしい香りと刺激が少なめのやさしい風味は、寝る前のリラックスタイムに飲みたいお茶です。そこからイメージしたのは、高さが低めでベットの横に置いておきたいクレッセント。

クレッセントとは英語で「三日月」を意味するフラワーアレンジの基本の形で、三日月のように両先端が細くカーブを描いたスタイル。お盆のような丸い形の上に活けると美しくまとまります。鎮静効果のあるブルーやパープルなど、トーンを落とした色味を選びました。お月様のような花とやさしいほうじ茶が、上質な睡眠へと誘います。

終わりに・・・

お茶の特徴や飲むシーンから津田さんがイメージした美しいフラワーアレンジの数々に、見ているだけで癒されるようですね。

お家にいる時間が増えた今こそ、フラワーアレンジに挑戦してはいかがでしょう?

ぜひお茶も添えて、素敵な時間を楽しんでくださいね。

 

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(写真/福尾行洋)

取材・文=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。学生時代は剣道に打ち込み、京都に住み始めてから茶道と着付けを習い始める。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。