「病はギフト」人気カウンセラーが語る自然治癒力を引き出す考え方

パーソナル医療コーディネーターとして25千件以上のカウンセリングに携わった、おのころ心平さんは「病気は神様から与えられたギフト」かもしれないと言います。がん、脳梗塞、糖尿病、難病を不治の病に立ち向かうだけではなく、受け入れることで、人生や家族の大切なことに気づき、自分らしく幸せになれるという考え方もあります。おのころ心平さんに、「病はギフト」という生き方を語っていただきました。

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「たばこをやめればいい」

なぜそれができないのか、真剣に考えたことありますか?

 僕はずっとココロとカラダのつながりについて関心があり、大学卒業後はカウンセリングの仕事に携わっています。国際的にも有名な心理療法の先生に弟子入りし、整体、鍼灸、医療、エネルギーヒーリングなどさまざまなことを学びました。

今、僕がやっているのは、病気にかかった人の治りやすいカラダづくりを手伝うこと。生活習慣などを聞いて病気の原因を探って生活改善プログラムをつくったり、その人に合ったお医者さんを見つけるなど、パーソナルな医療コーディネートをしてきました。
クライアントと一緒に病院へ行くのもそのひとつ。お医者さんとの相性はすごく大事なんです。
「病院って怖い」と思われがちですが、こちらが病気のことを適切に勉強して質問すると、お医者さんは丁寧に答えてくれますし、お医者さんが言うとかなりシビアになってしまうようなことも、僕からならクライアントさんにやわらかく伝えることができます。
お医者さんと仲良くなって、よりよい医療ネットワークをつくっています。

もうひとつ大事なことは、その人がどうして病気になってしまったのか考えること。例えば、「たばこをやめましょう」なんていうのは昔から言われていて、わかっているけどやめられないんです。
だからなんでやめられないのかを考えるのが僕らの仕事です。クライアントからは、生活の一挙一動を細かく聞いて、どうしてそうするのか、なぜそう考えるのかを突き詰めていきます。そこから、その人の生活習慣、考え方、潜在意識を知り、本当の原因を見つけるんです。
喫煙、食習慣だけでなく、歩き方、呼吸の方法など、生活習慣がその人のカラダをつくっていますから。

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家族に会いたいからがんになる?

潜在意識の欲求が、病気として現れてしまうことも!

行動の習慣だけでなく、心にも習慣があります。
何々を見たらイラッとするとか、いつもせかせかしているとか。そういう無意識の行動や感情、生活にちりばめられた潜在意識が積み重なって、結果として病気の一因となってしまうことも多いんです。

僕がカウンセリングした方に、肺がんの男性がいました。建築会社の社長さんで、社会的にはすごく成功された方でした。最初は「ちっともよくならないじゃないか!」とイライラばっかりでしたが、話しているうちに、どうもこの方の真の心はさみしさなのではないかと気づきました。

東洋医学では、内臓や感情を五つに分類する五行説という考え方があります。五行説では、肺は「悲」の感情とつながっていると考えられ、さみしさや悲しみによって肺が病むといわれるんです。
この方には、息子さん二人と娘さんがいるのですが、「息子たちは家を出て行ってから、会いに来ない」といつもこぼしていました。ワンマン経営で人の話を聞かない性格だったため、息子さんたちから敬遠されていると。わかっていてもそれをどうすることもできない。
そのとき僕は、潜在意識の欲求病気になれば息子たちが見舞いに来てくれるのではないかという思いが、この方のカラダにそれ相応にきびしい状態をつくってしまったのではないかと推察しました。
その方は幸いにも、亡くなる前に息子さんたちと会うことができました。この方の葬儀でたくさんの人に見送られる姿を見て、最後は満足のいく旅立ちだったのだと、奥さんがおっしゃっていたことを今も覚えています。財界のお偉方もいましたが、一番大事な家族に揃って見送ってもらったのですから。

がんになりたいと思う人なんていません。なのに、なぜがんになってしまうのか。掘り下げると、自分のからだを犠牲にしてまで守りたいことがあるのかもしれません。
そう思うと僕は病気を簡単にジャッジできなくなりました。いい悪いでいったら「悪い」ことなんですけど、その人なりの病気にならざるを得ない理由があることにも、ちゃんと思いを向けなければいけない。本当は病気になる前になんとかできればいいんですけど、自分の気持ちや感情を正確に知るというのって難しいですね。

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「治る」だけがゴールじゃない!

病気をきっかけに、豊かな人生を送る方もいます

クライアントの病気が治りやすいようにお手伝いをしていると言いましたが、僕は必ずしも「治る」ことをゴールにしていません。大切なのは、自分の病気を受け入れること。どうしてそうなったのか、自分の行動や感情がどんな現実を招いたのか。それに気づき、受け入れると、人生に幅が広がることが多いんです。
病気はギフトだと僕は考えています。病気をきっかけに、大切なものを見つけたり、家族関係がよくなるケースも多いです。
僕が知っている患者さんに「病棟の天使」と言われている人がいるんです。この方の病気は難病指定なんですが、ストレスのたまった看護師さんやお医者さんが人生相談に行くぐらい、人の話をきいてくれて、すごく素敵な人なんです。
その方を見ていると、病気を言い訳にしてる場合じゃないな~と思うんです。「私は腰も痛いし、膝も痛いけど、それでも何かできることがある?」って言えるとやっぱり素敵ですよね。

病気を受け入れ、自分のものにした人は、自ずと病気を治していくシナリオが見えてくることが多いんです。これは科学的ではないかもしれませんが、自分の病気を受け入れた人は、タイミングよくいい治療法の情報が入ってきたり、いい先生に出会ったりと、いろんなことがパズルのようにはまっていくことが多いんです。
やっぱり最後は人間性。自分の病気を受け入れ、その病気とどう向き合い、どう生きるのか。病気をネガティブなものとして敬遠するばかりでなく、ギフトだと思って、人生をみつめ直すきっかけにしていく方法もあるということですね。

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カウンセラー
おのころ心平さん

過去20年間にわたりカウンセラーとして活躍。呼吸法、ボディワーク、心理療法、生活習慣病予防指導において、各種資格を取得。エネルギー療法、イメージワーク療法にも通じ、数々のセミナー、指導を行なう。主宰する「自然治癒力学校」は、東京、大阪、名古屋、福岡、仙台など全国各地で教室を展開中。『病気は才能』『最強のココロ整理術 ibマッピング』など著書多数。

病気を患ってしまっても、自分らしい人生を送ることができるとおのころ心平さんは言います。
病気をポジティブに捉えて、改めて自分のことを知る。そこから、新しいものが見えてくるのかもしれません。

(インタビュー写真 平谷舞)

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取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。