京都恐るべし!1200年前、遣唐使の菓子を今も540円で販売中。

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これが歴史ロマンを秘めた菓子
『清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)』だ!

な、なんだこれは!
一目見たときに巾着袋のようなフォルムのかわいらしさに
つい目を奪われてしまったのがこちら。
千年の都・京都には、老舗菓子店も多く、歴史ある菓子の宝庫ですが、そんななかでも群を抜いてすごい菓子を発見!
お店の人に話を聞くと、なんと、菓子の起源らしいのです。
唐果物と呼ばれ、奈良朝の頃、遣唐使が仏教とともに日本に持ち込んだものなのだとか。
当時は天台宗や真言宗などの密教のお供え物で、一般庶民は口にすることができず、貴族のみに与えられた貴重なものだったそう。
その唐菓子の一種「団喜(だんき)」を今に伝えるのが、元和3年創業の京御菓子司・亀屋清永の「清浄歓喜団」です。
そんな貴重な菓子が残っているなんて、さすが悠久の歴史を持つ京都…!
なんて感心したところで、やっぱり気になるのがその味わいです。

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1個540円、なんだかんだでちょっとお高いので、2個入を購入。
なんだか身が引き締まるような、気品あふれる箱に入っています。
開けてみると、一つずつ大切に個包装され、丁寧な説明書も入っていました。

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1200年の時を経て、私の手に!
すでにごま油のいい香り…
揚げ饅頭みたいなかんじかな?と思いきや、
ぎゅっと押してみてもびくともしない!
せんべいのように硬いのです。

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もったいないけど、割ってみることに!
あんのようなものがぎっしりと詰まっています。

ちょっと口に含むと、おやややや…
神秘的な香りがふわりと広がって…。
そのあと、しっかりと甘みも感じることができます。
今まで食べたことのないエキゾチックな味わいに
ちょっとびっくり!

聞くと、白檀、桂皮、竜脳など、仏教でいう「清め」の意味を持つ7種のお香をこし餡に練り込み、米粉と小麦粉でつくった生地で包み、純正の胡麻油で香ばしく揚げているのだとか。
こんなすごい菓子、一生に一度は食べないと損でしょ、損!

1200年も昔に、遠く唐から渡ってきた菓子は、人々の憧れだったはず…。
歴史ロマンを秘めた伝統的な菓子をお茶のおともにぜひいただいてみては。

ありがたや、ありがたや

(写真 岡森大輔・平谷舞)

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京御菓子司 亀屋清永

【住所】京都市東山区祇園石段下南
【電話】075-561-2181
【営業時間】8:30〜17:00
【定休日】水曜(その他、不定休あり)
【HP】http://www.kameyakiyonaga.co.jp

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取材・文=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。