京都の老舗和菓子店が教える、自宅で簡単!おいしい和菓子レシピ5選

自宅で簡単なのに本格的な和菓子を手づくりしてみませんか? 京都の老舗和菓子店の4代目・太田雄一郎さんに深蒸し茶や玉露など急須で淹れたお茶に合う和菓子・フルーツ大福やどらやき、わらび餅などのレシピを教えてもらいました。プロ直伝の自作の和菓子で、お茶時間を楽しんでみてください。

京都の老舗和菓子店の4代目・太田雄一郎さん

●教えてくれた人
御菓子司 かぎ甚 太田雄一郎さん
京都市東山区祇園に店を構える創業約100年の老舗和菓子店「御菓子司 かぎ甚」の4代目。お茶席やお稽古などの和菓子を提供するほか、出張和菓子教室も開催。

京都市東山区大和大路通り四条下る小松町140 ☎075-561-4180
8:00~17:00 水曜休 http://kagijin.jp

【深蒸し茶×水ようかん】
お茶の濃い味わいとさっぱりとした甘さが好相性!

深蒸し茶×水ようかん

【材料】(3〜4人分)
粉寒天・・・・・・・・・・・・・・・・・2.5g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・250ml
こしあん・・・・・・・・・・・・・・・250g
上白糖・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1.5〜2.5
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々

【作り方】
❶ 手鍋に粉寒天を水に30分ほど浸けておく。その後中火にかけて溶かす。
❷ ①に上白糖を加えて溶かし、約3分ほど煮詰める。
❸ 火を止めて、こしあんを漉し器で漉しながら鍋に加える。塩を少々加える。
❹ 大きめのボウルに氷水を用意し、③の手鍋のあら熱を取る。
❺ あら熱が取れたら、バットなどの流し型に流し、冷蔵庫で冷やす。好みの大きさに切り、器に盛る。

生地にとろみがついてくるまで、混ぜながら冷やす。(❹)

【若蒸し茶×フルーツ大福】
もちもち食感♡若蒸し茶の爽やかな香りが最適

若蒸し茶×フルーツ大福

【材料】(10個分)
餅粉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50g
白玉粉・・・・・・・・・・・・・・・・・50g
上白糖・・・・・・・・・・・・・・・・・90g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110cc
片栗粉・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
餡 (こし餡・粒あん・白こし餡など)・・・・・・適量
フルーツ (いちご、もも、パイナップルなど)・・・適量

【作り方】
❶ 漉し器があれば、餅粉を最初に漉す。
❷ 白玉粉に水を少しずつ入れて混ぜる。ダマにならないように注意。水は1/3ほど残しておく。
❸ ②に漉した餅粉と上白糖を入れて混ぜる。残りの水もすべて入れる。
❹ ③を蒸し器にいれ、強火で約40分蒸す。
❺ 一度火を止め、④のあら熱を取る。少し混ぜて、再び蒸し器で15〜20分蒸す。
❻ 好きなフルーツをお好みの餡で包み、丸めておく。

アレンジ

豆大福をつくる場合、赤えんどう豆などを茹でて、⑤の餅にまぶしておく。こし餡などを丸めておく。
❼蒸しあがった餅を、片栗粉をしいたまな板にのせ、一口大に切る。
❽準備しておいた餡を餅で包む。※餅がひっつかないように、手は少し濡らして片栗粉をたっぷりつけておく。

蒸し器がない場合、深めの鍋に深皿をひっくり返して置き、お湯を皿の高さの半分まで注ぐ。皿の上に小さいボウル等を入れ、蓋を少し開けた状態で火にかけると、簡易蒸し器になる。(❹)

【ほうじ茶×わらび餅】
ほうじ茶ときなこ、2つの香りを楽しむとろける組合せ

ほうじ茶×わらび餅

【材料】(3~4人分)
わらび粉・・・・・・・・・・・・・・・40g
白ザラ糖(上白糖)・・・・・60g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・130cc
きなこ・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
黒蜜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量

【作り方】
❶ わらび粉を少量ずつ水で溶きながら混ぜる。水は半分位残しておく。
❷ お湯を適量沸かす(分量外)。沸かしている間に、白ザラ糖を手鍋に入れ、①で残しておいた水を入れて火にかけ、溶かす。
❸ ①に②の溶かした砂糖を入れて混ぜる。
❹ 漉し器があれば、③を一度漉す(茶漉しでもOK)。
❺ 容器の重さとは別に、230gになるように、②で沸かしておいた湯を④に足す。
❻ ⑤を弱火で火にかけ、粘りが出てくるまで混ぜる。
❼ 大きめの皿にきなこを敷き、その上にわらび餅を流して、さらにきなこをまぶす。10分ほど冷まして、好みの大きさに切り分け、黒蜜をかける。

アレンジ

こし餡を⑦で包めば、本格的なわらび餅に。

とろとろに仕上げたい場合は、さらにお湯を足して250gにする。再びお湯がなじむまで混ぜる。(❻)

【玉露×どらやき】
玉露とつぶあんの2つの甘みが口福の組合せ

玉露×どらやき

【材料】(約10個分)
卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150g(Mサイズ3個)
上白糖・・・・・・・・・・・・・・・・・150g
重曹・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2g(小さじ1/2弱)
はちみつ・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
薄力粉・・・・・・・・・・・・・・・・・190g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・95cc
みりん・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
植物油・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
つぶあん・・・・・・・・・・・・・・・適量

【作り方】
❶ 卵をボウルに割り入れ、卵のこしが切れる程度に混ぜる。
❷ 上白糖を漉し器でふるい入れ、溶けるまで混ぜる。
❸ はちみつ(しっとり長持ちさせたい場合は水飴)、みりんを入れる。重曹を少量の水で溶き入れる。
❹ 薄力粉をふるい入れ、さっくりと混ぜる。
❺ 水を2回に分けて混ぜる。約1時間ほど生地を寝かせる。※混ぜすぎると小麦粉の粘りが出るので注意。
❻ フライパンかホットプレートに植物油を薄くひく。最初は強火で火にかけ、温まったら弱火にする。
❼ おたま7~8分目の生地をすくって焼く。生地をたらして直径約10cmくらいの大きさにする。
❽ 火加減を弱火~中火に調整しながら、表面に細かい泡が出てきたら、裏面の焼色を確認する。
❾ 黄金色に焼けたら、ひっくり返す。こちらは焼きすぎないよう注意。
焼き上がったら、つぶあんをはさむ。
※つぶあんは、砂糖水(蜜)を足して、少し緩めにすると口当たりがよくなる。
※はちみつを使うため、乳児に与えないように注意。

生地は静かにたらすだけで自然な円状になる。ホットケーキの要領で焼けばOK。(❼)

【玄米茶×フルーツあんみつ】
玄米茶のさっぱりさにあんみつの甘さが引き立てる!

玄米茶×フルーツあんみつ

【材料】(2~3人分)
粉寒天・・・・・・・・・・・・・・・・・2g
上白糖・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1
白玉粉・・・・・・・・・・・・・・・・・30g
水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・300cc
つぶあん・・・・・・・・・・・・・・・適量
黒蜜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・適量
フルーツ・・・・・・・・・・・・・・・適量

【作り方】

寒天をつくる

❶粉寒天を水に30分浸けておく。火にかけて沸騰させ、粉寒天を溶かす。さらに上白糖を加えて溶かす。
❷①をバットに流して固める。固まったら冷蔵庫に冷やしておく。
❸冷やした寒天を好みの大きさに切る。

白玉団子をつくる

❹白玉粉に水(分量外)を少量ずつ加えながら、手で練り込む。耳たぶくらいの固さになるまで、水を加えて寝かせる。
❺④をピンポン玉くらいのサイズに分けて丸める。
❻沸騰したお湯(分量外)に⑤を入れて茹でる。お湯の表面に浮いてきたら、すくって氷水で冷やす。

盛り付ける

❼カットしたフルーツ、つぶあん、寒天、白玉
団子を盛り付ける。好みで黒蜜をかける。

とろとろに仕上げたい場合は、さらにお湯を足して250gにする。再びお湯がなじむまで混ぜる。(❻)

日本茶と手づくり和菓子で楽しむ癒しのおうち時間を

おうちで過ごす時間が増えた今だからこそ、ご自宅で簡単につくれる和菓子5つのレシピを、京都の老舗和菓子店の4代目・太田さんに教えてもらいました。水ようかんやフルーツあんみつなど、どれもおいしくて見た目にも楽しいものばかりです。それぞれにぴったりの組合せの日本茶と一緒に食べればおいしさが倍増。おうち時間が増えている今だからこそ、じっくりつくれる和菓子で楽しいお茶時間をお過ごしください。

取材・文=大村沙耶
おおむらさや●月刊『茶の間」編集部員。福岡県北九州市出身。学生時代は剣道に打ち込み、京都に住み始めてから茶道と着付けを習い始める。ミーハーだけど、伝統文化と自然を愛する超ポジティブ人間。