好きな人とドライブ♥ 恋がきっとうまくいくハート窓のお寺へGO!

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里山の原風景に佇む古寺・正寿院

京都府の南東部に位置する宇治田原町を訪れるには車が一番。好きな人とのドライブデートで必ず訪れたいおすすめのスポットをご紹介。今まで以上に好きな人との距離が縮まるかも。

宇治田原町の中心部からトンネルを二つ超えた先にある奥山田(おくだやま)。宇治田原町で最も里山の原風景が広がるこの地域に、約八百年の歴史を誇る正寿院は静かにたたずんでいます。本尊の十一面観音は五十年に一度しか開帳されない秘仏で、次の開帳は二〇四〇年になるのだそうです。

この正寿院に二〇一五年九月に完成したのが「則天(そくてん)の間」と呼ばれる客殿です。荘厳な雰囲気が漂う障子を開けると、愛らしいハート形の窓が目に飛び込んできます。

好きな人との幸せを招くハート形の「猪目窓」

「このハート形は“猪目(いのめ)”といって、約一四〇〇年前からある日本の伝統文様の一つなんです。災いを除き、福を招くという意味が込められており、お寺などの建築装飾として、いたるところに使用されています。当院でもこの猪目窓の他にも、本堂の釘隠しなどにも使われているんですよ」と話すのは、副住職の久野村大寛(くのむらだいかん)さんです。

伝統的な意匠でありながら、誰もが一目見ただけで心奪われる猪目窓。「インスタグラム」での投稿をきっかけに一躍話題が広がり、若い女性を中心に多くの人が訪れるようになったといいます。ではなぜこの窓をつくるに至ったのでしょうか。

「この辺りはとても自然豊かな場所で、川のせせらぎや鳥のさえずりが聞こえ、心地よい風が吹きわたります。畳の上で寝転がって、五感で素晴らしい自然を感じてもらえるような客殿をつくりたいとずっと考えていました。ただその客殿に神仏が祀られていると、気を遣ってしまってなかなか寝転がることはできません。かといって、神仏を祀っておらず、もし火災などが起きてしまった場合、『神仏を祀っていなかったからだ…』と後悔してしまうと悩んでいたんです。そんなとき、宮大工から猪目を生かしてみてはと教えてもらったんです。宇治田原町の地形がハートの形をしていることにも縁を感じましたね」

春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色。猪目窓越しに見える四季折々さまざまな景色を楽しみながら、お茶会を催すこともあるのだとか。ハート形はただ可愛いだけではなく、建物を守る大切な意味があったのです。

寝転がってみると驚きの光景が!

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「どうぞ寝転がってみてください」久野村さんにそう言われ、寝転がってみると、天井を埋めつくす鮮やかな天井画が。全百六十枚の大迫力のパノラマに、思わず感嘆の声がもれてしまいます。

「“花”と“日本を感じる風景”をテーマに、約百名の日本画家の先生に描いていただきました。作者の年齢は二十代〜七十代と幅広く、一枚一枚を見るとそれぞれに個性がありますが、百六十枚の集合体として見ても、隣り合う絵同士が生かしあっていて、大きな一枚のカラフルな絵として見ることもできます。これは真言宗の曼荼羅の教えを意識したものです」

自然に身を委ね、ゴロンと寝転がって天井画を眺めていると、時が経つのも忘れてしまうほど。これほど贅沢なひとときはありません。

月3日限定の授与。願いが叶う縁起物!

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また正寿院では、毎月8日、18日、28日にだけ授与されるものがあります。それが叶紐。表の結び目が示す「口」と裏の結び目が示す「十」で「叶」なることから、願いが叶う縁起物として親しまれてきました。お守り代わりに持って帰ってもよし、境内の地蔵堂に願いを込めて結びつけてもOKです。

幸せを呼ぶハートの窓に圧巻の天井画、そして願いが叶う縁起のよい叶紐。正寿院を訪れたのなら、好きな人との仲がいっそう深まること間違いなし! 今度の休みは正寿院で好きな人のハートを射抜いてみてはいかが。

正寿院

【住所】京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
【電話】0774-88-3601
【拝観時間】9:00〜16:30(4月〜10月)
      9:00〜16:00(11月〜3月)
【拝観料】大人600円 小学生300円

 

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取材・文=前田尚規
まえだなおき●月刊『茶の間」編集部員。3児の父。編集部内でのお茶博士(決して日本茶インストラクターではない)。その薄い知識をひけらかし、ブイブイ言わしているとかいないとか。休日に子どもたちと戯れるのが唯一の楽しみ。