ご存じでしたか? 日本の緑茶は、京都・宇治田原町で生まれました。

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今でこそ当たり前のように飲まれている緑茶。奈良・平安時代に中国から伝来し、鎌倉時代から各地で栽培が広がったといわれています。江戸時代中頃までは茶葉を煎じただけの、文字通り赤黒い茶色の粗末なものでした。それを、新芽そのものの緑鮮やかな緑茶にしたのが、京都・宇治田原の茶農家だった永谷宗円(ながたに・そうえん)です。

永谷宗円
永谷宗円(1681〜1778/享年98歳)

茶葉に熱を加え、水分を飛ばしながら手でていねいに揉み込む画期的な「青製煎茶(あおせいせんちゃ)」製法を、15年の歳月をかけて編み出した永谷宗円。
元文3年(1738年)、現在の緑茶が誕生しました。その優れた色・味・香りは評判を呼び、全国に広まります。そして当時の主流であった煎じ茶や抹茶とは異なる、急須に茶葉を入れて注ぐ、今の緑茶の淹れ方が定着していきます。そんな永谷宗円の出身地である宇治田原町。人口1万人の町で、約100世帯が茶づくりに従事しています。この町で、昭和元年(1926年)に創業したのが宇治田原製茶場です。

宇治田原町にある永谷宗円生家。宇治田原町のシンボルとして親しまれています。
宇治田原町にある永谷宗円生家。宇治田原町のシンボルとして親しまれています。