あなたの風邪予防は効果的?医師が薦める冬を乗りきる6の健康法

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「健康のために○○をしないと」ばかりはNG

幼い頃に「馬鹿は風邪を引かない」なんて、からかいの言葉を聞いたことがありませんか?
実はこの言葉、見方を変えると「あれこれ余計なことにとらわれず、からだが欲するままに生活していれば、風邪なんか引かない」という養生の極意とも考えられます。
健康を保つために、〇〇を毎日食べないと、△△を何時間やらないと、あれもこれもと、〝頭〟で考えて管理しようとすると、〝気持ち〟や〝からだ〟が置き去りにされてしまいます。
しかし、気持ちを無視して無理を続けると「気」が滞り、体調は崩れがちに。一度、からだの欲することに耳を傾け、その声を素直に実行してみませんか。からだのバランスが取れて、気持ちにゆとりが生まれれば、明るく健やかな日々が過ごせるはずです。
お医者さんに聞いた、からだがよろこぶ冬におすすめの方法、ぜひお試しあれ!

 

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その1 のどが渇かなくても、水分補給をしっかりと!

寒い季節は、乾燥に悩む方も多いのではないでしょうか? 外の空気はもちろん、室内の空気は暖房の使用によりさらに乾燥してしまいます。そのため、冬でも水分補給は欠かせません。適度に水分を補給し、からだに潤いを持たせておくことが大切です。
日本茶にはカテキンやカフェイン、テアニン、ビタミンC、フッ素、ミネラルなどのさまざまな成分が含まれるので、お茶の種類を効果的に使い分けながら、日々の暮らしに取り入れていきたいところです。
特にほうじ茶などの熱を加えて加工されているものは、からだが冷えにくいのでおすすめ。
寒さなどの冬のダメージで体調を崩し、寝込んだときなどには、お茶を薄めに淹れておき、のどが渇く度にこまめにいただくと、水分補給とともに、さまざまな成分が体の力を応援してくれることが期待できます。うがいの水をお茶にするというのもおすすめです。

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その2 厚着をすればいいわけじゃない!

薄着はNGですが、ただやみくもに厚着をすればいいというものでもありません。からだと服の間に空気の層をつくり、その層で全身を覆う感覚が大事です。
ポイントは、空気の逃げ場をつくらないこと。どんなに厚着をしても、温かい空気が逃げ、冷たい空気が入ってくると寒いままです。首元や袖口などをしっかり塞ぎ、空気の層で熱をキープしましょう。
また、特にからだの中心部分をしっかり温めましょう。首、お腹周り、脇の下が大事。首元はマフラーやタートルネック、お腹は腹巻などがおすすめです。
カイロを使うなら、足元がおすすめ。足は心臓から遠いところにあり、冷えやすいので、しっかり温めます。熱は下から上へ移動する性質があるため、からだの一番下になる足元を温めることで、全身が温まります。足を温め、熱をからだ中にめぐらせましょう。

その3 ちゃんと運動しないと…と思ってませんか?

特別な運動でなくても、普段の動作を意識するだけでも違ってきます。家事でも「〇〇の筋肉を使ってるな」と考えると、からだは「気」をつくります。
家事で行なう、移動、腕の上げ下げ、重いものの持ち運びなどちょっとのことでも意識してみましょう。

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その4 しっかり栄養補給。野菜は「旬」にも注目!

旬の野菜は栄養価が高く、その時期にからだがほしがっている栄養をたっぷりと蓄えています。
冬においしくなる野菜は、サトイモ、ヤマイモ、サツマイモやニンジンなど。からだの熱をつくりだしてくれ、水分が少なく、ビタミンC、Eや鉄などのミネラルを多く含みます。
煮物など、熱を加えて調理することが多いので、さらにからだを温めてくれるはず。
逆に、夏に旬を迎えるナスやトマト、バナナなどはからだを冷やしてしまうため、控えた方がいいでしょう。
ただし、食べてはいけないというのではなく、「食べ過ぎはよくない」という程度の認識で大丈夫です。
また、からだが弱っているときに無理をして栄養をたくさん摂ろうとするのは逆効果です。食欲がないときに無理して食べるのはからだをいじめることになってしまいます。

その5 「気」を内向きから、外向きに変えてみよう!

クヨクヨしたり、恨みつらみを考えたり、マイナス思考でいると、外へ向かうべき「気」が内側に向いてしまいます。
そんなときは、楽しかったことを思い出したり、普段から、ご飯を食べたら「おいしい」、目覚めがよかったら「爽快な気分」など、ポジティブな気持ちを確認してみてください。
真似でもいいので、笑ってみるのも効果的です。表情や声など、固まっているものを動かし、外に発散することができます。
笑う動作は小さな動きですが、呼吸に関わる動きは特に「気」にいいとされています。
鏡を見て口角をあげるだけでもいいのですが、落語やコメディー映画、バラエティー番組など、楽しい、面白いものを見て思いっきり声を出して笑ってみてください。

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その6 眠れない…と心配しなくても大丈夫

つかれるとからだの「気」は、どんどんなくなってしまいます。そんな消耗してしまった「気」を回復させるのが睡眠です。
目安として一日の三分の一の睡眠時間をとるようにとも言われますが、それよりも大切なのは、夜に眠ること。寝つきが悪いという方も、横になってからだを休めることが大切です。明かりを暗くして横になり、まどろんでいるだけでもからだは休まり、抵抗力や免疫力を回復することができます。
巣ごもり気分でしっかりと横になって、一日のつかれをリセット。明日も軽やかに起きて、冬に負けない毎日を送りましょう!

監修/仙頭正四郎

医師。漢方専門治療を提供してきた仙頭クリニック院長。平成2年に開業し、一時移転、閉院を経て平成30年に東京都文京区本郷に再開。閉院中は、高雄病院京都駅前診療所所長を務める。東洋医学に通じ、中医学的な発想を活かして一人ひとりに適した治療法を提案する。

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取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。