サイズ、素材、網。実は考え抜かれた急須の楽しさ、知ってますか?

おいしいお茶を淹れるのに欠かせない急須。どれも同じに見えると思っても、ちょっとした形の違い一つとっても、さまざまな茶種に合せて考え抜かれているのです。サイズやデザインの違いを知って、自分に合った急須を見つけて、おいしいお茶を楽しんでください。

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お茶の味だけじゃない! こだわりの急須がもたらすものは……

「家事が一段落ついたから、お茶でも一杯飲もうか」「好きな番組をゆっくり観たいから、おともにお茶を用意しよう」。そんなふうに、最近では、おうちにいる時間が長くなり、お茶を飲む機会も増えたという方も多いのではないでしょうか? そんな毎日のお茶をより楽しむために、注目してほしいのが急須です。

おいしいお茶を飲むためには、急須で淹れるのが一番です。一言で急須と言っても、形や素材、大きさや網の種類、さらにはデザインなどいろいろなものがあります。急須の種類によって、向いている茶種や使えるシチュエーションはさまざまです。そんな急須を知って、お茶時間をより充実させましょう。

急須でお茶を丁寧に淹れるひとときは、暮らしのなかに「ゆとり」や「癒やし」「思いやりの心」をもたらしてくれます。寒くなるこれからの時期は、温かいお茶がよりおいしく感じられる季節。お気に入りの急須を用意して、すてきなお茶時間を過ごしましょう。

一言で急須といっても種類はさまざま! まずは急須の種類を知ろう。

急須は持ち手の位置で4種類に分けられます。淹れるお茶の種類によって最適なかたちに進化していくなかで、

持ち手が変わるのがなんだか不思議ですね。

横手型急須
上手型急須
後手型急須
宝瓶

あなたにぴったりの急須選び方は? 注目ポイントは“網”!

急須を選ぶうえで大切なのが“網”の種類とサイズ。“網”はお茶の味わいを左右する大切なものです。また、つくり置きに向かない日本茶は、一度に淹れたい量に合せてサイズを使い分けることも、おいしいお茶を楽しむポイント。自分に合った急須探しの参考にしてください。

網のサイズ

お湯に浸った茶葉が開くことで旨みが抽出されるので、急須の茶葉が広がるスペースが大事になります。そして、お茶は最後の一滴に旨みが凝縮されるといわれます。最後までしっかり注ぎ切るには、網が目詰まりしにくいことに注目を。

急須にはさまざまな網の種類があります。急須本体に網を張った帯網・底網・平網は、茶葉が広がるスペースがあり、お湯にしっかり浸かるので、どんな茶種でもおいしく淹れられます。陶製の陶網は、金気が苦手な方におすすめ。網の目が大きいと目詰まりしやすいですが、今は細かい目のものも出ているので安心。茶殻の片付けが楽なポイポイ網もあります。

網の急須
急須のサイズ

急須はお茶を淹れるための専用の道具。おいしくお茶を飲むために、あらゆる機能を備えています。使い手の心地よさを追求した急須からは、機能美を感じることも。ライフスタイルが多様化した現代では、さまざまな急須が揃っています。洋風のインテリアにもなじむデザイン、忙しい方のために手間がかからない工夫がされたもの…。いくつも揃えて気分で使い分けてもOK! お気に入りの道具で楽しんでください。

 

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取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。