【保存版】茶葉、急須、マナーなど、日本茶の疑問を解決!(前編)

UDMC28-01_2

日本茶インストラクター協会完全監修! 日本茶のいろは教えます。

急須でお茶を淹れることは、大切な日本文化です。来る2020年には東京オリンピックが行なわれますが、日本人として、世界の人を丁寧に淹れたお茶でおもてなし、なんてことができれば素敵です。そんな機会がある人もない人も、今一度、日本人ならさまざまな場面で遭遇するお茶について、おさらいしませんか。茶葉、急須、マナー、豆知識など、今さら聞けないけど知っておきたい日本茶いろはについて、前編・後編にわけてご紹介します。

茶葉を知れば、日本茶はもっと楽しめる!

同じ茶の木から摘んだ茶葉から、製法などの違いにより、さまざまな味わいが生まれる日本茶。
茶葉の特長を理解して、お好みやTPOに応じて、飲むお茶を選んでみるのも楽しいものです。
ここでは9種の茶葉をご紹介します!

カテキンが豊富な「煎茶」と「深蒸し煎茶」。

cha1

ポリフェノールの一種で緑茶の渋味や苦味のもとになる成分のカテキン。抗酸化作用や抗菌作用など、健康パワーが豊富なのが、「煎茶」(写真左)と「深蒸し煎茶」(右)です。煎茶は、日本人にもっともなじみの深いお茶で、爽やかな香りとうま味、甘味、渋味、苦味のバランスのとれた味わいが人気の秘密。深蒸し煎茶は、煎茶と比べ、生葉の蒸し時間を2~3倍長くしてつくったもので、渋味や苦味が抑えられたまろやかな味わいが特長。茶葉の形状が細かいので、浸出時間もかからず、カテキンなどの健康成分が豊富に溶け出します。

カフェインが少ない「ほうじ茶」と「玄米茶」。

cha2

覚醒作用のあるカフェインが少なく、胃腸への刺激が少ないため、睡眠前やリラックスしたいときにもおすすめなのが、「ほうじ茶」(写真左)と「玄米茶」(右)です。ほうじ茶は、茶葉を褐色になるまで焙じてつくるので、香ばしさが特長で、刺激が少なく年配の方や子どもにもおすすめ! クセが少なく、どんな食事とも相性がいいんです。玄米茶は、茶葉に玄米をブレンドしたもので、ルーツは京都と言われています。炒った玄米の持つ香ばしさが特長で、さっぱりとしていて飲みやすいです。

「茎茶」、「芽茶」、「粉茶」の出物3兄弟。

cha3

収穫された茶葉は、蒸す、揉む、乾燥の工程を経て製茶され、緑茶の原型である「荒茶」となりますが、形を整えたり、ふるいにかけられたりして仕上げ加工する際、選別される茎や芽、粉は「出物(でもの)」と呼ばれています。「茎茶」(左)は、茎独特の清々しい香りの中に、ほのかな甘味が感じられるお茶。別名「かりがね」とも呼ばれます。「芽茶」(中)は、新芽の芽先を集めたお茶。成長途中の部位のため、うま味が濃縮されていて色合い、香りともに濃厚。味わいは玄人好みとも。「粉茶」(右)は、寿司屋の「あがり」として出されることが多いお茶。濃い緑色の水色で、濃厚できりっとした味わいが楽しめます。

リラックス効果が高い「かぶせ茶」と「玉露」。

cha4

お茶のうま味や甘味に関与するテアニンやグルタミン酸といったアミノ酸が含まれ、リラックス効果が高いのが、「かぶせ茶」(左)と「玉露」(右)です。かぶせ茶は、玉露同様、摘み取り前に10日ほど被覆栽培され、被覆期間が玉露より短いので、煎茶の爽やかな香りを残しつつ、玉露のうま味を併せ持っています。玉露は、日本茶の中で最上ランクのお茶で、茶摘み前の20日前後、日光を遮る被覆栽培によって育てられます。それによりテアニンが減少するのを抑えるので、強いうま味と甘味を持ちます。

あなたの好みは、どのカタチ? お気に入りの急須を見つけよう!

日本茶をたしなむ上で欠かせない急須は、形や素材がじつにさまざま。手になじむものや好きなデザインなど、お茶時間を楽しむために、いくつか揃えておきたいものです。

お茶を淹れるときに欠かせない急須には、形の違いで大きく分けて4つのタイプがあるのをご存知ですか?

お茶の味わいは、湯温だけでなく、使う急須の素材や形状、容量などでも微妙に変わります。特長を理解した上で、手になじむもの、手入れがしやすいものなど、自分が使いやすいと思うものを選んでください。いくつかお気に入りの急須を揃えれば、お茶時間をもっと心地よく、楽しいものにできるはずです。

【上手(うわて)型】
XUJI46-01

竹など本体とは別の素材の持ち手が上部についたもの。熱々のお茶を淹れても持ちやすい。番茶やほうじ茶など、熱いお湯でたっぷり淹れるお茶に適している。

【横手(よこて)型】
XUJI46-03

横に棒状の持ち手があり、親指でふたを押さえながら片手で注ぐこともできる。日本独自の形である。

【宝瓶(ほうひん)型】
XUJI46-02

持ち手がついていない急須。片手で持てるほどのサイズで、玉露やかぶせ茶など、低温で淹れるお茶に用いる。お茶のうま味を最後の一滴まで注ぎきることができる。

【後手(うしろで)型】
XUJI46-04

注ぎ口の反対側に丸形の持ち手がついたタイプ。中国発祥の形で、中国茶や紅茶用のポットにも多い。テーブルに座ったまま淹れやすい形状である。

網のカタチもあなどるなかれ! 主要な5種をご紹介!

急須に付属する網の形状も、じつは重要な要素。網目が大きすぎると茶葉が出てしまい、小さすぎると目詰まりを起こすこともあるので、茶葉の形状に合った網を選ぶことでお手入れが楽になります。
お手入れのポイントは、茶殻を残さないことと、しっかりと乾かすこと。怠るとお茶の味を落とすことにもつながるので、こまめに手入れをして清潔に保ちましょう。特長を理解した上で、手になじむもの、茶殻の手入れがしやすいものなど、自分が使いやすいと思うものを選んでください。

【帯網】
XUJI47-01

胴体部分の内側に、円筒状に網がぐるりと張られている。深蒸し茶や粉茶など細かい茶葉でも目詰まりしない。

【陶網】
XUJI47-04

急須と一体化した陶製の網が張られている。陶素材のため、網穴の直径は1mmほどあり、高級急須に用いられている。

【平網】
XUJI47-02

注ぎ口の内側部分に、網を張り、止めてある。目詰まりしにくく注ぎやすいのが特長。

【底網】
XUJI47-05

注ぎ口の内側と底部分全体に網が張られている。玉露などの高級茶用に開発されたもので、網目が細かいのが特長。

【ポイポイ網】
XUJI47-03

急須の内側に入れたかご網の中に、茶葉を入れるタイプ。茶殻をポイッと捨てられて便利!

日本茶って奥深い! お気に入りの茶葉と急須を揃えてください。

今回は、茶葉の種類、急須・網の種類をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか? TPOやご自分の好みで、ぜひ揃えてみてください。後編では、知っていると恥ずかしくない日本茶のマナーと、茶殻の活用術をご紹介します。お楽しみに!

UCHA44-01

参考図書『日本茶の図鑑』
監修:公益社団法人日本茶業中央会、 NPO法人日本茶インストラクター協会
定価:本体1,380+
ISBN978-4-8399-4813-9
出版社:マイナビ出版

日本茶の普及や歴史を継承するために設立された特定非営利活動法人(NPO)。日本茶インストラクター・アドバイザーの試験実施と認定、日本茶に関する通信教育の実施や日本茶文化啓蒙のためのセミナーやイベントの開催など、幅広く日本茶の普及にかかわる。
【住所】東京都港区東新橋2-8-5
【電話】03-3431-6637

HPhttp://www.nihoncha-inst.com

planmake_yonemura

取材・文=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。