カフェインが少なく、「ノンカフェイン」「カフェインレス」としても知られるほうじ茶。カテキンやビタミンCも含まれ、健康や美容、ダイエットなどで話題です。今回は、焙煎香のリラックス効果の秘密や、つくり方、種類やおすすめの味わい方をご紹介します!



毛並みがほうじ茶そっくりなところから名付けられた茶太郎。
ほうじ茶の香りが大好き。
「こっちだ、ワンワン!」
おいしいほうじ茶まで、道案内してくれます。


まずは、ほうじ茶についてもっと詳しく知ってもらうために、ぼくがトリビアをご紹介します! 全部覚えたら、今日からあなたもほうじ茶マスター!
ほうじ茶の香りってなんだか落ち着く
どうしてかなあ?
ほうじ茶の香りってなんだか落ち着くどうしてかなあ?

ほうじ茶といえば、淹れたときの豊かな香りがなによりの魅力!
実際にほうじ茶工場を覗いてみると、そこにはもうもうと熱気を発した焙煎機が。ベルトコンベアの上を、投入された茶葉がゆっくりと運ばれていきます。そして、焙煎機の遠赤外線により高温で火入れを行なっていくのですが、ほうじ茶はわずかな温度や時間で焙じ加減が決まってしまうほど繊細です。そのため、焼きムラが出ないよう数回に分けて焙じながら、熟練の職人が微妙な違いをしっかりと見極めます。こうして、経験豊かな職人が調整を繰り返すことによって、豊かな焙じ香が生まれるのです。



また、ほうじ茶の香りには、「ピラジン」というリラックスに注目の成分が含まれています。疲れたとき、イライラしているときに、ほうじ茶を淹れて、香りに癒されるのはいかがですか?



家でもほうじ茶をつくれるってホント?
煎茶の葉とフライパンがあれば、おうちでも簡単にほうじ茶がつくれます!
失敗しないようにつくるポイントは、フライパンが冷たいうちに茶葉を入れて、じっくりと弱火で炒ること。そして、全体が茶太郎の毛並みのようなこげ茶色になり、香ばしい匂いが漂ってきたら完成!
使用する茶葉の種類や焙煎の程度によって味が変わるので、お好みに合せて調理時間を調節してみてくださいね。

おいしい淹れ方おしえて!
淹れるときは、1人分約3グラム、大さじ1杯を目安にします。焙じ香や火香をしっかりと楽しむために、熱湯であつあつの1杯を楽しむのがおすすめ!





一口にほうじ茶といっても、その種類はさまざま。
「なにが違うの?」「どう飲むのが正解?」という声にお応えして、ぼくがお教えします!


一番茶をほうじ茶に!? なんてぜいたくな使い方!

二番茶や三番茶の葉を使用することが多いほうじ茶ですが、旨みが豊富な一番茶を使用したものもあります。
一般的なほうじ茶に比べて、深みのある風味が特長です。
一番茶葉のほうじ茶にはミルクを加えて、ラテにするのもおすすめです。ミルクにより味わいがまろやかになり、香り高さも際立ちます。


クセになりそう! 茎独特の香ばしさ!

葉の部分ではなく、茎だけを集めた茎茶のほうじ茶です。口に含むとやさしい甘みが広がり、香りの爽やかな余韻を堪能できます。
独特の風味にファンの多い茎茶のほうじ茶のおいしさを高めるのは、豆大福です。塩気のある豆と、甘いあんの組合せが好相性です。そんな甘じょっぱい味わいを、茎茶のほうじ茶がうまく引き立ててくれます。


豆の甘みがぎゅっと凝縮! この風味に癒される〜

ほうじ茶に、炒り米と炒り大豆をブレンドしました。ほどよい甘みと香りは合せる食べ物を選ばず、さまざまなシーンで活躍します。
豆入玄米茶のほうじ茶は、特におにぎりと相性抜群です。おにぎりの白米と、ほうじ茶の炒り米がお互いの風味を高め合います。また、ほうじ茶は口の中をさっぱりとさせてくれるので、脂っこい食事のあとに飲むのもおすすめです。


おやすみ前のひとときに。まろやかさがピカイチ

ごぼうチップをブレンドした変わり種のほうじ茶です。ごぼうの風味を楽しめるだけではなく、ポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれており、注目を集めています。
ごぼう茶のほうじ茶は、ほかのお茶に比べてカフェインが少なめです。そのため、おやすみ前にも安心してお飲みいただけます。一日がんばった自分をいたわりながら、あつあつのお湯で淹れたほうじ茶で、ほっと一息つきませんか?

おわりに
かわいらしい案内犬・茶太郎とともにほうじ茶を学びましたが、いかがでしたか? 私もなんだかほうじ茶が飲みたくなってしまいました。 (イラスト・松村紗恵)

企画・構成=楠石千晶
くすいしちあき●月刊『茶の間』編集部員。梅干しとみかんがおいしい和歌山県出身。幼少期から梅干茶漬けをこよなく愛す。そのおともにはアイドルと深海魚があれば言うことなし。