じつは茶殻はスゴい!料理や掃除、消臭、リラックスに大活躍!

新茶の旬の香りを味わうのは、今だけの贅沢。急須で淹れてお茶を飲んだ際に出る茶殻は、実はいろいろと活用できるのをご存知ですか? 料理や掃除、消臭ほか、暮らしのシーンで活躍します。捨てるなんてもったいない! 茶殻活用術をたっぷりとご紹介します。

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01.実は食べられるんです! 上品でおいしい茶殻料理!

ほろ苦くやわらかな旬の茶殻を食材に使うのは、大人の密かな愉しみです。今回は、簡単なのにお茶の香りが楽しめる3品をご紹介します。小粋な小料理屋の主人の気分で、まずはポン酢で和えた小皿を。今が旬のさくらえびと合せたかき揚げにはビールが合います。もう一品は季節の豆と合せて白和えに。今夜も晩酌がすすみそうです。

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茶葉のほろ苦みがくせになる!
【茶殻のポン酢和え】

材料(2人分)
新茶の茶殻  大さじ2
ポン酢  適量
白ごま・削りがつお  各少々

作り方
①茶殻の水気を軽くしぼり、ひたひた程度にポン酢をかける。
②白ごまと削りがつおを散らす。

香ばしさと美しい色合いが魅力!
【さくらえびと茶殻のかき揚げ】

材料(2人分)
新茶の茶殻  大さじ2
さくらえび  10g
天ぷら粉・水  各適量
塩・小麦粉  各少々
揚げ油  適量

作り方
①さくらえびに小麦粉をまぶす。
②茶殻の水気をよくしぼり、①に混ぜる。
③天ぷら粉と塩を水に溶き、②に適量加える。
④③をスプーンにとり、そのまま熱した揚げ油に入れる。
⑤片面に火が通ったら裏返し、最後は温度を上げてカリッとさせ、紙にとる。

やさしい味わいに、茶のアクセントを!
【茶殻の白和え】

材料(2人分)
新茶の茶殻  大さじ2
豆腐  1/2丁
にんじん  15〜30g
うすいえんどう豆  15〜30g
(そら豆、グリーンピースでも)

【調味料】
すり白ごま  大さじ1
かつおだし  少々
うす口醤油  大さじ1
塩  少々

作り方
①茶殻は軽く水気をきる。豆腐はキッチンペーパーに包み、重石をして15分ほど水きりをする。
②にんじんは2㎝の長さの細切りにしてさっと茹でる。豆は下茹でする。
③ボウルに豆腐を入れ、スプーンなどでつぶす。豆腐がなめらかになったら調味料を加え、混ざったら茶殻と②の下茹でした野菜を加え、和える。

02.どんなアロマより癒される!? お茶の香りにうっとり!

おうちでいることも多いこの時期に、ぜひぜひ試して欲しいのが、茶香炉で茶殻を焚いて家の中をほのかな新茶の香りで満たすこと。1日の始まりや終わり、はたまた家事の合間の休憩時間に、お茶の香りがさらなる癒しを与えてくれます。また、なかなか会えない友人や自分用に、香り袋を用意してはいかがでしょう。夜は急須の茶殻をお風呂に入れれば、一日が新茶の香りに満たされて、贅沢な気分で眠りにつけます。

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乾かした茶殻を袋に詰め、リボンで結び、サシェ(香り袋)に。タンスや引き出し、靴箱などに入れておくと、湿気がとれ、よい香りに包まれます。冷蔵庫に入れても、におい成分を吸い取ってくれます。

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キッチンペーパーなどに広げて乾かした茶殻を茶香炉の小皿にのせ、ろうそくに点火。小皿が温まってくると、ほのかなお茶の香りがたってきます。茶殻をかき混ぜると、さらに香りがたち、お部屋がお茶の香りで満たされます。

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湿った茶殻を目の詰まった布袋(お茶パックも可)に入れ、口をしばり浴槽へ。お風呂全体がよい香りに包まれます。お茶に含まれるカテキンやビタミンCはお肌のストレス解消にもぴったり。入浴後は、バスタブに色がつかないよう、早めに袋を引き上げます。

03. 水が使いにくい場所の掃除や消臭もお任せあれ!

急須の茶殻を洗い物に使えば、面白いように汚れが落ちます。また、床や畳に湿った茶殻を撒いてほうきで掃けば、汚れを絡め取るだけでなく、部屋にさわやかな香りが充満します。ジャブジャブと洗うわけにはいかない車内の掃除にもおすすめ! 細かいゴミや埃を絡め取り、こもりがちな臭いもすっきり! さらに、乾かした茶殻は靴や靴箱に入れれば、脱臭効果があります。新茶を最後まで使いきり、さまざまな場所を旬の息吹で満たしてみませんか。

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急須の茶殻を、そのままさらし木綿の布にあけて、まな板や包丁をごしごしこすります。とくに魚特有の臭みが取り除かれ、ぬめりも取れやすく、まな板がよい香りに包まれます。

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茶殻を軽くしぼり、湿ったまま和室の畳や玄関のたたきにぱらぱらと撒きます。そのまま手ぼうきで、さっ、さっ、さっ。綿ぼこりや髪の毛などが茶殻にくっつき、あたりに新茶の香りがただよいます。

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お茶のカテキンには、脱臭効果があり、乾いた茶殻は揮発性の有機物を吸い取ってくれます。乾かした茶殻をお茶パックに詰め、靴の中に入れておくと、湿気を吸い取るとともに、靴がさわやかな香りに。靴箱に入れておいても同じ効果があります。

茶殻の活用方法をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。おうちでいる時間に、興味のあるものを一つでも二つでも試してみてください。今だけしか味わえない新茶を思う存分たっぷりとおいしく飲んで、茶殻も余すところなく活用すれば、一石二鳥です! 捨てるところがない茶葉って、本当にスゴいですね! 急須で淹れるお茶時間が今まで以上にもっと好きになるに違いありません。

(文 中岡ひろみ/写真 平谷舞)

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企画・構成=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。