ママ友、職場…嫉妬する女子のマウンティング地獄から抜け出す方法

些細な自慢や、チクチクとした嫌み…。何かと自分の優位性をアピールしてくるマウンティング女子にすり減っている人、いませんか? マウンティングの裏には嫉妬や劣等感があると言われます。他人の負の感情を避け、振り回されないための対策をお教えします。

長年、精神科医の元で依存症や心の問題と関わり、後に心理カウンセラーとして独立した大嶋信頼さん。大嶋さんは、顔色をうかがい、他人に合わせようとする人ほど、マウンティングされやすく、相手より弱い立場にされてしまうと言います。他人からの負の感情に振り回されず、自分らしさを取り戻し、人生を楽しく生きる方法を伺いました。

心理カウンセラー・大嶋信頼

“みんな”と一緒にいるのに楽しくない。それは、あなたが「みにくいアヒルの子」だからかも!

グループ内でマウンティングされて、下のランクになってしまう…。
思い当たる理由がないのに、相手から見下されたり、イヤな感じを受ける…。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。
それは、他人からの嫉妬を受けているからかもしれません。

自分自身が人に嫉妬するというのも、醜い感情に振り回されてイヤなものです。
しかし、自分が醜い感情を持っていなくても、
嫉妬に囚われた人の影響を受けると、受けた人はストレスや孤独を感じやすくなります。

例えば、仲間たちと一緒にいるのに、なぜか孤独感を持ったことはありませんか?
実は、一緒にいるのが自分と同じ知的レベルの人とでないと人は孤独を感じるといわれています。
いろいろなケースがありますが、それは周りの人からの嫉妬を受けているからかもしれません。
極端にいうと、優秀な人がコンビニでバイトするといじめられるっていう。
それは、周りから「新人なのに」「年下なのに」、仕事ができるという嫉妬を浴びてしまうから。
小さなミスを過剰に責められ、だからダメなんだと否定されてしまい、仲間はずれの「みにくいアヒルの子」の状態になっていると考えられます。
自分に合っていないと感じるグループにいると、孤独感はどんどん深くなっていきます。
それこそ、みにくいアヒルの子が白鳥になって本来の仲間たちのもとへ飛び立っていったように、自分に合うグループを探すのも、一つの解決方法です。

悩んでる人

嫉妬されないように、気を遣って、人に合せて。
でも、それって逆効果!

一方で、自分を環境に合せる方法もあります。

それは相手の背景や文化を知るということ。

相手はどういう気持ちでこの話をしているのか、どうしてこの行動をとるのかを、観察して勉強することです。相手が自分にだけ冷たくしてきたり、過剰に怒られたときに、「あぁ、私がダメだから……」と自分のせいだと思うのではなく、今、相手は嫉妬をしているんだなとわかることで、嫉妬を受け流すことができます。

そのときに、相手を自分と同じだと考えて「どうしてこの人はそんなことをするんだろう?」と考えてイラッとしてしまうと、相手から反撃を受けて、孤独を感じてしまいます。そうではなく、あくまでも相手は相手。その背景や文化を尊重して、相手を変えようとしないことが大切です。あくまでも対等な関係で相手を知ることが大事なのです。

そのためには、自分も変えないこと。

環境に合せるというのは、環境を知るということであり、あくまでも自分は自分。自分を変えて下手に取り入ろうとしたり、謙遜したりすると、「自分にいいように合せてくれる人」と相手から弱者として見られてしまいます。嫉妬というのは、自分より立場が下なのに、優れた能力を持っている人に対して抱きますから、弱者だと思われると嫉妬を受けやすくなってしまうのです。

そして、嫉妬を浴び続けると、自分のやりたいこと、他人を気にせず自分らしく生きようとすることができなくなっていきます。

犬を使った興味深い実験があるのですが、一匹の犬を電気ショックケージに入れておきます。最初はケージから出ようと犬は抵抗するのですが、そのたびに電気ショックを浴びることになります。すると、ケージを開けて出られる状態になっても、最初に浴びた電気ショックの恐怖で、外に出られなくなってしまうのです。

このように、長い時間ストレスを浴び続けるとその状況から逃れようと努力しなくなってしまうことを学習性無力感といいます。

同じように、嫉妬を受けてきた人は、嫉妬の恐怖から自分を変えることができなくなってしまいます。

「自分はダメだ……」という感覚は、周りから理解してもらえないので、ますます孤独を感じてしまうのです。

嫉妬をされないように自分を低く見せていたのに、それが逆に相手の嫉妬を起こさせ、どんどん孤独を感じてしまう。だからこそ、「自分は自分」でいることがよいのです。

他人が持つ嫉妬を浴びて、自分自身が孤独になってしまう。そんなの損ですよね。

相手に合せず、嫉妬を恐れなくなると、人の目がだんだん気にならなくなってきます。

すると、どんどん自分の好きなように振る舞えるようになってきます。

好きなことを夢中でやっていると、人は魅力的に見えてきます。

一度しかない人生、「世界は私を中心に回ってる!」ぐらいの気持ちで、好きなことをして人生を楽しみたいですね。

心理カウンセラー・大嶋信頼

心理カウンセラー
大嶋信頼さん

おおしまのぶより●米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒業。アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研修生として依存症に関する対応を学ぶ。現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。著書に『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(すばる舎)、『「お金の不安」からいますぐ抜け出す方法』(総合法令出版)など多数。

「自分は自分でいることが大事」という言葉が印象に残った大嶋さんのお話。
嫉妬するのも、嫉妬されるのもイヤなものです。
でも、好きなことに夢中になれば、そんな負の感情なんて気にならなくなるのかもしれません。

(インタビュー写真 横塚大志)

planmake_hagiri

取材・文=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。