【予約必須】大人の京都旅で知っておくと自慢できるレストラン4選

夫婦水入らずの結婚記念日、恋人とのデート、仲の良い友人との京都観光など、特別な日の食事には落ち着いた雰囲気で、おいしい料理をじっくりと楽しめるお店に行きたいもの。今回は、予約してでも訪れたい4店をご紹介!

しっとりと落ち着いた雰囲気の町家レストラン、アットホームなフレンチ、憧れの祗園の名店や鮮魚自慢の居酒屋など、TPOに合わせれば、きっと仲も深まるはずです。京都の編集部だから知っている、とっておきの4店で“もっと楽しく、もっとしあわせに”極上の時間を過ごしてみませんか。

高須賀

01. Restaurant高須賀 たかすか 〜東大路七条〜

01. Restaurant高須賀たかすか 〜東大路七条〜

1日、1〜2組限定。邸宅を少人数で丸ごと楽しめる!

高須賀の店内
坪庭を眺めるメインダイニング。ゆったりとしたテーブル席やシェフとの会話を楽しむカウンター席などお好みの席で食事を楽しむ。

京都国立博物館からほど近くにある一軒家。水を打った清々しいアプローチを通り、玄関の引き戸を開けるとオーナーシェフの高須賀利行さんが笑顔で出迎えてくれます。

昔ながらの町屋の風情を残すシックなダイニングルーム、その向こうは緑が美しい坪庭。席に着くと、深く癒されるような寛ぎに包まれます。

この店はオーナーシェフがたった1人で、料理からサービスまでをこなして、もてなしてくれる1軒。

「約20年、たくさんのお客様を相手にする店で経験を積んできたのですが、自分の店を持つなら、1〜2組のお客様に全力で向き合って、おもてなしをしたいと思ったんです」

2人なら2組まで、4名以上なら1軒貸しというスタイル。どこにもない、ここならではの類い稀な時間が大人の時間を彩ります。

高須賀さん
静かなアプローチはまるで高須賀さんのお家に招かれたよう。

料理は割烹を意識したフレンチ。旬の魚介を中心に、量を少なく、品数をたくさん楽しめるおまかせのコース料理を提供します。ベーシックなフレンチを土台に、和の食材を巧みに織り交ぜつつ、高須賀さん独自の味わいに仕上げます。

ブルーの涼しげな器には、帆立貝のミキュイ(半生仕立て)、焼き鮎、昆布締めの白身魚と旬の野菜をたっぷり盛って。魚料理はぐじと赤座海老のポワレ。こちらは甲殻類のソースで旨味豊かに仕上げています。

本日のスペシャリテは、フォアグラのプディング。玉子入りの和だしにマッシュルームのコクと濃厚なフォアグラの風味を1つに重ねて、ブリオシュとともにいただきます。

「1皿ごとに、1杯のワインごとに、大切な時間が積み重ねられていく。その一瞬一瞬を大切に、おもてなしを究めていきたいです」

料理、サービス、空間が三位一体となって初めて完成し得る、真に幸せな食のひととき。邸宅のような素敵な空間を少人数で丸ごと楽しむ。大人ならではの贅沢を満喫してください。

高須賀の料理
帆立貝、赤座海老、白身魚の旨味を閉じ込めたポワレ、ブリオシュとともに。料理はすべて10,000円のおまかせコース(昼夜とも、税・サ別)より抜粋。
高須賀の料理
左/コクと旨味が凝縮したフォアグラのプディング。右/旬の魚介と野菜たっぷりの魚介の菜園風サラダ。
高須賀の2階
ディナー利用時に4名以上の予約なら、2階のバースペースで食後のひとときを過ごせる。

【INFORMATION】
Restaurant 高須賀
【住所】京都市東山区東大路七条下ル
東瓦町690
【電話】075-748-1680
【営業時間】昼12:00〜15:00(4〜
6名の予約で利用可)/夜17:00〜
23:00
【定休日】水曜、第1・3火曜
【HP】https://www.takasuka-kyoto.jp
※2日前までの完全予約制。

02.レ・ドゥ・ギャルソン 〜下鴨上川原町〜

02.レ・ドゥ・ギャルソン 〜下鴨上川原町〜

ご馳走も素敵な時間も、シェアして楽しむ!

レ・ドゥ・ギャルソンの料理
1皿の量がたっぷり! 前菜からメインまでシェアする楽しみを満喫。フランスのビオワインを中心に常時、ボトルワインは60種ほど。グラスワインは、赤白ロゼ3種ずつ、9種揃う。オマール海老のロースト4,900円、田舎風お肉のパテ900円、自家製スモークサーモン1,000円(すべて税込)。

「ようこそ、いらっしゃいませ」

オーナーのウエ・フランクさんは、流暢な日本語で温かく出迎えてくれます。

店をオープンして丸5年。ブルーの外壁が目を引くアットホームな雰囲気のこちらの店は、京都のフレンチ・ビストロとして人気の1軒となっています。

フランクさんは、フランス・ロワール地方の出身。ヨーロッパ各地のレストランで腕を磨いて来日。京都のフレンチレストランで働いたのち、独立しました。

築70年の町屋をフランクさんのセンスを活かし、パリの街角のような小粋な空間にリノベート。現在は若きシェフの坂井萩弥さんに自身のレシピをしっかりと伝えて、フランクさんはサービスを担当しています。

「雰囲気はカジュアルでフレンドリーな店ですが、味はしっかりフランスのクラシックなテイストを守っています」

まずはシードルかシャンパーニュの食前酒を飲みつつ、メニューをじっくり検討。こちらの料理は、量がたっぷりなので、1皿の料理をシェアするのがおすすめです。

自家製スモークサーモンは、火入れはほとんどせず、冷燻(れいくん)で香りを醸し、フレッシュレアな食感を楽しみます。豚のネックの肉と鳥のレバーを合せた自家製のパテは、優に3センチはあろうかという分厚いカット。グリーンペッパーやパセリの風味がほどよいアクセントに。メインのカナダ産活オマール海老のローストは、ブールブランソースとともに。濃厚でなめらかなソースは、エシャロットの香味が爽やかで、意外にもあっさりといただくことができます。

「時間を気にせず、デザートとコーヒーまでゆっくりと味わってくださいね。食後は、鴨川沿いを散策してはいかがでしょう」

メニューを決めるところからデザートタイムまで、「食」の時間を楽しみ尽くすのが、フランス流。今宵はフレンチ・エスプリに浸りながら、素敵なディナータイムをぜひ。

ウエ・フランクさん
流暢な日本語とやわらかな物腰でサービスするフランクさん。
レ・ドゥ・ギャルソンの店内
カジュアルシックで明るい店内。まるでパリのような空間。
レ・ドゥ・ギャルソンの料理
爽やかなレモンのタルト700円。
レ・ドゥ・ギャルソンの外観

【INFORMATION】
Les Deux Garcons
【住所】京都市左京区下鴨上川原町3
【電話】075-708-7500
【営業時間】11:30〜15:00(L.O.14:00)、18:00〜23:00(L.O.22:00)
【定休日】木曜

03. 祇園 大渡 〜祇園町南側〜

03. 祇園 大渡 〜祇園町南側〜

ご主人の温かな人柄と美食に、会話も弾む!

祇園大渡
開店当初は「京都の味ではない」と言われることもあったそうですが、食材、その相性、味の組み立てなどをとことん追求する姿勢から生まれる大渡さんらしい味わいが評判を呼び、今では多くのファン垂涎の店に。

八坂神社からほど近い、祇園の細い路地に面した1軒の店。主人の大渡真人さんは大阪の複数の名店で修業し、9年前に京都で独立。「自分の目がきちんと届く範囲でおもてなしを」という希望を叶えたカウンター8席のみの店は、今では予約が取りにくい人気の店となっています。

古典的な料理は徹底的に伝統を重んじ、独自の創作料理は、シンプルかつ印象深く、緩急をつけて、1つのおまかせのコースに巧みに仕立てて提供。その土台となるのは長年、たしなんでいる茶の湯の世界。茶懐石のならわしを取り入れつつ、まさしく茶席を調える亭主の心持ちで、一期一会の食の時間を懸命につくり上げています。

たとえば、今日、最初に登場するのは、涼やかな色彩の「じゅんさいのトマト酢 毛ガニとたたきオクラ」、そして、ガラスのカップに盛られたすっぽんの冷たいおかゆ。それぞれ茶懐石のつの向付と飯碗をイメージした料理で、素材の取り合せの妙を楽しみます。

目の前で料理をする割烹形式にしたのは、「とにかく、ここで過ごす数時間を心底楽しんでほしいから」とにっこり。食材や料理についてお客様ごとに丁寧に、時にユーモアを交えて説明する大渡さん。その人柄のおかげか、店内はいつも和やかな雰囲気が流れています。

「割烹に来るお客様は、大将を食べに来られるようなものです(笑)。料理も会話も人も1つになっていく。そんな時間をご提供したいですね」 たとえば、いつもは向かい合って食事をしている夫婦も、大将に向かい合うように、夫婦で隣同士に座れば、いつしか会話も弾みます。大渡さんの笑顔や巧みな会話に、少し、照れがあった2人にも、自然に笑みが満ちてきます。

食事の終わりには、主人自らが目の前でお薄を点ててくれます。一服のお茶に、ほっと心ほぐれて……。秋の夜長の大人の時間。今、大人になったからこそ、心底楽しみ、味わえる円熟のひとときがここにあります。

祇園大渡の料理
色彩が美しい、「じゅんさいのトマト酢 毛ガニとたたきオクラ」。トマトの透明なエキスのまろやかな酸がアクセントに。
祇園大渡の料理
左/サツマイモの身と皮を入れて、すっぽんのおだしで炊いた冷やしおかゆ。右/冬瓜と焼きなすの炊き合せ。
食事の終わりに亭主が点ててくれるお茶をゆっくりといただく。
食事の終わりに亭主が点ててくれるお茶をゆっくりといただく。
祇園 大渡の外観

【INFORMATION】
祇園 大渡
【住所】京都市東山区祇園町南側570-265
【電話】075-551-5252
【営業時間】18:00〜21:00入店
【定休日】不定休

04. 居酒屋 加夢居 〜東洞院六角〜

04. 居酒屋 加夢居 〜東洞院六角〜

魚好きを唸らせる、旬魚自慢の一軒!

加夢居のお造り
その日の仕入れで変わる、お造り盛り合せ1人前1,500円(価格はすべて税抜)。

賑やかな店が集うビルの2階。引き戸を開けると、カウンターの向こうから「いらっしゃい!」と大将の西田和弘さんが威勢よく出迎えてくれます。

なんといってもここの自慢は、新鮮な魚介料理。伊勢から活けで運ばれた旬魚を大将自らが厳選し、そのとき、もっともおいしい食べ方で調理してくれます。

まずはお造りから。カツオ、グレ、ハマチ、とり貝、ウニ、タコがたっぷりと盛られた魚介をみれば、やはり、ここは日本酒が欲しくなります。

「日本酒は、滋賀県の33の蔵元を中心に揃えています。滋賀の酒は地域性というより、蔵ごとに個性あるお酒が揃うので、飲み比べが楽しいですよ。熱燗で楽しんでもらえるお酒も揃えています」

1合を2人で分けて、あるいは、好みのお酒を半合ずつ、あれこれ選ぶのも楽しいもの。魚介のほか、生麩やだしまきなど京都らしい食材を使った料理も豊富にあるので、日本酒がついつい進んでしまいます。

「うちの料理は、お2人でシェアするのにちょうどいい量やと思います。仲良く分けてもらいつつ、いろいろな料理を楽しんでほしいです」

夏から秋にかけて、ぜひ味わいたい逸品が鱧しゃぶ鍋です。鱧、玉ねぎ、野菜類がどっさり盛られて、これで2人前? という気前のよさ! 鱧はしゃぶしゃぶでさっと湯を通して、ポン酢であっさりと。上品で繊細な身は、ほろりとした口どけで、その香気が豊かに広がって……。鱧の旨味が滲み出たおだしは、締めの雑炊か、中華麺で、最後まで味わい尽くすことができます。

2人で訪れたなら、カウンターに仲良く並んで座るもよし、掘りごたつ席でゆったり座ってくつろぐもよし。居酒屋と割烹のちょうど中間に位置する身近な店は、肩肘はらず、旬の美味を気軽にいただける、まさに、和みの1軒です。

加夢居の大将
いつも朗らかな大将の西田さん。
加夢居の料理
三重県産の鱧はさっと湯にくぐらせて。淡路島の玉ねぎの甘みとの最高の相性を味わいたい。鱧しゃぶ鍋2名から注文可。1人前4,000円。前菜に鱧せんべいが出る。
加夢居の料理
左/滋賀の33の蔵元の自慢の酒を飲み比べ。1合1,000円〜、半合500円〜。右/1皿4本で2人で分けやすいのがうれしい生麩田楽680円。
加夢居の店内

【INFORMATION】
居酒屋 加夢居
【住所】京都市中京区御射山町260ロイヤルプラザビル2階
【電話】075-211-6122
【営業時間】17:30〜23:30(L.O.23:00)
【定休日】日曜・祝日
【HP】https://izakaya-kamui.com
※予約がベター 

それぞれ違う楽しみ方ができる大人におすすめの4店、いかがだったでしょうか。京都を訪れた際には、ときに贅沢に、ときにアットホームな雰囲気で、友人や恋人、夫婦で、おいしいひとときを楽しんでくださいね。

◎合せて読みたい→京都旅に!ひとりごはんにおすすめのランチ・ディナー厳選 5 店!

※記事は2019年9月時点の情報です。

(取材・文 郡麻江/写真 福森クニヒロ 津久井珠美)

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企画・構成=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。