2月の京都旅は梅づくし!絶景名所から体験型新スポットまでご案内

2月に見頃を迎える梅の花。可憐な姿、高貴な香り、甘い味わい…。梅を満喫するなら、ぜひ京都へお越しください!欠かせない王道から、紅、白、桃色…華やかな梅の花に右も左も、前も後ろも囲まれる夢のような景色が楽しめる神苑、新たに登場した梅酒づくりが体験できる新名所まで、梅を丸ごと楽しむ、京都で絶対に外せないスポットをご紹介します!

【おすすめ1】 全国天満宮総本社 北野天満宮

京都の梅はここなくして語れない!
1500本もの花咲く梅苑に足を踏み入れば、そこは別世界!

京都の梅はここなくして語れない!1500本もの花咲く梅苑に足を踏み入れば、そこは別世界!

北野天満宮

京の梅名所といえば筆頭は「天神さんの梅」。

現在の北野天満宮では、御社殿のある境内各所に梅の木があるのはもちろんのこと、梅苑に約50種・約1,500本もの梅の木が植えられ、毎年2月下旬から3月下旬に見頃を迎え、見渡す限り花に囲まれた、美しい風景が広がります。公開期間中には茶屋も設けられ、散策路沿いに、白梅、紅梅、一重、八重などに咲くとりどりの梅花を、甘い香りとともに楽しむことができます。

御祭神・菅原道真(すがわらのみちざね)公が大宰府(だざいふ)に左遷される際、京の自邸で「東風(こち)吹かば匂ひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」と詠み、梅の花に思いを託したところ、梅は大宰府の住居まで飛んでいったという飛梅伝説まであるほど、梅と「天神さん」は深いご縁で結ばれています。

 

2月25日は菅公の祥月命日。延喜3年(903)のこの日に大宰府で亡くなった菅公の御遺徳を偲ぶ梅花祭(ばいかさい)が執り行なわれ、神職らは冠に菜の花をさし、神饌(しんせん)を供えて神事に臨みます。

また、この日は紅梅殿前船出の庭で「梅花祭野点大茶湯(のだておおちゃのゆ)」が行なわれます。かつてここで豊臣秀吉公が北野大茶湯を催した故事にちなむもので、上七軒の舞妓さん・芸妓さんが総出で、お抹茶を点てて振舞ってくれます(有料・拝服券は前売り・当日券有り)。

当日は毎月25日恒例の天神市も開催され、華やかな気分のなか、骨董品や古道具などの物色もできます。

北野天満宮
【住所】京都市上京区馬喰町
【電話】075-461-0005
【参拝時間】楼門5:00~18:00(10〜3月は5:30〜17:30)、

社務所9:00~17:00、境内自由
【HP】http://www.kitanotenmangu.or.jp

〈梅苑公開〉
【日時】2月初旬~3月下旬 9:00~16:00
※2/28〜3/22の金土日は夜間ライトアップも実施予定。
【入苑料(茶菓子付)】大人1,000円、こども500円
〈梅花祭〉
【日時】2月25日 祭典10:00~11:00、野点10:00~15:00
【野点拝服券(宝物殿拝観と御供物付)】2,000円

【おすすめ2】 城南宮

咲き始めも、満開も、散り始めも見てほしい!
変化する絶景に何度も訪れたい、ここはまさに桃源郷!

咲き始めも、満開も、散り始めも見てほしい! 変化する絶景に何度も訪れたい、ここはまさに桃源郷!

城南宮

京都駅から4キロほど南にある伏見区の城南宮(じょうなんぐう)。宮城(きゅうじょう)の南に鎮座し、平安後期にはここを囲んで白河上皇や鳥羽上皇の離宮が造営され、院政の拠点ともなりました。離宮は上皇や貴族が熊野詣(くまのもうで)に行き来する際に宿泊したり、方違えの宿所ともなったため、今も方除けの大社として知られます。

梅の満開の時期、城南宮を訪れた人は、この世のものとも思われない圧倒的なしだれ梅の光景を目の当たりにすることができます。神苑の約150本もの梅が、それぞれ桃色や白の花をつけた枝を地面に垂らし、黒い幹、若草色の下草とコントラストを見せて咲き誇るさまは、桃源郷さながら。

またこちらの梅は、時期により三度楽しめます。咲き始めから六分咲きくらいまでは、花びらの色も濃い目で生き生きとしています。人も少ないので混雑を避けたい方は狙い目。その後、満開の時期はまさに夢のような光景。そして、散り始めの数日は、地面が“花びらの絨毯”に! 満開後の強風の日や雨の日の翌日に訪れるとよいそうです。

この時期、城南宮では「しだれ梅と椿まつり」を開催しています。期間中は毎日10時(土日祝は15時も)に梅の枝を冠にさした巫女さんが神楽(かぐら)を舞うほか、「梅の花守り」(初穂料1,000円)の授与もあります。

城南宮

【住所】京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
【電話】075-623-0846
【拝観時間】神苑9:00~16:30(受付終了16:00)
【拝観料】神苑大人600円、小・中学生400円
【HP】https://www.jonangu.com

〈しだれ梅と椿まつり〉
【日程】2月18日~3月22日

【おすすめ3】 梅宮大社

名木から珍種まで何でも見られる! 約35種400本もの梅が神苑を彩ります!

梅宮大社

梅宮大社は四条通の西、松尾大社の少し手前にある古社。平安時代初め、嵯峨天皇の皇后、檀林(だんりん)皇后が実家橘家の氏神様を祀るため、井出より遷座(せんざ)したとされています。

江戸中期に本居宣長(もとおりのりなが)が、献木の梅に添えて「よそ目にも その神垣とみゆるまで うえばや梅を千本八千本」と詠んだほどの梅の名所。とくに西神苑には梅林もあり、甘い梅の花の香りが漂います。また同じ木に紅白の花が咲く「想いのまま」、枝が金色の「金枝梅」などの珍しい梅、3月末に開花する呉服(くれは)枝垂れ、白牡丹などの品種もあり、長く梅の花を楽しめます。

檀林皇后がここで祈願して仁明天皇を懐妊・安産したことから安産の神としても信仰され、安産祈願絵馬には「梅・産め」の文字が。梅も盛りの3月第1日曜日は「梅・産祭(うめうめまつり)」が行なわれ、手づくりの梅ジュースや梅の実などがふるまわれます。

梅宮大社

【住所】京都市右京区梅津フケノ川町30
【電話】075-861-2730
【拝観時間】6:30~18:00、神苑9:00~17:00(受付終了16:30)
【拝観料】神苑600円、境内無料
【HP】http://www.umenomiya.or.jp

〈梅・産祭〉
【日程】3月1日9:30~16:30

【おすすめ4】 梅体験専門店蝶矢ちょうや

一年中いつでも梅酒づくりが体験できる!
世界初、梅体験の新スポットが京都に誕生!

一年中いつでも梅酒づくりが体験できる!世界初、梅体験の新スポットが京都に誕生!

蝶矢
梅シロップ、梅酒づくり体験は、梅や砂糖の種類をスタッフが説明してくれるところから(左上)。店内にあるシロップを飲み比べながら、自分好みの味を探す(右上)。材料を決めたら、梅の実と砂糖を交互に器に入れていく(真ん中)。あとは、家に持ち帰り、梅シロップなら1週間、梅酒なら1ヵ月待てば完成!(下)

「一粒から楽しむ100通りの梅体験」をコンセプトに、梅酒のチョーヤが開いた世界で初めての梅体験専門店「蝶矢」。梅酒や梅シロップづくりが一年中体験できます。

真っ白な空間にディスプレイされているのは、完熟南高・鶯宿(おうしゅく)・有機南高・古城・パープルクイーンの5種の梅のシロップ。スタッフの解説を聞きながら飲み比べてみると、品種によってこんなに差があるのかと驚くほど。まろやかなもの、シャープな味わいのもの、桃のような香りがするもの…。5種の砂糖による違いも味見でき、スタッフと相談しながら組合せを考えます。組合せが決まったら、梅の実のヘタを取り、ボトルに梅の実と砂糖を交互に入れていきます。これで梅シロップの仕込みは完了! さらにお酒を加えると梅酒になり、家に持ち帰って待てば梅シロップや梅酒が完成です。

「100通りの梅体験」とは、5種の梅×5種の砂糖×4種のお酒=100通りの梅酒がつくれること。

梅の奥深い魅力に触れながら、自分好みの味を探してみてください。

梅体験専門店 蝶矢

【住所】京都市中京区六角通堺町東入ル堀之上町 108 CASA ALA MODE ROKKAKU 1F
【電話】なし
【営業時間】11:00~19:00
【定休日】不定休 (年末年始・お盆を除く)
【HP】https://www.choyaume.jp
※梅体験は予約がベター。HPより2週間前から可能。

蝶矢

おわりに…

底冷えといわれる京都の冬に、高貴な香りとともに春を告げてくれる梅の花。
令和になってから初めての梅見のとき。新たな時代を華やかに彩る可憐な花々を見に、ぜひ2月の京都に訪れてみてください。

(文・中岡ひろみ/写真・中田昭、村上文彦)

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企画・構成=羽切友希
はぎりゆき●月刊『茶の間』編集部員。ちびまる子ちゃんが好きな静岡県出身。小さい頃は茶畑の近くで育ち、茶畑を駆け抜けたのはよき思い出。お茶はやっぱり渋めが好き。