【保存版】編集部推薦!朝も夜も本当に美味しい京都のおばんざい5選

京都といえば「おばんざい」。もともとは家庭料理として食べられていたお惣菜です。どの店がいいか分からないという方に、京都の地元編集部が愛用する人気の5店をご紹介します。朝昼晩とどの時間でも使える5店舗、個性豊かなおばんざいたち。予約必須です!

01. KITCHENよし田 〜高辻烏丸〜

01. KITCHENよし田 〜高辻烏丸〜

京都のママがつくる、愛情込めたおばんざい

KITCHENよし田
「ママの笑顔で元気になれる!」と多くの常連さんが訪れる。

「ただいま、お腹すいた〜!」と声をかければ、「ちょっと待っときや〜」なんて、ママの太田紅后(くみ)さんの威勢よい声が返ってくるのが、ここ「KITCHENよし田」です。「笑っておいしく、吉本興業以上、宝塚歌劇団未満がコンセプトなの」と話す太田さん。明るいオーラと楽しい会話でみんなを盛り上げて楽しませ、毎日、手間暇かけて手づくりするおばんざいの数々で、訪れるみんなをお腹いっぱいにさせてくれます。

そんなこちらには、入店儀式が。「初めて来てくれはった方には、一品目に店自慢の『べっぴんサラダ』を食べてもらっています」。10種類以上の野菜にザーサイと蒸し鶏を加え、ごま油と塩で味付けした癖になる味わいです。また、骨がホロホロになるまで4時間煮込むイワシの煮付けや大きな豚の角煮、ベーコンをじっくり炒めてから混ぜ合せるポテトサラダなど、おばんざいの数々がカウンターにずらりと並びます。

どれも後を引く旨みが印象的で、味の秘密を聞いてみると「ヨシダソースを調味に使っているの」と驚きの答えが。実は、太田さんはアメリカで大人気の調味料・ヨシダソース創業者の実姉なのです。 「おいしい料理の秘訣は、いい食材を使って、手間かけてつくられた調味料を使ってあげること。そこに愛情を込めれば、とびきりの一品ができるから」とニッコリ。

59歳で店を開いて15年。 「My job i s hobby。料理は私の天職」と話す太田さんのおばんざいを食べれば、心もからだも元気になること間違いありません。

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上「トマトとモッツァレラの湯葉あんかけ」左「べっぴんサラダ」右「糸こんのペペロンチーノ」。糸こんは臭みをとるために白ワインで1時間煮込むなど、手間と時間を精一杯かけた一品。また、「その日の来客によってつくるものを変える」そうで、子どもさんにはジャーマンポテトを用意するなどママの優しさが献立に。並ぶ料理のレシピは、すべて教えてもらえるという、うれしすぎるサービスも。

KITCHENよし田
小さな看板が目印。店内には、太田さんが描いた油絵が掛けられており、色彩華やかな作品は見るだけで元気をもらえる。

KITCHEN よし田

【住所】京都市下京区高辻通烏丸西入ル
堀之内町272-5
【電話】075-361-4600
【営業時間】18:00~23:00
【定休日】日曜、月曜

02. 居様 いざま 〜新町六角〜

02. 居様 いざま 〜新町六角〜

空間や器の美しさに感動! 〝インスタ映え〟必至です!

居様
旬の食材を使用したおばんざいが御膳に並ぶ。 ※その年、その季節により内容は異なる1,800円。(写真 : 居様提供)

かつては呉服問屋が軒を連ねた新町通にある「居様(いざま)」。大きな暖簾がかけられた格子戸から店内に足を踏み入れると、そこは和モダンな世界。古い町家の風情もありながら、現代的なセンスがあちこちに感じられます。それもそのはず、カフェのプロデュースを手がける会社を中心に、気鋭の空間デザイナーや家具職人らが店づくりに携わっています。

そんなこちらで人気なのが季節ごとに内容が変わる「9種のおばんざい御膳」。自慢は京都の老舗「平野屋」の豆腐を使った一品で、大豆の素朴な味がしっかりと感じられます。そのほか、色とりどりの愛らしい小鉢に盛られた旬のおばんざいは、どれも日本料理の職人が丁寧に仕上げるものばかり。また、料理だけでなく、器や盛り付けも素晴らしく、思わず写真におさめたくなる美しさも堪能できます。

居様店内
建築家・永山祐子氏が手がけた和モダンの広々とした店内。
居様店内
蔵のある中庭を望むことができ、京都の古い商家の佇まいを感じられる席も人気!

居様

【住所】京都市中京区新町通六角下ル六角町361
【電話】075-251-2500
【営業時間】朝食6:30~10:00(L.O.9:30)/昼食11:30~14:00(L.O.13:30)/
夕食17:30~22:00(L.O.21:00)
【定休日】なし
【HP】http://kyoto-izama-web.com

居様

03.旬菜いまり 〜新町六角〜

03.旬菜いまり 〜新町六角〜

早起きして楽しみたい、炊きたて土鍋ご飯

旬菜いまり
鰻の寝床のような京町家を改装した店内は、奥に中庭が。ほんのりと差し込む陽光を感じながら食べる朝食は格別。1,500円。土鍋ご飯は、オーダーすれば多めに炊いてもらうことも可能(別途料金要)。

旬を大切に、その時期のおいしい京野菜や魚を使った料理にこだわる「旬菜いまり」。こちらの名物「京の朝ごはん」(要予約)は、一組ごと来店時間に合せて炊き上げる土鍋ご飯です。自慢の米は、老舗の米問屋「八代目儀兵衛」から仕入れる京丹後のコシヒカリ。土鍋の蓋を開けた瞬間に立ち上る甘い香りに「うわ〜!」と感動の声を上げてしまうほど。口へ運べば米のふくよかな旨みと滋味が感じられ、まさに至福の朝時間がここに。

つやつやの銀しゃりのおともには、昔から京都の食卓に上ってきたおなじみの味を用意。甘めに仕上げた西京焼やジュワッと旨みが溢れ出るだし巻卵をはじめ、旬の地野菜を使ったサラダや煮浸し、炊き合せ、お味噌汁が月替りで。どの料理もかつお節と利尻産昆布で丁寧にひいただし汁の味がしっかりと効いており、上品な京都らしさが存分に味わえます。夜の営業では、ゆず小芋や南京のそぼろ煮など季節のおばんざい10〜15種類がカウンターに並びます。地酒をおともに京の味をどうぞ。

旬菜いまり
ふっくらつやつや! 炊きたての土鍋ごはん。ついつい食が進んでしまう。
旬菜いまり

旬菜いまり

【住所】京都市中京区西六角町108
【電話】075-231-1354
【営業時間】朝の営業7:30~10:00(L.O.)/夜の営業17:30~23:00(L.O.22:00)
【定休日】火曜
【HP】https://kyoto-imari.com

04. まつは 〜京都市役所前〜

04. まつは 〜京都市役所前〜

食べたいときにふらりと心と。からだが温まる一汁三菜

まつは
写真のテリーヌは「ブタは栗とりんごが好物と聞いて、合せたらおいしいかなと思ってつくってみました」と西村さん。一汁三菜900円。

京都の繁華街から少し離れた二条富小路通沿いに店を構える「まつは」。骨董屋のような落ち着いた佇まいの外観で、「一見さんはお断りかしら」なんて緊張の面持ちで扉を開けると、「いらっしゃいませ〜」と穏やかな声が出迎えてくれます。

お店を切り盛りするのは、優しい笑顔がステキな西村さん姉妹。料理好きの2人が「自分たちが食べたい」と思うものをベースに、心とからだが喜ぶメニューを週替わりで提供してくれます。食事は、汁物とおかず一品がつく「一汁一菜」、汁物とメインのおかず、副菜3品がつく「本日のお食事」などが。取材時は、人気の「一汁三菜」をいただきました。

この日の献立は、味噌風味に仕立てた栗とりんごのテリーヌ、玉子豆腐、里芋の白和え、胡麻豆腐の吸い物、そして、お揚げとマッシュルームご飯。洋風メニューのテイストや和と洋の食材の取り合せ、調味にもひと捻りあり、一般的にイメージされる「おばんざい」とはちょっと違う今のトレンドや感性が料理にちらりと。進化する京都の味が堪能できます。

料理以外には、酵素シロップのジュースや、季節のケーキ、いろいろな味を混ぜて食べるパフェなどもあり、カフェ使いもO K。午前10時から午後9時までの間なら、いつでも食べたいものをオーダーできるのもうれしい限り。「観光に夢中でお昼を過ぎちゃった」、そんな日だって「まつは」は、おいしい食事を用意して待ってくれています。

まつは店内
落ち着きのある店内。何度も来ていろんな席を楽しみたくなるお洒落なインテリアも魅力!
まつは
アイスクリームに酵素シロップ、果物、お餅などを混ぜて食べる「くちゃくちゃアイス」(800円)。スプーンで混ぜて召し上がれ!
まつは
店内では、作家ものの作品も販売。毎月最終土曜にはギャラリーイベントを開催。

まつは

【住所】京都市中京区晴明町671
【電話】075-231-7712
【営業時間】10:00~22:00(L.O.21:00)
※予約がベター ※3月以降変更の可能性あり
【定休日】日曜、月曜(臨時休業あり)
【HP】https://www.matsuha225.com

まつは外観

05. 精進カフェ和香 〜高倉仏光寺〜

05. 精進カフェ和香 〜高倉仏光寺〜

お寺のほっこりカフェで、精進料理を気軽に味わう

精進カフェ和香
1,000円、限定15食、3人以上は要予約。お店を開く前はリヤカーを引いてお弁当を販売していた和香子さん。多彩なメニューでお腹いっぱいになる献立は、少しずつ品数多く詰めるお弁当づくりの名残だそう。

浄土真宗佛光寺派・佛光寺(ぶっこうじ)の正門から歩いてすぐ。佛光寺派大善院に併設するギャラリー&カフェ「おてらハウス」内にある「精進カフェ和香」。「京都という土地柄から、お寺とのつながりで精進料理を始めました。今は、ご住職とのご縁があって大善院でカフェをさせてもらっています」とは、店主の堀江和香子さん。朗らかな人柄に惹かれて通う常連さんや、ヴィーガン料理を求めて訪れる外国人観光客で賑わいます。

お昼に提供している「精進ランチ」は、動物性のものを一切使用せず、食材から調味料まですべて植物由来のものを用いて調理。例えば、だし汁はかつお節を使わず、昆布や干し椎茸で。マヨネーズは絹ごし豆腐にオリーブオイルや酢などを加えて仕上げるのだとか。

この日のメインは巾着ひろうす(がんもどき)、副菜には、豆腐マヨネーズのポテトサラダや、かぼちゃのいとこ煮、アボカドとタマネギの酢の物など、古くから京都で愛されてきたおばんざいを精進料理にアレンジ。しょっぱい、甘い、酸っぱいなど味付けのバリエーションをつけながら、野菜だけでも十分に満足できる味に仕上げています。メニューによってはスパイスでアクセントをつけることも。

ただし、「うちは厳格な精進料理ではないので、ニンニク・ニラ・ネギ・ラッキョウ・タマネギの『五葷(ごくん)』抜きの対応はしていないのでご了承ください」と和香子さん。精進料理が初体験の方でも気軽に楽しめる野菜のおばんざいをぜひ味わってみてください。

精進カフェ和香
和香子さんと大善院住職の佐々木正祥さん。
精進カフェ和香
アートにも造詣が深い住職が制作したオブジェなどが店内に飾られている。

精進カフェ 和香

【住所】京都市下京区新開町397-9
【電話】090-9707-6191
【営業時間】11:30~15:00(L.O.14:30)
【定休日】日曜、月曜、火曜
【HP】https://www.facebook.com/shojincafewaka/
※3名以上は要予約。

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おわりに…

京都で個性豊かなおばんざいが楽しめる5店をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。友人や恋人、家族を連れて行けば、自慢できること間違いなし! 京都観光の際には参考にしてください。

※記事は2020年1月時点の情報です。

(取材・文 岡田有貴/写真 武甕育子 津久井珠美)

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取材・文=米村めぐみ
よねむらめぐみ●月刊『茶の間」編集部員。出社したらまずはお茶!仕事中はお茶ばかり飲んでいるといっても過言ではないほど、日本茶が好き。作家ものの湯呑など、うつわあつめが趣味。おいしい茶菓子にも目がありません。